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Is North Korea Using China's Satellites to Guide Its Missiles? 北朝鮮は中国衛星を使ってミサイル誘導をしているのか
May 23, 2017
- 北朝鮮がミサイル発射を繰り返し米本土を狙うICBM開発に走る中、ひとつ見落とされている点がある。ミサイルに衛星誘導を使っているのではないか。北朝鮮に衛星航法ネットワークはないため、中国衛星を利用しているとの観測がある。
- 2014年報道で北朝鮮技術者が中国国内で北斗Beidou衛星航法システムの運用を研修中とある。同年の別の記事で中国軍専門官から中国は北朝鮮による北斗の軍事利用を止められないと発言している。
- 北斗以外に北朝鮮の選択肢として米露両国のGPSがあり、ロシアはグロナスGlonasと呼んでいる。
- 「グロナスの可能性もありますが、ミサイル誘導に北斗を利用している可能性の方が高い」と小泉 悠(未来工学研究所特別研究員、ロシア安全保障問題)がメールで述べており、ロシアは北の核実験後に武器および軍事関連技術の北朝鮮向け禁輸措置を取っているがグロナスが対象かは不明と小泉は述べる。
- 北斗衛星群打ち上げは1994年に始まり、現在は東アジア以遠まで展開している。北斗は民生商業用途と軍用の両面で利用され、軍用では妨害を受けず正確にデータが利用できる。
- 北朝鮮が北斗の軍用機能を利用しているか不明だが、民生用機能で精密誘導兵器を運用しているとは考えにくい。というのは北斗の民生機能は日米韓の電子妨害に弱く有事の際に北朝鮮が利用するのは困難になるためだ。
- 「特別のチップならびに中国の協力がないと中国の高精度軍用信号を利用できないはずです」とグレゴリー・クラッキ(憂慮する科学者連盟の安全保障関係上席研究員)は語る。
- 今年4月15日の軍事パレードで性能向上型の300ミリ多連装ロケット発射装備(MLRS)KN-09が公開され射程は200キロと言われる。
- 戦略国際研究所の上席副理事長ジェイムズ・ルイスによればKN-09が北斗、グロナス両方の信号を利用するハイブリッド仕様で信頼性正確性を高めている可能性があるという。
- ルイスはKN-09は中国製MLRSのコピーだが、中国装備も元はロシア製MLRSのコピーでグロナスシステムを利用すると指摘。「中国は北斗を容易に追加できたでしょう」とルイスは指摘するが確証はないという。
- 北朝鮮が中距離長距離ミサイルに地形追尾機能や慣性航法などの高度技術を応用している可能性もある。
- とはいえ北斗を利用して北朝鮮のミサイルが確実に米軍を狙っている可能性が残る。北朝鮮は米本土へ到達可能なミサイル生産を開発中と公言している。
- 先に紹介した中国軍関係者の発言を考慮すると米政府が北朝鮮が北斗にアクセスできるのか中国政府に照会する必要がありそうだ。
- 北朝鮮のミサイル技術核技術が進歩していることへの懸念が高まる中、中国は2020年までに北斗衛星を最低でも30基打ち上げ精度をさらに上げる。同時に中国国内外に地上制御監視基地を十数か所に新設する。
- 中国は北斗の精度は現行のメートル級が10センチになると述べている。
- 民生部門への波及効果は著しい。2015年時点で北斗対応スマートフォンが4億個使用中と中国業界団体がまとめている。現時点では7-8億個になり、2020年までに世界全体の衛星航法応用民生機器の6割で採用されると中国は見ている。
- 反面で北斗の軍事利用も広がっており、南シナ海では情報収集にも応用されている。
- 今年一月に米議会の米中経済安全保障検討委員会のアナリスト、ジョーダン・ウィルソンから北斗運用経費は2020年には100億ドルになる見通しが発表された。
- ウィルソンは中国は精密誘導兵器の配備運用は「接近阻止領域拒否構想の中核として人民解放軍のミッションを実行し米軍の西太平洋介入を困難にする狙いがある」と指摘。
- 北朝鮮自身の接近組織領域拒否は中国構想を補完する意味があるので、中国が北朝鮮に北斗の軍用通信能力を供与していてもおかしくない。
- これまでは北朝鮮の後見役が中国であり、北朝鮮が通常兵力を増強しても中国が批判することはなかった。
- だが今や、米国は北斗を北朝鮮がミサイル発射に使っているのか把握する必要に迫られ、中国との協議が求められる。
- 協議の場では北朝鮮が整備を進める無人機の誘導でも北斗を使っているのかも焦点となるはずだ。
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