スキップしてメイン コンテンツに移動

★★米海軍F/A-18がシリア空軍Su-22を撃墜



週末は米駆逐艦海上事故に目を奪われていましたが、シリア上空でも大きな事態が展開していました。時あたかもラッカ陥落を目指す最終段階に入ったようでISIS組織は壊滅に近づいてきたようですが、シリアと背後にいるロシアが不穏な動きに出そうです。

 

(U.S. NAVY PHOTO BY MASS COMMUNI

 

USN F/A-18E Super Hornet Shoots Down Syrian Su-22 Fitter Attack Jet 

米海軍F/A-18Eがシリア空軍Su-22攻撃機を撃墜


The unprecedented engagement could lead to a rapidly escalating security situation in the skies over eastern Syria.

今回の交戦でシリア東部上空で急速なエスカレーション発生か

 BY TYLER ROGOWAYJUNE 18, 2017
  1. 6月18日、シリア戦場で大きな進展が発生した。戦略上でも今後の戦闘の行方にも影響が出るかもしれない。詳細は明らかでないが、ペンタゴン他の発表によれば米海軍のF/A-18スーパーホーネットがシリア空軍のSu-22フィッター攻撃機をジャディンJa'Din近郊で撃墜した。同アルタブカAl Tabqaにあるシリアの重要なダム付近であり、イスラム国が首都と自称するアル・ラッカAl Raqqaの西にある。
  2. 現地時間4:30ごろアサドに近い勢力がジャディン攻撃を開始した。同地は米国が支援するリシア民主勢力軍(SDF)が占拠中。SDFは死傷者が発生し撤退を余儀なくされた。連合軍航空部隊が威嚇し、敵超低空高速飛行し、おとりデコイを投下して攻勢を止めようとした。策が効果を出し航空隊の出撃要請は出なかった。
  3. 通常どおり米主導連合軍は「衝突回避」ホットラインでロシアを呼び出し攻撃をやめさせようとした。すると地上戦闘開始後2時間ほどでシリア空軍Su-22攻撃機一機が上空に現れSDF部隊に爆弾投下を開始した。米海軍のスーパー・ホーネット一機が「交戦規則と連合軍勢力の集団安全保障方針に従って」Su-22を撃墜した。

AP
シリア空軍のSu-22フィッター

  1. 不朽の決意作戦合同統合部隊CJTFOIRの発表によればジャディンは衝突回避ラインの二キロ北に位置する。ラインはロシア、アサド政権が暫定的に引いたものでSDF占拠地帯を明確に表示している。発表内容はISISが世界に対する脅威でありその撲滅に焦点を合わせるいつもどおりの文句が見える。
CENTCOM RELEASE

  1. これに対してシリア政府の公式発表の要旨は以下の通りだ。
  • 木曜日午後に南部ルサファ地区でわが戦闘機がテロリスト集団ダーイシュ攻撃中に国際同盟を自称する勢力により撃墜され、パイロットが死亡した。
  • このあからさまな蛮行はテロリズムを支援するアメリカの立場のあらわれであることに疑う余地なく、同盟国支援をうけ全国各地でテロリズムに対抗するシリアアラブ軍こそ正当な権利を有する唯一の勢力であることが今回の事件で明らかになった。シリアアラブ軍と同盟軍がテロリスト組織ダーイシュへの戦いで着実に進展を示す中で発生したのであり、ダーイシュはシリア砂漠の各方面で敗退を続けている。
  • 米国とダーイシュテロリスト集団の間に連絡調整が存在することがあきらかになり、米国はテロ活動を操りながら支援を行い米シオニストの流入という目的を達成しようとしている。
  • 陸軍総司令部と国軍は対テロリスト作戦に対する今回の蛮行に警鐘を鳴らすとともにこのような攻撃を受けてもダーイシュおよび勝利戦線テロリスト組織撃滅戦への決意は揺るぐことなく、シリアアラブ共和国全土で平和と安定の回復を続けていく。
  1. 今回のスーパーホーネットは地中海に展開中のUSSジョージ・H・W・ブッシュ所属機の可能性がある。同型機で初の空対空戦撃墜となった。また米戦闘機が有人機を撃墜したのは久しぶりの事例となったが、アサド側航空機との交戦は以前にも発生している。ちょうど一週間前に米空軍F-15Eがイラン製武装無人機をシリア南部で撃墜している。
  2. 今回のシリア空軍機撃墜はWar Zoneが長年予測していた事態が現実になったといえる。外交状況がこのままでISISの脅威が減ればイラク、シリア国内の対抗勢力間で戦闘が激化すると予測していた。「ラッカ陥落レース」もこのひとつでシリア軍、イラン支援のシーア派武装勢力、トルコ系戦闘員、ロシア特殊部隊は同市解放に加わることができないまま緊張が高まっていた。
  3. 今はロシアがどんな反応を示すかを見守るしかない。モスクワはアサドの軍事力を以前にまして保護する姿勢を米巡航ミサイルによるシャイラート空軍基地攻撃(今年4月)以来示している。今回の交戦でロシア軍戦闘機がシリア東部上空を監視飛行する頻度が増えれば同地区上空が一層不安定になりかねない。
  4. 米国はこれまで今回のような事態を予防しており、アサド側の空爆や脅かしにも左右されてこなかった。今回の事件でロシアが自国空軍力で対抗してくれば米国が連合軍とシリア東部に飛行禁止区域を設定しても驚くべきことにはならないだろう。
  5. 何よりも今回の撃墜はアル・ラッカ陥落の最終段階を支援する連合軍航空戦力には事態の複雑化以外のなにものでもない。慎重な態度のまま機体投入の増加が必要となればシリア国内のイスラム国勢力場撲滅に投入できる機体が決定的に不足しかねない。■
Contact the author: Tyler@thedrive.com
連合軍司令部の発表を見ると即座に撃墜したようです。シリア側発表が正しければパイロットは脱出する間もなく機体が墜落したことになります。一方的な戦いだったようですね。


コメント

このブログの人気の投稿

★★★★北朝鮮ミサイルが中国衛星で誘導されている可能性

中国も北朝鮮関連では叩けば埃がどんどん出そうですね。北京が見切りをつければ平壌の現政権など簡単に転覆させるでしょうが、中国国内にある北朝鮮とのしがらみ(おそらく共産党内部の派閥争い)と東北部の軍の非合法ビジネスの問題があり、米国といったん話がついても実施が難しいのでしょう。そのうちにしびれを切らした米国が単独行動に出るかもしれません。
Record China Is North Korea Using China's Satellites to Guide Its Missiles? 北朝鮮は中国衛星を使ってミサイル誘導をしているのか
Peter J. Brown May 23, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/north-korea-using-chinas-satellites-guide-its-missiles-20810?page=show

北朝鮮がミサイル発射を繰り返し米本土を狙うICBM開発に走る中、ひとつ見落とされている点がある。ミサイルに衛星誘導を使っているのではないか。北朝鮮に衛星航法ネットワークはないため、中国衛星を利用しているとの観測がある。 2014年報道で北朝鮮技術者が中国国内で北斗Beidou衛星航法システムの運用を研修中とある。同年の別の記事で中国軍専門官から中国は北朝鮮による北斗の軍事利用を止められないと発言している。 北斗以外に北朝鮮の選択肢として米露両国のGPSがあり、ロシアはグロナスGlonasと呼んでいる。 「グロナスの可能性もありますが、ミサイル誘導に北斗を利用している可能性の方が高い」と小泉 悠(未来工学研究所特別研究員、ロシア安全保障問題)がメールで述べており、ロシアは北の核実験後に武器および軍事関連技術の北朝鮮向け禁輸措置を取っているがグロナスが対象かは不明と小泉は述べる。 北斗衛星群打ち上げは1994年に始まり、現在は東アジア以遠まで展開している。北斗は民生商業用途と軍用の両面で利用され、軍用では妨害を受けず正確にデータが利用できる。 北朝鮮が北斗の軍用機能を利用しているか不明だが、民生用機能で精密誘導兵器を運用しているとは考えにくい。というのは北斗の民生機能は日米韓の電子妨害に弱く有事の際に北朝鮮が利用するのは困難になるためだ。 「特別のチップならびに中国の協力がな…

★★★破損機材二機からF-15を再生したイスラエル空軍の実力に脱帽

すごい。やはり国家の存続がかかった緊張状態を毎日続けて70年になる国は違いますね。イスラエルを敵に回したくないものです。 Meet the Israel Air Force unit that frankensteined a totaled F-15F-15二機の使用可能部分をつなぎ合わせて一機再生してしまったイスラエル空軍 By: Barbara Opall-Rome, May 15, 2017 (Photo Credit: Photo by Heidi Levine) http://www.defensenews.com/articles/meet-the-israel-air-force-unit-that-frankensteined-a-totaled-f-15
TEL NOF AIR BASE, Israel – ボーイングやロッキード・マーティンなど米企業がさじをなげたことをイスラエル空軍第22補給処が普通にやりとげてしまった。 2011年の事故でボーイングが喪失扱いと断念したF-15Bアローヘッドが飛行再開している。来月で事故から6年になる。事故は離陸直後にペリカンを空気取り入れ口に吸ったことで大火災が発生した。乗員2名は緊急着陸に成功したが、機体後部は完全に焼け落ち修理不可能と判定された。 その後三年余り、機齢35年の同機の処遇で議論が続いていた。機体の前方部は無傷なのでコックピットとエイビオニクスは予備部品にすればよいという声が出た。そこに第22補給処が前方部分と20年間も「機体の墓場」に放置されたままの単座型F-15の後部と接合する提案をしてきた。 「その案が出たのでボーイングに実施可能か照会したが、答えは返ってきませんでした」と第22補給処の指揮官マキシム・オルガド中佐がDefense Newsに語っている。「再度同社に聞くと、冗談と思って真剣にしなかったと判明したのです」 第22補給処は事故機の前方部分と20年間も「機体の墓場」で放置されていた別の機体の後部を接合した。 Credit: Photo by Heidi Levine ボーイングは声明文で第22補給処との協力関係は40年続いており、イスラエル空軍F-15の即応体制維持の一助となっている「同部隊のプロ意識や能力の高さには敬意を払っており、教えられることもあり相互に恩恵が生まれている」と述べた。 第…

★★★イージスアショア導入でミサイル防衛体制強化を目指す日本

LEAH GARTON—MISSILE DEFENSE AGENCY

防衛大綱にまで記述している以上イージスアショアの導入は固いところです。が、文中に指摘あるように対外有償軍事援助=販売として許認可を持つのは米政府ですので、今後の米中関係など他の影響も考慮すべきでしょう。ただし、中国の反対意見は無視するとしても、中国が沖縄と同様に国内反対派に火をつけることのほうが怖い気がしますが。
Japan May Acquire Aegis Ashore To Defend Itself From North Korean Missiles日本がイージスアショア導入を検討中。北朝鮮ミサイル防衛を目指す。The system is especially well suited for Japan's strategic needs, but China would not be pleased with seeing it setup on Japanese shores.日本の戦略的ニーズにぴったりだが、導入されれば中国がたまっていないだろう。BY TYLER ROGOWAYMAY 5, 2017 http://www.thedrive.com/the-war-zone/10012/japan-may-acquire-aegis-ashore-to-defend-itself-from-north-korean-missiles
日本がイージスアショアミサイル防衛装備の導入で北朝鮮弾道ミサイル脅威に効果的対応が可能になるか検討を急いでいる。 THAAD導入も検討したがイージスアショアの有効距離が大きいことで日本の地理条件に合い戦略上の狙いにも合致すると判断した。またイージスアショアが日本のミサイル防衛能力装備の水上艦と相互運用性がありセンサー、発射装置、迎撃体、運用方法を共通化できることも好条件だ。 価格も問題だ。ジャパンタイムズは「THAAD一個部隊は1,250億円で全土防衛に6隊が必要だ。イージスアショアは800億円程度で二個編成で同じ面積をカバーできる」と伝えている。イージスアショアはPAC-3ペイトリオット部隊と陸上配備ミサイル防衛の二重構成とし、短距離、中距離弾道ミサイルが大気圏再突入後に迎撃する。 イージスアショアはルーマニアのデヴェセルに導入済みだ。AP 日本の地理条件…