スキップしてメイン コンテンツに移動

これが米海軍のF/A-18+F-35Cの実戦投入作戦構想だ



 

How the F-35 and F/A-18 Super Hornet Could Win the Wars of the Future

F-35とF/A-18スーパーホーネットを実戦投入すればこうして勝利をつかむ


The National InterestSebastien Roblin
June 16, 2017

  1. 米海軍はF/A-18E/FスーパーホーネットおよびEA-18Gグラウラー600機のブロックIII改修に265百万ドルを計上した予算要求案を公表した。改修内容には高性能版スーパーホーネット構想の提案内容も取り入れている。これにあわせ機体寿命延長(SLEP)で飛行時間が600ないし900時間追加される。改修ずみ一号機は2019年に現場復帰の予定でペンタゴンはスーパーホーネットを2046年まで供用する検討をしている。
  2. 数日たって海軍からスーパーホーネット追加調達80機を今後五年間で71億ドルで導入すると発表もあった。ボーイングがスーパーホーネットの経済性を強調して高価なF-35から国防予算の流れを変えた格好だ。
  3. ただしスーパーホーネットがF-35の代わりになるとは言い切れない。ブロックIII改修の本質はライトニングのステルス性を有効活用しながらスーパーホーネットに手ごわい敵に対抗させることだ。
  4. 単座型F/A-18E、複座型F/A-18Fは1980年代のF/A-18ホーネットを大型化・高性能化した。F-15イーグルと同等にみられることがあるが、スーパーホーネットの最高速度は低く空母運用を考慮した設計のため機敏性も劣る。反面スーパーホーネットのエイビオニクスは新型でレーダー断面積は正面で1平米とF-15はじめ第四世代戦闘機の数分の一程度だ。
  5. ただしこれでも容易に探知される。スーパーホーネットのステルスとは探知距離をやや短縮する効果しかない。そこでペンタゴンはF-35投入が必要とし、ライトニングのレーダー断面積は0.001平米と格段に小さい。F-35こそ真のステルス機であり、パイロットは敵機や防空網を遠距離で探知しながら自らの探知リスクは最小にできる。この戦術でレッドフラッグ演習でF-35は非ステルス機に15対1と圧倒的な強さを発揮している。
  6. ただしF-35は価格が上昇の一途で技術問題と遅延は伝説の域にまで達し、供用期間を通じた総経費は1.5兆ドル予測と史上最高の高額装備になっている。飛行性能も批判のまとだ。トランプ大統領は突然F-35を非難し、安価な改修型スーパーホーネットへの置き換えを支持した。
  7. 米海軍はF-35B二個飛行隊、F/A-18に個飛行隊を空母各艦に配備する構想で当初は三対一でスーパーホーネット多用の予定だった。
  8. F-35と比較すれば第四世代戦闘機は高性能化が進む対空ミサイルの前に脆弱だ。それでも海軍はこの弱点を直視する戦略を取る。F-35を「ライドポイント」つまり先頭に飛ばせ敵レーダー探知を安全に突破しながら高性能センサーで敵機や防空網の情報を収集させる。データは「バックフィールド」つまり後方に控えるスーパーホーネット隊に中継する。スーパーホーネットは敵目標に自機レーダーをあわせ有利な攻撃態勢を取り遠距離から敵の長距離防空ミサイル陣地を撃破しすることでステルス性の弱点を逆手にとられないようにする。
  9. ブロックIII改修はこの戦略の実施をめざすもので特にエイビオニクス面での効果が期待される。すでにデータリンクがあるが新しく戦術標的ネットワーク技術で大量データを高速に友軍機や艦船と共有できるようになる。これはEA-18搭載の現行コンピュータ能力の十倍に相当する。さらにスーパーホーネットは従来はデータを受け取る側だったが今後は提供する側にもなる。ここに新しく搭載する赤外線探査追跡センサーの効果が生きてくる。
  10. さらに分散型標的情報処理ネットワークでスーパーホーネットのコンピュータは受信したセンサー画像をデータベースと照合して地上目標を正確に長距離攻撃できるようになり安全な位置から敵防空網を攻撃できる。パイロットを情報の洪水から守るためコックピットにはエルビット社製の大型タッチスクリーン画面がつく。
  11. ブロックIII改修で一番費用がかかるのが機体一体型燃料タンク(CFT)でスーパーホーネットの弱点である航続距離の短さを解決する。現行機の戦闘半径が400ないし500マイルしかないため空母は敵地に接近せざるを得ず新型空母対抗兵器の前にリスク要因になっている。現行機は落下タンク三つ(左右主翼下と胴体下)を使い、空中給油もスーパーホーネット僚機から受けている。ただし落下タンクは機体のレーダー断面積を増やすだけでなく抗力も増え飛行性能が落ちる。また本来は兵装用に使えるハードポイントを使ってしまう。
  12. 一体型タンクは機体にボルト止めされ、空力性能の劣化は最小にとどめRCSもさほど増えない。スーパーホーネット用CFTは空虚重量わずか870ポンドだが燃料3,500ポンドを入れ戦闘半径は800マイルに伸び、F-35が機内搭載燃料のみを使った際の最大戦闘半径にほぼ等しくなる。CFTは低速時に抗力を増やすといわるが、超音速や高速飛行での増加効果はわずかだ。さらにスーパーホーネットはRCSをわずかながら減らす。EA-18グラウラーに応用すれば主翼下タンクが不要となり次世代ジャマーポッドALQ-99の作動の邪魔がなくなる。
  13. CFTによるステルス特性向上をボーイングは正面方向で「50パーセント増」としているが、これはブロックIIIの対象ではない新技術を導入する前提の話だ。格納式兵装ポッドである。主翼下に搭載する兵装はどうしtもレーダーに探知されやすいのでポッドに爆弾やミサイルをステルス性のあるコンテナーに入れ機体に装着させる構想だ。
  14. ただし海軍は非ステルス機でステルス性を追求しても得られる効果に懐疑的だ。それでも一部筋によればブロックIII改修にレーダー波吸収材の表面塗布も含まれているという。
  15. 海軍がとりあえず見送ったのがF414-400ターボファンエンジンの改良型の採用で、燃料消費を3-5パーセント減らし、推力は20パーセント増え2,000時間はオーバーホール不要だ。ボーイングはこの採用はお金がかかるが全期間で燃料経費、整備費用が50億ドル節約できると主張している。
  16. 反面でスーパーホーネットには新型赤外線探査追尾(IRST)センサーの搭載がはじまっている。初期のIRSTはレーダーより短距離での探知となったが、新型装置は50マイル先から探知できる。
  17. AESAレーダーの探知距離と比べればIRSTの有効範囲は短いが電波妨害を受けても敵機探知できる利点もある。スーパーホーネットではIRSTセンサーを僚機とネットワークで結び個々のセンサー情報を「融合」する機能がつき、レーダーを切ったまま敵機に接近でき気づかれることなく攻撃ができる。
  18. こうした機能はF-35でほとんどすべて実施できるしF-35の場合は探知される可能性は低いまま攻撃できる。また機内燃料だけで外部タンクを付けたスーパ―ホーネットと同程度の距離を飛べる。後ろに控えるスーパーホーネットに大量の兵装を搭載する必要が生まれれば、F-35のIRSTセンサーを活用せざるを得なくなる。反面でスーパーホーネットのステルス性能はライトニングとは比較にならない程度のものだ。
  19. ただしライトニングの機体価格はずっと高く、問題が山積みだ。現時点では海軍は両機種を混合運用するのが適切と判断している。敵脅威には両機種のシナジー効果でライトニングの兵装を最小限にしつつステルス性能を活用し敵標的情報をスーパーホーネットに伝え、安全距離からスーパーホーネットに攻撃させる構想だ。■
Sébastien Roblin holds a master’s degree in conflict resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.
Image: F-35 Lightning II joint strike fighter. Wikimedia Commons/DVIDSHUB

コメント

このブログの人気の投稿

F-15J用に新型国産空対空ミサイルの導入に向かう防衛省

Japan Revives Hope For Local Missiles On Upgraded F-15sJul 22, 2019Bradley Perrett | Aerospace Daily & Defense Report https://aviationweek.com/defense/japan-revives-hope-local-missiles-upgraded-f-15s AAM-4: Niranira

日本の防衛省が三菱電機製AAM-4B空対空ミサイルをF-15改修に合わせ搭載させる構想の復活を狙っている。 構想はまだ初期段階だが、戦闘機用空対空ミサイルでレイセオンの供給独占体制が崩れる可能性が出てきた。日本のF-15はまず20機が2019年から2024年にかけ性能改修を受け、対象は102機に及ぶ。 ただし防衛装備庁は7月17日付でAAM-4Bを改修機へ統合する調査の提案募集を発表している。同庁は2020年までの調査完了を期待している。 防衛省への取材で改修対象機はレイセオン製APG-82レーダーを搭載するが調査を受けて米側の合意がないと実際の搭載はできないと述べた。 同じ空対空ミサイルと言ってもレイセオンのAIM-120Amraamと違い、AAM-4Bはアクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーを搭載する。原型はAAM-4だが大型化し推進剤の搭載量を増やしてAmraamの射程を超える可能性もある。 .同省はAAM-4Bはゆくゆくは共用新型空対空ミサイル(JNAAM)にその座を譲ると見ている。JNAAMとはラムジェット推進方式のMBDA製メテオを原型に日英両国で開発するもの。 JNAAMでもレーダー統合に米国の許認可が必要となる。 AAM-4B導入はJNAAMの実用化が失敗した場合のつなぎを防衛省が考えていることが明白だ。
提案企業の資格要件として「AAM-4ならびにAAM-4Bの設計性能分析に経験」を有するものとあり、三菱電機と戦闘機製造で日本の最先端を征く三菱重工業が対象となっているのは明らかだ。応募締切は8月5日。■

★★世界いかなる場所にも24時間以内に展開する「ラピッド・ラプター」構想の持つ意味とは

F-22を制空戦闘機としてのみ見ているとこの記事の趣旨が理解できないと思います。たしかにシリア戦線で戦闘デビューしたラプターは当初こそ何ができるんだと揶揄されても仕方ない存在でしたが、戦術の改良と訓練により対地攻撃能力も開花させたのでしょうね。配備機数が少ないこともあり大量投入は不可能なので、初回に効果の高いパンチを敵にお見舞いすると言う構想のようです。


"Rapid Raptor": The Air Force Can Attack Anywhere with a Stealth F-22 in 24 Hours 米空軍は「ラピッド・ラプター」構想でF-22を24時間以内に世界の任意の場所へ派遣し攻撃するby Kris Osborn March 13, 2019  Topic: SecurityBlog Brand: The BuzzTags: F-22RaptorF-22 RaptorMilitaryTechnologyWorld https://nationalinterest.org/blog/buzz/rapid-raptor-air-force-can-attack-anywhere-stealth-f-22-24-hours-47377

米空軍は「ラピッド・ラプター」でF-22の四機編隊の迅速派遣をめざす。文字通り世界いかなる場所にも24時間以内到達を目標とし、急速に展開する世界情勢に対応する。 構想自体は数年前から存在し、F-22の4機、乗員、C-17による支援、燃料、整備、兵装を迅速に世界各地に派遣し、高速攻撃、第一撃を実施するのが狙いと空軍関係者が述べる。 F-22の即応体制はひとえに新ソフトウェアの実現にかかっており、ソフトウェアを順次連続改良する「パイプライン」方式を目指している。 「ソフトウェアに古臭いルールを適用する余地はない。これまで違う形のソフトウェア開発が必要だ。F-22では従来型の調達方法を引き渡しまで継続する流れとして再編した」とウィリアム・ローパー空軍次官補(調達技術補給担当)が空軍協会主催のシンポジウムで語っている。 「迅速調達」でソフトウェアに重点を置く空軍はF-22で新型兵器二点を有効化した。機体、兵装、搭載方法やセンサーといったハードウェアすべてをソフトウェアで性能向上するのがF-22の基本設計思想だ。

★★日本をファイブアイズに加盟させるべき、という主張をが主要シンクタンから発表されました......ク

ファイブアイズに日本も加われるのか、小泉元首相時代にも要望があったと覚えておりますが却下されていましたね。それから日本の体制や考え方に変化が着実に起こっており、今回は期待できそうですね。ただし旧民主党のように米国の信頼を自ら損ねるような自殺行為が今後発生しなければの話ですが。お金だけ払って肝心な情報はもらえないという屈辱的な立場は過去のものとなるでしょうか。

New Report Suggests Closer Integration With Japan, Including Addition to ‘5 Eyes’ Intel Sharing新規報告書が今以上に緊密な日本との関係を提言し、「ファイブアイズ」情報共有体制への加入も認めるべきと主張By: John GradyOctober 3, 2018 3:02 PM https://news.usni.org/2018/10/03/new-report-suggests-closer-integration-with-japan-including-addition-to-5-eyes-intel-sharing

米海軍のP-8Aポセイドン(哨戒飛行隊(VP)5所属)が最新の日本製哨戒機川崎P-1と並んで姿を見せた。2014年11月。VP-5は前方配備として第7艦隊隷下にあり、広域対潜戦や海上自衛隊との共同作戦の実施体制向上にあたっている。US Navy photo.

日本を「ファイブアイズ」情報共有ネットワークに参加させるべきとの報告書が発表された。その他提言とともに米国と最も近い関係の同盟国のひとつとして日本を組み入れるべきとする。

国際戦略研究所Center for International and Strategic Studiesにおいて10月3日、リチャード・アーミテージ Richard Armitage大使が作成者の一人として「両国はかなり進展している」と米日間での情報共有の現状を語った。【ファイブアイズ」とは米国、英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドを指し、対潜戦、宇宙画像、ミサイル防衛などで最大度の機密情報を共有している。

アーミテージによれば日本は「米国同盟国の中で最も有能」であり「世界で最重要な地域の中」に位置する。自衛隊はここ数年装備を大きく拡充して独自の情報収集・指揮統制機能を向上さ…