スキップしてメイン コンテンツに移動

疑問が山積みの事故原因はACXクリスタルの動向がカギになりそう


本件、すっかり報道が減っています。とにかく情報がないためいろいろと推測する向きが出てきたようですが今回の事件は単なる事故で片付くか疑問ですね。死者が発生したため米側も真剣に調査し、捜査権がない日本は傍観するだけですが、日本側メディアもその気になればいろいろ調査できるはず。政権打倒という負の方向ではなく、事故調査としていろいろおかしな点がを独自に調べてもらいたいものです。


CORRECTION U.S. Navy Aegis Destroyer Collides with Philippine caTETSY JOKO—AP

We Don't Know Much About the Fitzgerald Collision and That Seems Odd

フィッツジェラルド衝突事件で判明したことが少ないのが妙だ

Authorities have been tight-lipped about the accident and the strange details we do know have quickly giving rise to conspiracy theories.

関係者は事故で口を閉ざすが奇妙な背景から陰謀論が浮上

 BY JOSEPH TREVITHICKJUNE 19, 2017


米海軍駆逐艦と民間商船間で発生した事故からオンライン上で陰謀論が盛んに議論されている。事故状況の公式説明がほとんどないことから全体状況が常軌を逸していると思わないほうが難しい。
まず判明していることを列挙しよう。2017年6月17日、コンテナー船ACXクリスタルがアーレイ・バーク級駆逐艦USSフィッツジェラルドに本州沖合56マイルで衝突した。双方が損傷を受けたが、米艦船の被害の方が大きい。
第七艦隊前方配備部隊司令官ジョセフ・オーコイン中将は6月18日の報道記者会見で事故の被害状況に触れ、その後フィッツジェラルドは横須賀に帰港した。中将は以下説明していた。
  • 艦は重大な損傷を受け直後に艦内大区画三つで浸水がはじまった。機械室1と116名収容の居室2だ。
  • 艦長室も直撃を受け、艦長が閉じ込められた。乗員は迅速かつ効果的に動き、その行動に誇りを感じる。
  • 英雄的行為で浸水の拡大を防ぎ、沈没を回避した。もっと悪い状態になっていた可能性もある。
  • 艦は世界で最も混雑した港湾に磁気コンパスと予備航行装置だけで進めた。二本あるシャフトの一本はロックされていた。
  • 乗組員の決意と勇気ある行動のおかげでダメージコントロールを続け、艦は自らの動力で昨日夜に帰港できた。
その日遅くにダイバーチームが損傷状況を調査し行方不明乗組員7名の遺体を発見した。公式発表の表現を見るとクリスタルが衝突して居室内で溺死したとわかる。今回死亡した乗組員の年齢分布をみると年若い青年たちが数十億ドル相当の軍艦を動かしているのわかる。氏名、階級、出身地は以下の通りだ。
- Gunner’s Mate Seaman Dakota Kyle Rigsby, 19, from Palmyra, Virginia
- Yeoman 3rd Class Shingo Alexander Douglass, 25, from San Diego, California
- Sonar Technician 3rd Class Ngoc T Truong Huynh, 25, from Oakville, Connecticut
- Gunner’s Mate 2nd Class Noe Hernandez, 26, from Weslaco, Texas
- Fire Controlman 2nd Class Carlos Victor Ganzon Sibayan, 23, from Chula Vista, California
- Personnel Specialist 1st Class Xavier Alec Martin, 24, from Halethorpe, Maryland
- Fire Controlman 1st Class Gary Leo Rehm Jr., 37, from Elyria, Ohio
事故発生を受け海上保安庁はただちにヘリコプター数機を現場に送り、医療搬送した。うち一回はブライス・ベンソン艦長で次に氏名未発表の水兵二名が搬送された。全員が横須賀海軍病院に送られた。
米国は捜査を三方向から行う。海軍の法務部(JAGMAN)は事故の根本状況を、海軍は別に安全面から検討を行う。米沿岸警備隊は「海洋障害調査」をクリスタルと乗員を対象に行う。日本関係者も独自の調査を行う。
だが今までのところ米日双方の当局関係者から事故がどのように発生したのかあるいはフィッツジェラルドの当時の任務について共に説明がない。オーコイン中将も「調査がいつ完了するか予測不可能」と言っていた。
そこで陰謀説が出てきたのは驚くべきことではない。衝突が故意に行われたとの主張に今のところ証拠はないが、今回の事故には奇妙な点が多々ある。

View image on TwitterView image on Twitter

#USSFitzgerald Look at track of #ACXCrystal it veered OFF course TWICE The last time right b4 hitting USN ship.. Autopilot malfunction?
ACXクリスタルの航跡を見ると二回方向転換してから米艦に衝突している。オートパイロットの故障なのか。

まずMarineTrafficだ。オンラインの船舶航路追跡サービスで航空機のFlightRadar24に似ている。これによるとクリスタルは6月17日1:30 AMに緊急方向転換をしている。同サイトによるとコンテナー船の速度は14ノットからゼロになっている。ゼロはおそらく衝突時だろう。ただし直後に元の速度に戻している。衛星データがの精度を確認しようがないが、重要なデータのようだ。同船から2:25 AMに事故報告があり、五分後に衝突地点と思われる場所へ戻っている。同船のオートパイロット機能が故障したのかエラーがあったと見る向きがある。
海上保安庁も当初は事故発生時間を2:20 AMとしていたが、民間船から当局への報告が一時間も後になった理由を調査中といわれる。海上の当て逃げ事件といってよい。2017年6月19日現在で米海軍が当初発表のあった時間の通りと信じているか不明だ。「緊急事態になり、乗員は連絡する余裕がなかった」と日本郵船の広報の発言をCBSニュースが伝えている。日本郵船はクリスタルの所有企業だ。フィッツジェラルドから事故直後に海軍司令部にすぐ連絡が入らなかった点でも説明がない。連絡があれば直ちに対応措置をしていたはずだ。
またクリスタルの一連の行動から裏に不正な力があったとの観測が生まれている。同船の所有権をたどると日本特有の系列が見えてくる。表向きはACXアジアコンテナーエキスプレスが日本郵船の子会社として運航する。しかし大日インベストメントが船主になっている。日本郵船は三菱グループ企業だ。同船は日本郵船が2014年からフィリピンの海運会社に貸し出している。つまり同船は第三者が借り乗員、燃料その他を用意して運航している。クリスタルの乗組員の情報と事故にどう対応したのかで関係当局からの発表は皆無に近い。
未確認のうわさがある。クリスタルは航行灯をつけず、海上トランスポンダーを付けずに航行し、事故防止措置をとっていなかったという。しかしMarineTrafficで非暗号化トランスポンダーデータで作成した地図があり同船の事故前後の位置が示されており、トランスポンダーを切っていたというのはあり得ない。フィッツジェラルドでも同艦のレーダー他監視装置が事故当時に作動していたのか観測がさかんだ。
AP
事故後のACX クリスタル船首部分。
「USSフィッツジェラルドが貨物満載の商船と日本沖合で深夜に衝突した状況ではわからないことが多すぎる」とジョン・カービー(退役米海軍少将でオバマ政権で国務省報道官、現CNN解説者)は感想を述べている。「同艦のレーダーは正常に作動したのか、当直要員はどう判断したのか、あるいは判断を誤ったのか、事故を回避できなかったのか。貨物船の乗組員がどんな行動で悲劇を招いたのか回避できなかったのかがわからない」
今広がっている陰謀論はなんらかの理由でクリスタルのバルバスバウがフィッツジェラルドに衝突し、側面を損傷させるのに最適の手段というもの。このとおりなら北朝鮮が背後に浮かぶ。同国は自国貨物船をフロント企業を通じ使い、海外の不良企業により貨物を輸出入している。さらに米朝間の言葉の応酬が激しくなる中で実際に衝突手前の事態も発生しており、6月18日には北朝鮮外交官がニューヨークJFK国際空港で国家保安省係官と理由不明の取っ組み合いをしている。北朝鮮は今年2月の金正男暗殺など秘密工作活動を堂々と展開している。
だが前述のようにこのシナリオを証明する詳細な事実関係はない。クリスタル乗員が犯罪に関係し、必要な書類なしで運行していたため現場を慌てて退去し、その後事態の大きさに気付いたのかもしれない。また実は単なる事故で技術上の問題あるいは機械的な故障あるいは昔からの人的エラーが原因だったのかもしれない。■
Contact the author: jtrevithickpr@gmail.com


コメント

Звезда белый さんの投稿…
高橋洋一氏いわく、今のマスメディアの調査力とはいかに官僚から(裏付け取れて無かろうと)資料を得られるか、だそうで。
コネも何も持たない日本の各社には調査報道など無理でしょう。ましてや状況もハッキリとしていないにも関わらず米海軍をSNSで非難してしまう記者が編集部にいるメディアですから。

このブログの人気の投稿

★★★★北朝鮮ミサイルが中国衛星で誘導されている可能性

中国も北朝鮮関連では叩けば埃がどんどん出そうですね。北京が見切りをつければ平壌の現政権など簡単に転覆させるでしょうが、中国国内にある北朝鮮とのしがらみ(おそらく共産党内部の派閥争い)と東北部の軍の非合法ビジネスの問題があり、米国といったん話がついても実施が難しいのでしょう。そのうちにしびれを切らした米国が単独行動に出るかもしれません。
Record China Is North Korea Using China's Satellites to Guide Its Missiles? 北朝鮮は中国衛星を使ってミサイル誘導をしているのか
Peter J. Brown May 23, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/north-korea-using-chinas-satellites-guide-its-missiles-20810?page=show

北朝鮮がミサイル発射を繰り返し米本土を狙うICBM開発に走る中、ひとつ見落とされている点がある。ミサイルに衛星誘導を使っているのではないか。北朝鮮に衛星航法ネットワークはないため、中国衛星を利用しているとの観測がある。 2014年報道で北朝鮮技術者が中国国内で北斗Beidou衛星航法システムの運用を研修中とある。同年の別の記事で中国軍専門官から中国は北朝鮮による北斗の軍事利用を止められないと発言している。 北斗以外に北朝鮮の選択肢として米露両国のGPSがあり、ロシアはグロナスGlonasと呼んでいる。 「グロナスの可能性もありますが、ミサイル誘導に北斗を利用している可能性の方が高い」と小泉 悠(未来工学研究所特別研究員、ロシア安全保障問題)がメールで述べており、ロシアは北の核実験後に武器および軍事関連技術の北朝鮮向け禁輸措置を取っているがグロナスが対象かは不明と小泉は述べる。 北斗衛星群打ち上げは1994年に始まり、現在は東アジア以遠まで展開している。北斗は民生商業用途と軍用の両面で利用され、軍用では妨害を受けず正確にデータが利用できる。 北朝鮮が北斗の軍用機能を利用しているか不明だが、民生用機能で精密誘導兵器を運用しているとは考えにくい。というのは北斗の民生機能は日米韓の電子妨害に弱く有事の際に北朝鮮が利用するのは困難になるためだ。 「特別のチップならびに中国の協力がな…

★★★破損機材二機からF-15を再生したイスラエル空軍の実力に脱帽

すごい。やはり国家の存続がかかった緊張状態を毎日続けて70年になる国は違いますね。イスラエルを敵に回したくないものです。 Meet the Israel Air Force unit that frankensteined a totaled F-15F-15二機の使用可能部分をつなぎ合わせて一機再生してしまったイスラエル空軍 By: Barbara Opall-Rome, May 15, 2017 (Photo Credit: Photo by Heidi Levine) http://www.defensenews.com/articles/meet-the-israel-air-force-unit-that-frankensteined-a-totaled-f-15
TEL NOF AIR BASE, Israel – ボーイングやロッキード・マーティンなど米企業がさじをなげたことをイスラエル空軍第22補給処が普通にやりとげてしまった。 2011年の事故でボーイングが喪失扱いと断念したF-15Bアローヘッドが飛行再開している。来月で事故から6年になる。事故は離陸直後にペリカンを空気取り入れ口に吸ったことで大火災が発生した。乗員2名は緊急着陸に成功したが、機体後部は完全に焼け落ち修理不可能と判定された。 その後三年余り、機齢35年の同機の処遇で議論が続いていた。機体の前方部は無傷なのでコックピットとエイビオニクスは予備部品にすればよいという声が出た。そこに第22補給処が前方部分と20年間も「機体の墓場」に放置されたままの単座型F-15の後部と接合する提案をしてきた。 「その案が出たのでボーイングに実施可能か照会したが、答えは返ってきませんでした」と第22補給処の指揮官マキシム・オルガド中佐がDefense Newsに語っている。「再度同社に聞くと、冗談と思って真剣にしなかったと判明したのです」 第22補給処は事故機の前方部分と20年間も「機体の墓場」で放置されていた別の機体の後部を接合した。 Credit: Photo by Heidi Levine ボーイングは声明文で第22補給処との協力関係は40年続いており、イスラエル空軍F-15の即応体制維持の一助となっている「同部隊のプロ意識や能力の高さには敬意を払っており、教えられることもあり相互に恩恵が生まれている」と述べた。 第…

★★★イージスアショア導入でミサイル防衛体制強化を目指す日本

LEAH GARTON—MISSILE DEFENSE AGENCY

防衛大綱にまで記述している以上イージスアショアの導入は固いところです。が、文中に指摘あるように対外有償軍事援助=販売として許認可を持つのは米政府ですので、今後の米中関係など他の影響も考慮すべきでしょう。ただし、中国の反対意見は無視するとしても、中国が沖縄と同様に国内反対派に火をつけることのほうが怖い気がしますが。
Japan May Acquire Aegis Ashore To Defend Itself From North Korean Missiles日本がイージスアショア導入を検討中。北朝鮮ミサイル防衛を目指す。The system is especially well suited for Japan's strategic needs, but China would not be pleased with seeing it setup on Japanese shores.日本の戦略的ニーズにぴったりだが、導入されれば中国がたまっていないだろう。BY TYLER ROGOWAYMAY 5, 2017 http://www.thedrive.com/the-war-zone/10012/japan-may-acquire-aegis-ashore-to-defend-itself-from-north-korean-missiles
日本がイージスアショアミサイル防衛装備の導入で北朝鮮弾道ミサイル脅威に効果的対応が可能になるか検討を急いでいる。 THAAD導入も検討したがイージスアショアの有効距離が大きいことで日本の地理条件に合い戦略上の狙いにも合致すると判断した。またイージスアショアが日本のミサイル防衛能力装備の水上艦と相互運用性がありセンサー、発射装置、迎撃体、運用方法を共通化できることも好条件だ。 価格も問題だ。ジャパンタイムズは「THAAD一個部隊は1,250億円で全土防衛に6隊が必要だ。イージスアショアは800億円程度で二個編成で同じ面積をカバーできる」と伝えている。イージスアショアはPAC-3ペイトリオット部隊と陸上配備ミサイル防衛の二重構成とし、短距離、中距離弾道ミサイルが大気圏再突入後に迎撃する。 イージスアショアはルーマニアのデヴェセルに導入済みだ。AP 日本の地理条件…