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★★日本側が調べたフィッツジェラルド衝突事件の全体像



うーんACXクリスタルが円を描いた航行をしていたのは事故後に現場に戻るためだったようですね。事故発生時間そのもので混乱があったのは通信機能がとまっていたためのようです。ただしこれは日本側のまとめた途中経過で肝心の米海軍からはなにも情報開示がありませんので断定はできないと思います。事故はクリスタル側に非があったようですが、今後NYK含め関係者は相当の賠償責任を負いそうですね。イージス艦体制にひずみが出ると今後痛い影響が出そうです。

USS フィッツジェラルドの右舷の様子

Investigators Believe USS Fitzgerald Crew Fought Flooding For An Hour Before Distress Call Reached Help

遭難信号が出る一時間前にUSSフィッツジェラルド乗員が浸水を防いでいた。

 By: Sam LaGrone
June 21, 2017 8:28 PM


  1. 商船に衝突された誘導ミサイル駆逐艦の乗組員が艦の沈没を防ごうと懸命に努力しながら同艦から救援を求める第一報が発信されたのは事故発生一時間後であったと日本側捜査陣は理解している。
  2. 日本側捜査陣の推理ではUSSフィッツジェラルド(DDG-62)とフィリピン船籍の商船ACXクリスタルの衝突後、駆逐艦の通信機能が一時間停止し、その間に船体は四倍の大きさのある商船側は衝突に気付かず、現場に戻って初めて軍艦に衝突したと気づいている。日本側による捜査に詳しい複数筋がUSNI Newsに6月21日明らかにした。
  3. 捜査陣はクリスタルは東京に向けオートパイロットを作動し、乗組員は注意を払わずあるいは就寝中に駆逐艦右舷に現地時間1:30 AMごろに衝突したとみている。クリスタル乗組員は何かにぶつかったと感じ航路からUターンし衝突地点に18ノットで戻りフィッツジェラルドを発見し、救難信号を2:30 AMごろに送信した。米海軍は事故発生時刻と救難信号を同時刻の2:30 AMごろと述べていた。
  4. クリスタル左舷船首の衝突を受けた駆逐艦は通常の形で日本沿海部を通過中だったとUSNI Newsは把握している。クリスタルの船首が駆逐艦上部構造物数か所を破壊し、艦長ブライス・ベンソン中佐の居室もその一つだった。
  5. 衝突で艦長居室に穴があいたほか鋼板がずれベンソン館長は「艦体にはさまれ艦の外に体の一部が押された」と損傷を見た水兵がUSNI Newsに述べている。「命があって幸運」
衝突後のブライス・ベンソン中佐の居室の様子。外部が見える.

  1. フィッツジェラルド乗組員は艦長室のドアを曲げ戻しベンソン艦長を引っ張り出し艦内部に戻そうとした。その後艦長と水兵二名が日本のヘリコプターで横須賀の海軍病院へ搬送された。
  2. 艦長居室とドアの写真を見ると鉄鋼材料が曲がり外が見えており、右舷外側の写真では居室がほぼ全部つぶれているのがわかる。
  3. 他方で甲板下ではクリスタルのバルバスバウにより10フィート四方から14フィート四方の穴が喫水線下にあき、機械室と兵員居室が浸水しはじめた。
  4. 第七艦隊司令官ジョセフ・オーコイン中将から衝突で損傷を受けた区画の説明があった。

USSフィッツジェラルド図面でACXクリスタル衝突で生じた損害箇所がわかる

  1. 「区画三つが大きな損害を受けた。
  2. 「うち機械室がひとつ、居室がふっつで、乗組員116名用の居室だった」
  3. 浸水を食い止めるため水密扉が閉められ水兵7名が居室に閉じ込められたと海軍は遺族に説明している。
  4. ただし当直が衝突警報または総員配置をクリスタル衝突前に鳴らしていたかは不明だ。
  5. 区画で損害が出たことに加えフィッツジェラルドの通信機能がほぼ一時間にわたり機能停止した。乗組員は予備のイリジウム衛星通信を使用可能にし救援を求めた頃、クリスタルが現場に戻り別個に遭難信号を発したと乗組員がUSNI Newsに語った。
A photo compilation depicting the seven sailors who died during June 17, 2017 collision between a merchant ship and the guided missile destroyer USS Fitzgerald. USNI News Image
事故で死亡した水兵7名。 USNI News Image

  1. 米海軍捜査陣は調査内容で口を閉ざしており、海軍内部でも同様だが、USNI Newsは海上保安庁による調査からフィッツジェラルドは衝突時に通常通りの航行中だったと理解しベンソン艦長が両船の接近時に艦橋に居なかった理由の疑問が生まれている。
  2. 第七艦隊は月曜日から海軍法務部マニュアル(JAGMAN)に従った捜査を開始しており、衝突時の事実を確認中で別個に米海軍安全規則による調査も始まっている。
  3. 衝突から5日たちフィッツジェラルドではこれ以上の損害を食い止める作業が続いている。クリスタル衝突の衝撃で浸水とともに艦体に凹みが生じたがねじれも発生している。ポンプ排水で艦を浮かしている状態だ。

  1. 海軍海上システムズ本部は日本で修理が可能か米本土に移送し修理すべきかを見極めようとしている。乗組員は衝突のショックから回復すべく休暇を与えられている。その間同艦は横須賀在港中の他艦が担当すると海軍当局はUSNI Newsに説明。
  2. 海軍作戦部長ジョン・リチャードソン大将が海軍最上級兵曹長スティーヴ・ジョルダーノと横須賀に赴きフィッツジェラルド乗組員および家族と話している。■



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