イラク、シリアでは敵対勢力が空軍力を持たない前提で作戦を実施した来たため今回の無人機襲撃事例はショックでしょう。無人機を有効に活用すれば効果を上げるのも可能だと示しています。さらに無人機の製造元がイランであり、イランへの警戒をあらためて強める効果も生まれそうです。
U.S. F-15E Downs Iranian-Built Syrian Drone After Airstrike on U.S. Led Forces 米F-15Eがシリア無人機を撃墜したが、イラン製無人機は米軍主導の地上部隊を空爆していた
- ストライクイーグルがシリアの無人機を撃墜したがその前に同無人機は反アサド地上部隊を攻撃していた。ストライクイーグルの撃墜例は湾岸戦争終結後二件目になった。
- 反アサド勢力のシリア軍を補佐中の米特殊部隊軍事顧問団がシリア政府に近い勢力が操作するイラン製シャヘド129型無人機の攻撃を受けた。6月8日に発生したと米陸軍が発表した。
- これに対し米空軍F-15Eストライクイーグルが同無人機を撃墜した。
- 現場はアル-タンフ、シリア南部でヨルダン国境に近い地点。アル-タンフには前線基地があり英米特殊部隊がISISに対抗するシリアゲリラ部隊マガウィル-アル-タウラ(「革命戦士部隊」)を援助している。同部隊はシリア地元の特殊作戦部隊で連合国勢力から訓練支援を受けながらアサド政権を相手に戦っている。
- 米軍はF-15Eストライクイーグル一機に無人機の探知撃破を命じた。米軍が敵対勢力による攻撃を空から受けるのはほぼ20年ではじめてで、ストライクイーグルが空対空戦で撃墜したのは1991年にイラクの武装ヘリコプターの撃墜事例以来二件目となった。
- 不朽の決意作戦の統合共同タスクフォース広報官ライアン・ディロン米陸軍大佐によればアサド政権所属の無人機が米顧問団とシリア革命戦隊を攻撃したが「連合軍部隊に被害は発生していない」
- 「政権側のUAVは米MQ-1プレデターに類似し、米空軍機が撃墜する前に搭載兵装の一部をISISに対抗する地上部隊の訓練支援にあたる連合軍人員の近くに投下した」との声明文を発表。「今回の撃墜の前に同日には連合軍が政権側テクニカル車両二台を破壊している。車両は武装衝突回避地帯内部に侵入し連合軍・提携勢力部隊の脅威となっていた」
- ペンタゴン担当記者タラ・コップは米軍機が無人機を撃墜したとツィッターで真っ先に報じた一人である。
- アル-タンフ周辺の34マイルにわたる地帯は「武装衝突回避地帯」として連合軍が設定している。緩衝地帯とし英米が支援する反アサド部隊の安全を図るのが目的だ。だが同地帯内部で事件数件が発生しており米軍による対応が必要とされてきた。6月6日火曜日には米海軍F/A-18ホーネットが爆弾四発を投下し推定10名の親アサド勢力戦闘員が死亡し、車両数台を破壊している。
- 親アサド勢力がイラン製シャヘド129無人機を近辺から操作した可能性がある。
- 注目されるのは、同地域での米陸上部隊がはじめて航空攻撃を受けたことだ。イラン製シャヘド129はヒズボラも2012年にイスラエル戦に投入している。イスラエルも無人機を撃墜していたが、テロ集団の運用能力が危険なエスカレーションをしたことが話題になっていた。■
イラン製シャヘド129武装無人機 (Iranian News Media)
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