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イスラエル、中東の空の王者への途


西のイスラエルと東の日本は米国が技術力に注視しているはずですが、イスラエルの方が自由に行動している観がありますね。なんと言ってもイスラエルはなにもしなければ国家の存続が危うくなる国ですからね。日本も制約がなくなったのでこれからイスラエルとの共同開発も増えていくでしょう

 

 

This Is How Israel's Air Force Dominates the Middle East

イスラエルはこうして中東の空の支配者になった

The National Interest Robert Farley
June 13, 2017

  1. 1960年代以来、イスラエル国防軍の航空部門IAFは国防の中心だ。イスラエル空軍が有する戦場支配力と防空力によりIDFは戦いを有利に進めることができる。IAFの戦略攻撃能力は実証済みで、長距離攻撃能力を有している。
  2. IAFの圧倒的な力の背景は効果的な訓練と同時に敵勢力が弱体であること、さらに調達開発が柔軟であることだ。長年にわたりイスラエルは戦闘機調達を多方面から試み、フランス、米国からの購入に加え、国内開発もしてきた。後者二つの組み合わせの効果が特に高いことが判明している。

産業基盤つくり

  1. 初期のイスラエルは手に入る装備はすべて入手してきた。このためIDFに旧式装備各種がそろい、多くは欧州調達だった。1950年代末になると英仏はじめ数か国と正式な武器輸入関係を樹立している。うちフランスと取引が拡大し、高度技術の軍事装備としてミラージュ戦闘機や核兵器開発支援を入手した。ミラージュは1967年の六日間戦争でIAFの主力戦闘機となり、近隣国の空軍戦力を開戦後数時間で壊滅させた。
  2. ただし1967年にフランスがイスラエル向け武器禁輸措置を適用するとイスラエルは苦境に立たされた。IDFはミラージュにない中距離対地攻撃能力を求めていた。このためイスラエルは必要なものは盗むとの昔ながらの戦略に走る。諜報活動で新型ミラージュの設計図を入手しているが、フランス当局もある程度甘受していたようだ。ここから二機種が生まれた。イスラエル航空宇宙工業(IAI)のネシェルとクフィールだ。後者はアメリカ製の強力なエンジンを搭載しIDF主力戦闘機になった。両機種は成功をおさめ、ネシェルはアルゼンチン、クフィールはコロンビア、エクアドル、スリランカで供用された。
  3. ここからイスラエルの航空宇宙産業は発展し、イスラエル経済全体にも効果が生まれた。国家財政を重点的に軍事技術開発に投入しても民生技術で革新が生まれる保証はない。ただしイスラエルの場合は民生技術部門の発展に特に初期段階で大きな効果が生まれている。クフィールの成功はイスラエルが航空技術で独り立ちした証となった。
  4. それでもイスラエルは海外機材へ多大な投資を続けた。IDFはF-4ファントム調達に1960年代末に動き、F-15イーグルは1970年代中頃に導入を決めた。後者はイスラエル政界に危機を生んだが、安息日の開始直後に国内に機材がまず4機到着した。とはいえ余波でラビン政権が倒れた。一方でクフィールやハイテク分野の成功から国産戦闘機開発を求める声が高まった。

ラヴィ構想の挫折と思わぬ影響

  1. そこでラヴィが登場した。米ソ両国の空軍と同様にIDFもハイ・ローミックスが最適と判断した。ここから軽量多用途戦闘機ラヴィ構想が生まれ、F-15イーグルへの補完機能が期待された。一部装備は米国からライセンス提供され外観はF-16に酷似しつつ主翼構造は違う。
  2. しかし軍事技術で環境が変化し始める。ラヴィをゼロから開発するには莫大な財政投資が必要な反面F-16に対する優越性はわずかだった。さらに米国が輸出規制に乗り出し、フランス以上に神経質になり機密保護が厳しくなった。当初は輸出可能性を楽観していたが、米装備を搭載するラヴィ輸出を米国が許さないと明らかになる。さらにラヴィがF-16の競合機体のため問題は悪化した。
  3. 1987年8月にイスラエル内閣はラヴィ開発の中止を決定し、IAIや関連従業員から非難を浴びた。開発再開の試みも失敗し、イスラエルはF-16の大量導入を決定した。ただしラヴィによりF-22ラプター輸出の可能性が消えた。イスラエルがラヴィ(およびF-16)の技術が中国にわたりJ-10が生まれたのを見た米議会はF-22輸出の途を閉ざしたのである。これによりイスラエル他ラプターに関心を有する数か国に調達可能性が消え、同機の生産も早期終了する結果になった。

代替策と対米関係

  1. 国産戦闘機開発に代わりイスラエルは米国から導入した機材を大幅改造するのが普通になった。F-15I「サンダー」、F-16I「ストーム」の両機種は大きく改修されイスラエル仕様になっている。航続距離が延びエイビオニクス性能を向上した両機種はIDFに長距離戦闘能力を実現した。F-15IはF-15Eストライクイーグルが原型でIAF長距離攻撃機の主力だ。IAFはF-35共用打撃戦闘機でもソフトウェアなどイスラエル向け改修を始めている。
  2. 自主開発戦闘機プロジェクトこそないもののIAIは成功し続けている。エイビオニクスや弾薬類で国内国外に顧客開拓し、UAV分野でも存在感を高めている。ラヴィの失敗があったが、イスラエルのハイテク防衛産業はおおむね好調で民生分野へ波及効果が大きく生まれている。イスラエル産業政策の目標はハイテク分野のイノヴェーションに資金投入を続け国防と経済成長を両立させることだ。
  3. 今日のイスラエル航空宇宙分野は米国との良好な関係に依存している。機材調達と共同技術開発で顕著だ。米イ同盟関係が崩れる兆候がないことだはイスラエルに幸運な要素だ。技術保全の懸念からラプター輸出は不可能になっても両国関係全般は傷つかなかった。仮に想定外の事態が発生してもイスラエルは米国以外の供給元をさがしていただろうし、イスラエル産業界の実力から提携先に困ることはないはずだ。■

Robert Farley, a frequent contributor to the National Interest, is author of The Battleship Book. He serves as a senior lecturer at the Patterson School of Diplomacy and International Commerce at the University of Kentucky. His work includes military doctrine, national security and maritime affairs. He blogs at Lawyers, Guns and Money, Information Dissemination and the Diplomat.


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