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英国の弱み 世界第5位の経済でも大国にふさわしい軍事力の維持は不可能になってきた。さらにブレグジットで悪影響が生まれている。

 英国の弱み ここでも経済の実態が国防力整備を厳しくしています。

 

国は大国の地位を維持したいが、ない袖は振れない。

 

「英国」と「国防予算」が合わさると気が滅入る響きになる。英国軍は縮小の一途で、新型装備導入計画は全く非現実的で、逆に英国の軍事力に悪影響が生まれると、政府会計検査部門が指摘している。

 

現在実施中の装備計画10年計画は1,810億ポンド(2,345億ドル)の予算だが、今後10年の防衛ニーズに全く足りないと英政府の国家監査局(NAO)が発表した報告書にある。

 

NAO試算では装備計画で29億ポンド(38億ドル)が不足とある。最悪の場合、130億ポンド(171億ドル)足りなくなる。

 

 

NAOは予算不足の事例を取り上げ、軍事力への悪影響を測った。「例えば、RFAアーガスが医療訓練、ヘリコプター訓練の場となっているが、2024年に退役する予定」と判明した。「海軍は掃海機能も2030年代初頭に喪失する。海軍はこのため2019-2029年整備計画で対応が必要と把握していたにもかかわらず、後継装備の調達予算は計画に含まれていない」

 

掃海で新技術をさぐる研究費はあるのだが、他の問題は野放しで、早期警戒機では規模が十分でない。「英空軍はE-3セントリー退役予定を2022年12月に前倒ししたが、これでは後継機の就役まで9ヶ月が空白となる。2020年1月からセントリーは6機から3機になっており、空軍はこれで19億ポンド(25億ドル)の予算節約になるとしたが、戦力へ影響が生まれる中で、実施の手順は未決定のままだ」

 

国防省は国防力の必要規模を十分把握しておらず、英空軍向けF-35ステルス戦闘機調達や英海軍のクイーンエリザベス級空母の試算ができていない。「2015年度SDSR(戦略国防安全保障検討)ではF-35は138機調達する意向とあったが、2019-2029年整備計画ではそのうち48機分の試算しか言及がない。各機は現在生産中だ」とNAOは指摘した。「HMSクイーンエリザベスが2021年に運用開始してから、F-35の必要機数を決めるとある」

 

「国防省は戦闘航空機材調達事業の一環でこうした決定を下す。また空母打撃群で航空戦力を最大活用する方法でも決定を迫られる。後者に関し国防省はHMSクイーンエリザベスが2020年に海上公試を完了すれば支援経費の規模を把握できる」

 

きびしい予算でその他にも問題が発生している。例として退役英海軍原子力潜水艦20隻で原子炉処理予算が確保できず放置されたままだ。他方で、ブレグジットで英ポンド安になっており、海外製装備品はF-35含め価格上昇している。

 

英国は手も足も出なくなる。英国軍は米軍のような構造となっており、高額装備の空母、ステルス戦闘機、原子力潜水艦にトライデントICBMミサイルを搭載しそろえている。だが、世界第5位ないし6位(インドが四位になった)の経済規模の英国が軍に僅かな予算しか回せないのが現状だ。■

 

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Not Enough Pounds: Why Britain Cannot Pay for a First-Class Military

February 13, 2021  Topic: Security  Region: Europe  Blog Brand: The Reboot  Tags: NATOUKRussiaMilitaryTechnologyDefense

by Michael Peck

 

Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter, Facebook. or on his Web site. This article first appeared in March 2020 and is being republished due to reader interest


コメント

  1. ぼたんのちから2021年2月17日 17:58

    イギリスの軍事費はGDP比で2%を越え、総額では日本を越えている。高額の装備、空母やステルス機等を導入し、軍事費が足りないのは仕方がないことかもしれないが、このようなことは軍事力を強化しようとする国ではいつも同じ悲鳴を上げることになる。
    イギリスは、軍事力が外交や経済に及ぼす効果を良く知っており、世界展開できる軍隊を作ろうとしている最中だ。その象徴が今年の東アジアへの空母の派遣である。イギリスは、アジアでの発言と関与を強め、また、経済的結び付きを強化したいと考えている。CPTPPへの加入も申請し、環太平洋への関与も強めようとしている。イギリスの目論見は成功し、EU加盟中に単独ではでき難かった世界への関与を強め、経済的にも成功するとの成算があるのだろう。
    それにしても、イギリスの軍事力強化は、風呂敷を広げ過ぎていないだろうか。空母2隻体制は重荷で、それを守る有効なイージス駆逐艦は無く、また、記事のように掃海艦艇へ費用を回せない状態だ。アジアに派遣する空母艦隊は、米国から駆逐艦と航空機を借りる有様だ。
    イギリスの軍事費不足の原因は、空母や弱体化した陸海軍の装備の更新もあるが、大きな原因は核戦力の維持である。イギリスの国力でも、通常戦力と核戦力の両方を維持し続けることが困難になるほど、それにかかる費用は高価になってきている。イギリスは維持でいないと判断すれば、そのうち核戦力を放棄すべき時期がくるかもしれない。

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