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NGADの機体単価3億ドルは決して高い買い物ではないという説。

 


発中のアメリカの次期ステルス戦闘機は、非常に高価な機体になりそうだ。多くの人々に数字が深刻なステッカーショックを与えるのは確かだが、そこまで高価格だとしても、同戦闘機はお買い得な機体になる可能性がある。

 アンクルサムが高価な軍事プラットフォームと親和性があることは否定できない。F-35ライトニングIIは耐用期間全体で推定1兆7000億ドルという、史上最も高価な軍事プログラムとなっている。F-35Aの機体単価は現在約8000万ドルだが、新型ステルス戦闘機に3億ドルを出すといえば衝撃的に聞こえる。

 しかし、F-35の価格が劇的に下がったのは、17カ国がこの最新鋭戦闘機を発注し、すでに1,000機以上のF-35が顧客に引き渡されたおかげであることを忘れてならない。言い換えれば、運用コストが高いものの、F-35は地球上で最も広く運用される戦闘機となる。

 逆に、空軍は次世代制空権プログラムでわずか200機ほどの戦闘機を購入する予定で、これらの次世代ジェット機は、さらに300機の先進的な新型ブロック4仕様のF-35と、少なくとも1000機の人工知能対応ドローンウィングマンと一緒に飛ぶ想定だ。

 比較的短い生産期間のため、NGAD戦闘機は、総数でF-22ラプターと対等な立場になる。そして、NGADの予想コストをラプター、あるいは由緒あるF-14トムキャット戦闘機と比較すると......そのステッカー・ショックはすぐに、NGADの機体単価3億ドルでも実際はかなりお買い得だとの感覚に変わる。


編集部注:この記事には、親愛なる友人ロドリゴ・アベラの素晴らしいアートワークが使用されています。彼のウェブサイトやインスタグラムをフォローして、より多くの素晴らしい航空レンダリングをご覧ください!


NGAD戦闘機とそのコストについて、これまでに分かっていることngad fighterロドリゴ・アヴェラによる原画


Next Generation Air Dominance(次世代制空権)プログラムは、かなり最近まで、新しい戦闘機プラットフォームというよりも、新しい航空技術を開発するのが目的だった。これらの技術はすべて、4つのカテゴリーのいずれかに分類される:

推進力 - 空軍はこれらの新型戦闘機に、以前のエンジン設計以上の出力、燃費、優れた熱制御と出力生成、そしてより長い滞空時間を提供する先進的なアダプティブ・サイクル・エンジンを搭載する。

搭載システム - NGAD戦闘機は、センサーの到達範囲を拡大し、戦闘能力と生存性を向上させるため、AI対応のドローンウィングマン編隊と飛行する。

材料 - 材料科学の進歩は、ステルス機設計の最も秘密裏に行われることが多い要素である。現在のレーダー吸収材料(RAM)は、受信レーダー波の80%を吸収すると評価されているが、壊れやすいため戦闘機性能を制限している。RAMを改善することで、メンテナンスコストを削減し、ステルス性を向上させ、より高い性能を実現することができる。

センサー - NGADは、F-35の空戦方法論と同じく、従来以上に遠くから敵機を探知し、照準を合わせることに傾注し、敵機が戦闘機の存在に気づく前に交戦し、破壊することを可能にする。

 しかし、こうした技術が成熟するにつれて、努力の焦点は新技術を乗員付き機体に統合する方向に移行し、先月発表された最終設計提案の機密契約募集で最高潮に達した。空軍は現在、この20年代末までに実戦配備を開始する積極的な計画で、来年には最終設計を選ぶ。

 現段階では、空軍はこの戦闘機の正確な予想コストを提示することはできないが、フランク・ケンドール空軍長官は、単価は「数億ドル」になるだろうと公言している。

 厳密には、同じ次世代航空支配の名のもとに開発されている別のプログラムではあるが、海軍の次期F/A-XX戦闘機は、空軍の新型戦闘機とモジュラー・システムを一部共有すると予想されている。

 米空軍や防衛関連企業が公開した新型戦闘機のレンダリング画像を見る限り、新型戦闘機は伝統的な戦闘機の操縦面、すなわち垂直尾翼を省略し、よりステルス性の高いプロファイルを採用するようだ。その結果、F-22ラプターのようなこれまでのトップ・パフォーマーほどエアロバティックではないが、これまで空を飛んだ中で最もステルス性の高い戦闘機になるのはほぼ間違いないだろう。


NGADを旧式戦闘機と1:1の割合で置き換える必要はない

ngad fighter

原画:Rodrigo Avella


開発中の新型NGAD戦闘機と、ラプターやトムキャット含むこれまでの一流ジェット機との最も重要な違いは、アメリカの次期制空権戦闘機が、AI搭載のドローンウィングマンと同時運用される設計されている点だろう。

 ウィングマン無人機は、AIでNGAD戦闘機のパイロットが割り当てる複雑なタスクをこなす。ウィングマン各機は、前方に進出しセンサー有効範囲を拡大したり、有人機に代わって交戦することでペイロード能力を向上させたり、さらにはパイロット搭乗機に向かうミサイルを吸収し生存能力を向上させたりすることができる。

 しかし、重要なことは、これらのドローンウィングマンによって、2~3機のドローンウィングマンと一緒に飛行する乗員付きNGAD戦闘機1機で旧世代機の編隊全体を置き換えることも可能になることだ。その結果、F-15とF-22は、同レベルの戦闘能力を維持するために1対1で置き換える必要がなくなる。


F-35プログラムの「取得過誤」を避ける

生産ラインから搬出される未塗装のF-35。(イタリア国防省)

F-35は現在、技術的に最も進歩した戦闘機かもしれない。しかし、予算を浪費する買収の大失敗でF-35が誕生したため、空軍は二度とこのようなことがないよう懸命に努力している。

 コスト高を招いた最も顕著な問題は、第一に、ロッキード・マーチンに今後数十年にわたって航空機の設計、生産、維持管理を実質的に独占させ、予想コストを下回るインセンティブをほとんど与えなかったこと、第二に、テスト完了の前に生産開始し、問題が判明した時点で古い機体に高価な改修を強いることになったことである。

 将来的にこのような挫折を避けるため、空軍は戦闘機の契約方法を再構築し、設計と生産を長期的な維持管理から切り離し企業間競争を促すこととしており、おそらく最も重要なのは、企業が戦闘機を独占するのではなく、新しい戦闘機とその設計に関連する「データ権」や知的財産の少なくともかなりの部分を米国政府が所有することである。

 もちろん、空軍の計画通りにすべてが進んでも(ほぼ間違いなくそうはならないだろうが)、地球上で最も先進的な戦闘機を実戦配備する莫大なコストを軽減できない。

 しかし、空を支配するためにプレミアムを支払うことは、アンクルサムがすでにかなり慣れていることだ。

 空軍による調査では、F-22を生産再開した場合、1機あたり3億3,000万ドル(2023ドル換算)のコストがかかるという。

 F-22ラプターに代わるまったく新しい制空戦闘機を開発し、実戦配備することが賢明なのか疑問視する声も多い。結局のところ、地球上で最初で最古のステルス戦闘機であるにもかかわらず、F-22ラプターは今でも最もステルス性が高く、間違いなく最も強力な戦闘機であることに変わりない。新型戦闘機に大金を費やすより、F-22をもっと作ればいいじゃないか。

 空軍はそう考えた。2017年、空軍はF-22の生産再開にどれだけのコストがかかるか極秘の調査を依頼した。ラプターのキャンセル後、F-22の生産ラインの多くはF-35生産に共食いされたため、生産ラインの再開は実質的にゼロから新たな生産インフラを確立することを意味する。

 その結果、194機の新型F-22ラプターの製造には約503億ドルかかり、2023年のインフレ率に調整すれば約625億ドルに跳ね上がると予測された。もし米国が今日生産を再開したら新型ラプター1機あたりのコストは平均して約3億3000万ドルになる。

 F-22の初飛行は初代iPhone発売より10年以上前であり、機体の多くは1990年代初頭の設計であるのを忘れてはならない。言い換えれば、ラプターを新たに製造するのは、21世紀のデザインでゼロから始めるのと同じか、それ以上のコストがかかる可能性が高いということだ。

 F-22の生産がフル回転中だった2010年当時でさえ、米国議会調査局は1機あたり約1億8600万ドルを支払っていたと報告している。研究開発費を機体単価に転嫁しないと仮定すると、ラプターの価格は2010ドル換算で1機あたり3億6950万ドルに跳ね上がる。しかし、2010年の1億8600万ドルは、2023年には約2億6040万ドルに調整される。

 そのため、仮にF-22の生産が停止されたのではなく、一時停止されただけで、どうにか生産を再開すできたとしても、新型ラプターは1機あたり3億ドルの大台に乗る。

 先に述べたように、莫大な費用がかかる統合打撃戦闘機プログラムから生まれたF-35ライティングIIは、多くの顧客リストと高い生産量のおかげで、年々一貫して安くなっている。しかし、常にそうだったわけではない。

F-35が2007年に生産を開始した当時は、機体1機あたり約2億2110万ドルと、かなり高価だった。2023年のインフレ率に調整すると、現在の戦闘機1機あたり約3億3150万ドルになる。

 しかし、F-35の1機あたりのコストは生産開始後数年で劇的に低下し、低速初期生産(LRIP)ロット2が1機あたりわずか1億6,170万ドル、つまり戦闘機1機あたり約2億4,230万ドルになった。そして2012年までには、1機あたり1億700万ドル(現在の約1億4300万ドル)まで下がった。

 制空権には常にコストがかかる。その例として、1988年の『トップガン』で有名になった海軍の伝説的なF-14Aトムキャットほど明らかなものはない。

 1973年当時、米海軍はトムキャットを1機約3,800万ドルで購入していた。この記事でこれまで述べてきた数字と比較すると、まさにお買い得に思える。しかし、インフレは厄介なもので、冷戦時代にはアメリカが国内総生産(GDP)のなんと10%もの金額を防衛費に充てていたことを、ソ連崩壊から数年して、多くの人が忘れてしまっている。

 2022年のアメリカの国防予算は8,579億ドルで、GDPで3%に相当する。もしアメリカが冷戦時代とベトナム戦争時代のようなペースで出費を続けていたら、今日の国防予算は2兆5000億ドル近くになる。

 トムキャットは、米国が防衛費支出を厭わなかったかを示す完璧な例である。今日のインフレ率で調整すると、F-14Aは1機あたり2億7000万ドルという驚くべき金額になる。


制空権は安くない


次世代制空権プログラムで開発されているアメリカの次期制空戦闘機について多くはわかっていない。アメリカは長い間、航空戦力で世界をリードしてきた。軍用機を最初に実戦配備した国であり、航空機の武装を最初に行った国であり、空中給油を最初に行った国であり、爆撃機を世界中に飛ばした国であり、ステルス攻撃機、戦闘機、爆撃機などを製造した国である。アメリカは長い間、空から敵に戦いを挑む能力に投資することを厭わず、圧倒的なパワー、能力、量であらゆる戦闘の空域を支配してきた。

 このような戦争へのアプローチは単なる習慣ではなく、アメリカの戦争ドクトリンのほぼすべての側面に組み込まれている。アメリカの戦争へのアプローチは、紛争を6つの段階に分ける。すなわち、「形成」、「抑止」、「主導権の掌握」、「支配」、「安定化」、「文民権力の実現」、そして「形成への回帰」である。

 IRISインディペンデント・リサーチ社長のレベッカ・グラント博士が13年ほど前に『エアフォース・マガジン』で指摘したように、航空戦力は各局面で役割を果たす。1970年代から今日に至るまで私たちが見てきたように...空を支配することは高価な努力なのだ。

 だから、もしNGAD戦闘機の単価が約3億ドルもするとわかったとしても、それ以前の戦闘機と比べて価格が飛躍的に高くなったということではなく、空の覇権を握るため相場だと考えるべきなのだ。■



Modified feature image courtesy of Rodrigo Avella

Alex Hollings

Alex Hollings is a writer, dad, and Marine veteran who specializes in foreign policy and defense technology analysis. He holds a master’s degree in Communications from Southern New Hampshire University, as well as a bachelor’s degree in Corporate and Organizational Communications from Framingham State University.


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