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北朝鮮が公表したグローバルホーク、リーパーに酷似の新型無人機二機種の性能は?その他にも開発中の機体がある模様。

 North Korea Drone RQ-4

(North Korean State Media).


今回は新型無人機2機種の飛行中映像も公開された



朝鮮が米国製の無人航空機(UAV)RQ-4グローバルホークとMQ-9リーパーのほぼ正確なコピーと思われる2機種の新型無人機を公開した。北朝鮮国営メディアは、両機種の飛行を映したビデオも提供している。北朝鮮の無人機の正確な性能は不明確なままだが、米国の類似機に及ばないことは間違いないといえ、平壌が開発に資源を投入している事実は、少なくとも、監視と攻撃の両方のための高度な無人機設計と、運用能力への関心が高まっているあらわれだ。

 北朝鮮の無人偵察機の名称は不明のままで当面は 「グローバル・ホーク型」と 「リーパー型 」と呼ばれている。

 両者は昨日、北朝鮮の金正恩委員長とロシアのショイグ国防相が出席した「2023兵器装備展示会」で正式に明らかにされた。ショイグ国防相は、両国の軍事協力を進めるため平壌を訪れ、ウクライナ戦争で使用する北朝鮮製の兵器をさらに確保するねらいと伝えられている。

 2機のうち大きいほうのグローバル・ホーク型無人機は、米空軍のジェットエンジンを搭載したRQ-4Aや、米海軍、NATO、韓国を含む他国も運用している同型の派生型と、外観もサイズもよく似ている。V字尾翼や胴体上部の吸気口など、米国製ドローンの主な特徴は北朝鮮のデザインに忠実に再現されている。

 先月、北朝鮮を取材する米国のニュースサイト『NKニュース』は、グローバルホーク型ドローンが、北朝鮮西部の平安北道(ピョンアンブクト)にあるパンヒョン空軍基地で地上テスト中に衛星画像で発見されたと報じていた。その時点での分析によると、翼幅は約115フィートで、RQ-4Aの翼幅116.2フィートとほぼ同じだった。改良型のRQ-4Bの翼幅は130.9フィートである。

 グローバル・ホーク型無人機が飛行テスト中であることを示すビデオだけでなく、平壌で開催された展示会でUAVとともに紹介された一連の写真には、柳京ホテルや未来科学者通りなど北朝鮮の首都を背景に飛行している様子が写っている。これらが本物の写真なのか、それとも背景のランドマークを追加するなど加工されたものなのかは不明。

 グローバル・ホーク型ドローンの仕様や任務の詳細はほとんど不明だ。しかし、RQ-4シリーズに酷似していることから、高高度飛行を想定していることは明らかだ。エンジン性能などにもよるが、長距離飛行が期待できそうだ。RQ-4Aは30時間以上の耐久性を持ち、画像情報(IMINT)、信号情報(SIGINT)、移動目標表示(MTI)センサー含む様々なセンサーを搭載し、情報・監視・偵察(ISR)任務を担う。

 ピョンヤンで展示されたリーパー型ドローンは、グローバル・ホークそっくりのドローンとともに、最近の衛星画像にも登場し、翼幅が約65フィートであることを示した。MQ-9の翼幅は66フィート。

 ターボプロップエンジンのMQ-9はISRと攻撃任務の両方に使用されるが、北朝鮮のリーパー型無人機が翼の下の6本のパイロンにミサイル2種類を搭載して展示されたことが注目に値する。一般的な空対地ミサイルは、MQ-9やその他多くの機体で使用されている。短いビデオクリップでは、ドローンがヘルファイアそっくりのミサイルを2発発射する様子も映っているが、本物かどうかは不明だ。

 リーパー型無人偵察機は写真とともに展示され、そのうちの1枚には、金正恩が滑走路で無人偵察機を見る様子が写っていた。この写真は、おそらくパンヒョンでのドローンの飛行テスト中に撮影された可能性がある。

 このドローンは、北朝鮮のメディアによって内容がぼかされていたものの、明らかな仕様のプラカードと一緒に写っていた。

 北朝鮮が新しい無人機を開発していることは以前から知られていたが、特定の設計に関する詳細は最近まで限られていた。

 とはいえ、2021年1月に平壌で開催された党大会で、金正恩は「無人打撃装置」と「偵察ドローン」(射程310マイル)の開発を呼びかけた。グローバル・ホーク型とリーパー型無人機がこの要求に従って準備されたかどうかは不明だが、可能性があることは確かだ。

 新型無人機2機種のデザインの類似性が、RQ-4とMQ-9シリーズUAVを直接コピーしようとした証拠だと見たくなるかもしれない。しかし、だからといって、北朝鮮がどのような手段であれ、設計図やリバースエンジニアリングが可能なその他の詳細情報を入手できたということにはならない。その一方で、北朝鮮は西側の防衛産業を標的にしたスパイ活動にも関与しており、役立つデータを入手できる可能性もある。北朝鮮とともに時に厄介な関係にあるイランもまた、両タイプの墜落機を回収し、コピーを独自に作成している。これらのプログラムが北朝鮮のものと関係があるかどうかはわからない。それでも、データを持っていることと、問題の兵器システムの真の複製を作れることはイコールではない。

これらのUAVの能力の核心にある、より複雑なコンポーネントやサブシステムのいくつかを実際に複製する国の産業の能力は非常に疑わしい。RQ-4やMQ-9シリーズが依存するハイテクセンサーは、スパイ活動の恩恵を受けても、北朝鮮の手の届かないところにある。だからといって、性能が著しく低いセンサーが不可能なわけではない。これらの航空機を構成する複雑な複合構造は、エンジン技術と同様に別の問題である。よりシンプルな製造手段と低性能エンジンが、性能限界と航続距離を大幅に低下させている可能性がある。

 また、MQ-9シリーズの大まかな構成は、程度の差こそあれ、さまざまな国の他のドローンのデザインでも再現されている。

 北朝鮮の両機種の前方胴体上部に、明らかに衛星通信(SATCOM)の「こぶ」があることも謎だ。現在のところ、平壌は、UAVセンサー間の高帯域幅のデータフローを確保することを含め、見通し外の地上局とのドローン通信に使用される可能性のある種類の衛星を運用しているとは理解されていない。

 SATCOMドームが、他の友好国の通信衛星と組み合わせて使用されることを意図している可能性は残るが、選択肢は限られている。実用性はともかく、アメリカの設計を模倣したものに過ぎない可能性が高い。また、実績のある設計を活用し、リスクを抑えるために、同じ一般的な型式を維持するだろう。もし盗まれた空力データにも頼っているのであれば、型枠をほぼ同じに保つことが第一の目標になるだろう。無人機の他のアンテナアレイも、北朝鮮にとって疑わしい価値がある。

 これらの無人機に使用されるエンジンに特に疑問符がつく。北朝鮮の生産能力は限られているため、動力源は外国から確保しなければならない可能性が高い。

 それでも、あまり性能の高くない無人偵察機とはいえ北朝鮮が利用する可能性はある。

 グローバル・ホーク型無人機であれば、米国の同等機よりも耐久性や性能が低く、センサーやデータ転送能力も劣るとはいえ、韓国の地上の動きを監視する役割を果たすことができるだろう。センサー範囲と運用高度によっては、そのような任務は北朝鮮領空の比較的深いところから飛行させることもできる可能性がある。韓国と対立した場合、グローバル・ホーク型無人機は北朝鮮上空で長く持たないだろうが、平時には海上監視機能を実現し、韓国が海軍力の拡大を続けるなか、平壌にとって重要性が増している。

 北朝鮮は南のライバルに比べ、センサー技術が著しく不足している。ドローンが搭載するレーダーは、おそらく広範なスタンドオフ電子攻撃の前に脆弱であり、平時でも有用性が制限される可能性がある。ドローンを通信中継機として使用することも実行可能なミッションとなるだろう。

 リーパー型無人偵察機に関しては、この種の無人偵察機は、ISR成果を地上部隊にリアルタイムで配信するだけでなく、さまざまな兵器を使用した精密打撃を行うなど、世界中の低強度紛争で繰り返しその価値を示してきた。これまでのところ、北朝鮮軍はこのクラスのドローン、特に武装ドローンで遅れをとっている。

 昨年末、北朝鮮の無人偵察機が韓国領空へ相次いで侵入したが、各機は非常に基本的な設計で、ホビータイプの無人偵察機と変わらないものだった。とはいえ、これらの無人偵察機の1機が韓国大統領府周辺の飛行禁止区域に侵入したことは、無人偵察機がもたらす脅威を示し、韓国の防衛策で緊急見直しを促した。

 これまで北朝鮮は、主に小型で粗雑な偵察用ドローンを使用してきたが、より大型のタイプも保有していることが知られている。

 加えて近年は中国の設計を模倣し、全般的な改善に取り組んでいるとの指摘もある。これには、より高性能な「マンインザループ」タイプや、商業機を原型に開発されたものも含まれる。この分野でかなりの経験を積んでいる中国が、北朝鮮がこれら2つの新しいドローンの設計で支援した可能性もある。

 いずれも韓国やアメリカとの全面衝突では生き残れないだろうが、これらのドローンを製造し、テストし、運用するだけでも、北朝鮮には有益な試みとなる。ここで得た経験から、直面する戦術的現実に即した他の設計を実現できるだろう。そして、平時にも用途を提供できる。現実には、飛行させるだけでも大変なことなのだ。

 北朝鮮で来週開催される軍事パレードに、新型ドローンが登場するという噂がある。最も関心があるのは、ウクライナで大混乱を引き起こしているイランのシャヘド136のような、北朝鮮における長距離浮遊弾だろう。これらの兵器は平壌にはるかに関係が深く、非常に大量に製造される可能性があり、韓国の防空に大きな問題をもたらす。

 平壌は軍事近代化に広範な努力を展開しており、UAVにますます関心を示しているため、その他のドローンも、より多く目にすることになるだろう。■


North Korea Unveils Look-Alike Global Hawk, Reaper Drones | The Drive

BYTHOMAS NEWDICK, TYLER ROGOWAY|PUBLISHED JUL 27, 2023 1:57 PM EDT

THE WAR ZONE


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