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脅威を意識してグアムのミサイル防衛防空体制が一段と強化中。西太平洋の拠点としてグアムはなんとしても死守したい。

 


A map showing radar arcs and areas of restricted airspace associated with the Enhanced Integrated Air and Missile Defense system. <em>MDA</em>

A map showing radar arcs and areas of restricted airspace associated with the Enhanced Integrated Air and Missile Defense system. MDA


グアム全土に設定された恒久的な空域閉鎖は、グアムを要塞にする

 アムは、大規模な防衛向上計画の一環として、迎撃ミサイルやレーダーなどを満載した防空拠点を20箇所以上整備する。全体として、グアム島は地球上で最大限の防御密度の場所になる。


米軍が発表した、新たな防空・ミサイル防衛によるグアムの日常生活への潜在的な影響についての文書は、プロジェクトの規模と範囲について新たな見方を提供している。地対空迎撃ミサイル、レーダー、その他の強化統合防空ミサイル防衛(EIAMD)システムを設置するため、合計20もの場所が検討されている。このシステムは、常時運用され、潜在的な電磁波干渉の危険をもたらすレーダーサイト周辺で空域制限を伴うと予想がある。


米軍は今月初め、計画中のEIAMDシステムに関する情報を住民に提供し、意見を求めるため、グアムで複数のいわゆる「パブリック・スコーピング・ミーティング」を開催した。一般市民は8月18日までに、このプロジェクトとその潜在的な環境影響に関するさらなる意見や批判を提出できる。


公開情報には、EIAMDシステムのさまざまな要素をホストする候補地の位置を示す地図と、付随して設定されるレーダーアークと制限空域ゾーンを示す地図が含まれている。

「ミサイル防衛システムは、グアムを360度防衛することができる。360度能力は、島の複数の場所にシステムのコンポーネントを分散/配置することで達成される」と、候補地マップに添えられたブロックの文章は説明している。「候補地選定は現在進行中であり、さらなる候補地が検討される可能性もある」。


「提案された措置が実施された場合、MDA(ミサイル防衛庁)と陸軍は統合防空システム(EIAMD)を建設し、継続的に運用することになる」と、レーダー/空域マップの背景を説明する文章が追加されている。「FAA(米連邦航空局)は、航空機の電気・電子システムに対するFAA認証基準を超える高強度放射が存在する空域での航空機飛行制限に関連する行動をとるだろう。

「MDAと陸軍は、航空機の飛行制限に関するFAAの措置が完了するまで、EIAMDシステムの連続運用を開始しない」。


EIAMDの一部として新型レーダーの設置によるグアムへの影響についての特別な懸念は、以前から浮上しており、米軍は以前から特別な注意を要するトピックだと認めていた。


「米国内であろうと海外であろうと、......レーダーの電磁干渉を心配しなければならない......」と、当時MDAのトップだった、ジョン・ヒル副司令官は昨年語っている。「病院を建てようとしていて、ここにレーダーがあると、MEDEVAC(医療搬送)ヘリコプターが到着する場所にレーダーのエネルギーを通してもいいのだろうか?答えはノーだ」。


現在計画されているように、EIAMDは、グアム全体として、各種の空中脅威に対し360度の空とミサイル防衛の提供を意図した、分散された階層的な『システム・オブ・システム』だ。米領であるグアムは、西太平洋の戦略的な位置にあり、空軍、海軍、海兵隊の主要基地がある。これらは、中国に対するようなこの地域での将来のハイエンドの紛争において、相手国にとって優先的な標的のリストの上位に入るだろう。


EIAMDの中核は、グアム特有の地理的条件やその他の要件に合わせたイージス・アショア・システムだる。これは、現在ルーマニアとポーランドにある米軍のイージス・アショア・サイト(後者はまだ稼働していないが、今年後半に稼働する予定)と大きく異なるものになると予想される。米軍はハワイにイージス・アショア専用のテストサイトを持っている。


当初の設計通り、イージス・アショアは、AN/SPY-1レーダーやMk 41垂直発射システム(VLS)を含む様々なコンポーネントを、フライトIIAアーレイ・バーク級駆逐艦から陸上配備型に直接移植したものだ。このシステムの主要な迎撃ミサイルは、地球大気圏外を飛行する大陸間弾道ミサイル(ICBM)をミッドコースで迎撃できる設計のブロックIIAを含むSM-3のバリエーションだ。


Mk 41 VLSの多目的性のおかげで、多目的SM-6や、飛来する極超音速ブーストグライドビークルに対処するために現在開発中の滑空位相迎撃ミサイル(GPI)などのミサイルが、将来統合される可能性がある。


グアムのイージス・アショア・システムの正確な構成はまだわからない。しかし、米ミサイル防衛局は過去に、従来型システムよりはるかに広範囲に分散配置されると明らかにしている。特定のコンポーネントを硬化した地下施設に設置したり、道路を移動できる地上プラットフォームに搭載することについては、過去にも議論があった。


EIAMDの上位層には少なくとも4台のAN/TPY-6レーダーも含まれることが判明している。この設計は、以前は国土防衛レーダー・グアム(Homeland Defense Radar-Guam)として知られており、現在アラスカに設置されているロッキード・マーチンの長距離識別レーダー(LRDR)の技術を活用している。

米陸軍は、対弾道ミサイルシステムTHAAD(Terminal High Altitude Area Defense)、地対空ミサイルシステムのペイトリオットPatriot、Typhon Mid-Range Capabilityシステム(SM-6多目的ミサイルとトマホーク巡航ミサイルを発射可能)で、Enduring Shield Indirect Fire Protection Systemsを提供し、下層の防空・ミサイル防衛をカバーする。


THAAD、パトリオット、SM-6を搭載したタイフォンは、さまざまな種類の弾道ミサイルや巡航ミサイル、固定翼機やその他の空中からの脅威と交戦するオプションを提供する。少なくとも当初はAIM-9Xサイドワインダー・ミサイルを発射するエンデュアリング・シールドは、巡航ミサイル、無人偵察機、は砲弾ロケットに対する追加防御を提供する。本誌では、監視やその他の悪意のある目的に使用したりできる超低価格の商用タイプを含むドローンが、グアム含む海外や国内の米軍にもたらす脅威を繰り返し強調してきた。


グアムには2013年以来、陸軍のTHAAD砲台が配備されている。陸軍はまた、2021年の試験の一環として、アイアンドーム・システムを配備した。


グアムの新しいEIAMDに対する陸軍の貢献には、少なくとも3基の下層防空ミサイルセンサー(LTAMDS)レーダーと、島の周囲に分散配置された複数の小型センチネル・タイプが含まれる。


海軍のイージス・コンバット・システムと陸軍の統合戦闘指揮システム(IBCS)の要素を含むコマンド・アンド・コントロール・アーキテクチャは、これらすべてを結びつけるのに役立ち、柔軟性の拡大と全般的な状況認識を可能にする。このネットワークはまた、グアム防衛側がさまざまな迎撃ミサイルや関連センサー、より忠実度の高い追跡・照準データを生成するためのデータ融合を選択し、さまざまなタイプの到来する脅威に最適に対応し、より速く、より高い精度で対応するのに役立つ。


また、これらのネットワークは外部ソースからの情報も取り込むことができるようになる。これには、既存および将来の宇宙ベースのセンシング資産も含まれる。極超音速兵器に特化した新しい追跡コンステレーションの開発はすでに始まっており、最終的には数十基の衛星が含まれる見込みだ。


前述したように、EIAMDのさまざまな構成要素がどこに配置されるかは、まだ完全には決まっていない。


公開された環境影響情報に含まれるレーダー/空域マップには、グアム北端のリティディアン・ポイント付近、島中央部にあるグアム海軍基地(NBG)のバリガダ・サイト、南部の海軍軍需施設(NMS)内の位置から放射される3つの顕著なレーダー・アークが示されている。これらはAN/TPY-6やLTMADSレーダーの設置が検討されている場所である可能性がある。


グアムの海兵隊の新キャンプ・ブレイズの管轄下にあるリティディアン・ポイントからは、4つ目の非常に大きなアークも突き出ている。また、島の北端にすでに設置されている陸軍のTHAAD砲台に関連する既存のAN/TPY-2レーダーを反映している可能性もある。


地図上には他にも11のレーダーアークが記されており、これは完全なEIAMDSの様々な下層コンポーネントを反映していると思われる。

計画されているEIAMDSの全コンポーネントがいつ設置されるのか、正確なスケジュールは不明だ。関係者は過去に、システムの少なくとも一部を2026年までに運用開始したいと述べている。今週初めの会見で、MDA長官代理のダグ・ウィリアムズ海軍少将は、2024年12月にグアムでイージス・アショアサイトからSM-3ブロックIIAミサイルの初期実射テストを実施する計画が進行中であると述べた。

グアム住民の反対など、EIAMDSの取り組みを遅らせる可能性のあるハードルはいくつもある。米軍はまた、グアム島のため各種の新しい防空・ミサイル防衛システムの費用を賄うために、複数年にわたり予算を十分に確保する必要がある。ディフェンス・ニュースによると、ミサイル防衛局と陸軍は、この作業を支援するため、2024会計年度だけで14億4000万ドル近くを要求している。


さらに米陸軍は最近、今後数年間でペイトリオット・システムを増やす別計画での話し合いの中で、同軍の防空部門の採用における課題を浮き彫りにした。すでに兵役に就いている者でさえも、陸軍のこの特殊な部門に参加させるのが難しいということは、ペイトリオット・コミュニティ以外にも影響を及ぼしかねず、ひいてはEIAMDSのスケジュールにも影響を及ぼしかねない。


はっきりしているのは、グアムの防空・ミサイル防衛を大幅に拡大する米軍の計画が固まりつつあり、計画通りに進めば、地上と上空の両方で、グアムに大きな変化が生まれそうだということだ。■


Guam’s Airspace Set To Be Most Defended On Earth In New Plans

BYJOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED AUG 11, 2023 4:21 PM EDT

THE WAR ZONE0


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