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U.S. Air Force
ノースロップ・グラマンの7月27日発表によると、B-21レイダーは初の「パワーオン」テストを実施し、2023年末に予定されている初飛行にまた一歩近づいた。同社は低速初期生産(LRIP)契約を年内に受け取る見込みだ。
ノースロップの第2四半期決算説明会で、キャシー・ウォーデンKathy WardenCEOは、固定価格契約にインフレが影響するため、LRIP段階では機密性の高いB-21の利益は期待していないと述べた。しかし同CEOは、インフレを緩和するために6000万ドルを空軍から受け取ると報告した。
ウォーデンは、この進展を「生産移行における初飛行達成のためのキャンペーンにおける重要なマイルストーン」と呼び「我々は、今四半期に飛行試験1号機への通電に成功した」と述べた。
デビッド・ケファーDavid KefferCFOは、「今年中の初飛行に向け、順調に進んでいます。繰り返しになりますが、タイミングはイベントやデータ次第です。初飛行後に最初のLRIP契約が締結されることを期待しています」。
彼の発言からは、契約が初飛行を条件としているかは明らかではなかった。
ケファーは、同社は引き続きプログラムの効率化を追求し、LRIP契約のタイミングは、「プログラムの効率化の継続的な進展と、最初のLRIP契約のロットおよびそれ以降の理解によって決定される」と述べた。ウォーデンは、「デジタル・スレッド」手法により、生産の一部で15%の効率改善が見られたと付け加えた。
B-21のLRIPフェーズでノースロップは「ブレーク・イーブン」を達成できるか尋ねられたウォーデンは「LRIP契約からマージンを得る予定はない」と答えた。
「インフレの影響を考慮すれば、B-21関連でリスク要因はまだある」とウォーデンは付け加えた。「インフレの影響により、国防総省がB-21のLRIP調達に6000万ドルを割り当てたという通知を受けました。しかし、これが適用されるのは1会計年度のみであり、2023年度関連であることに留意してほしい。私たちは、マクロ経済の混乱による影響に対処するため、政府と緊密に協力していきます」。
ノースロップのB-21契約は2015年に締結され、エンジニアリングと製造開発はコスト・プラスの取り決めとなっているが、ノースロップは航空機の最初のロットについては固定価格とする取り決めに同意した。ウォーデンによると、EMDが終了し、LRIP契約がまだ交付されていないため、現時点ではB-2の財務的バックログはほぼないという。
ノースロップと空軍は2022年12月にB-21をロールアウトした。ノースロップ関係者は、B-21がエンジン・ランとタクシー・テストのため工場外に出るので、極秘の機体を公開する時が来たと述べた。しかし、それ以来7ヶ月間にわたり、ノースロップのカリフォールニア州パームデールの施設から爆撃機が現れたという報告はない。
B-2爆撃機は1988年に同じ工場からロールアウトし、9ヵ月後まで飛行しなかった。当時の初飛行はパームデールからカリフォーニア州エドワーズ空軍基地近くまでであった。
空軍関係者は、B-21の初飛行は準備が整い次第実施するため、事前に発表されることはないだろうと述べているが、同関係者はまた、屋外試験のテンポが増すと、初飛行が間近に迫っていることを示すだろうとも述べている。
2021年初頭には、B-21の初飛行は2022年半ばと予測されていた。2022年5月、そのスケジュールは2023年に延期され、2023年3月、フランク・ケンドール空軍長官は、初飛行は「数カ月」ずれ込んだが、それでも2024年以前に行われると述べた。■
Successful B-21 Test Moves Bomber Closer to First Flight, Still on Track for 2023
July 27, 2023 | By John A. Tirpak
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