中国軍はYU-20タンカーとJ-15空母艦載戦闘機による太平洋上空での空中給油能力を実証した
中国人民解放軍空軍はY-20貨物機をタンカーに改造している。
中国人民解放軍(PLA)空軍のYU-20タンカー機とPLA海軍のJ-15空母艦載戦闘機が、初の空中給油訓練を実施した。専門家は水曜日、同演習は中国人民解放軍各軍間の体系的な統合を示し、中国の航空母艦の能力を高めるだろう、と述べた。
太平洋におけるアメリカと連合軍の戦術的航空優勢への影響
この開発が今後数年で成熟し、より大規模なタンカー・フリートに拡大すれば、太平洋における米国の大規模な航空優勢を侵食する可能性がある。
前方配置された米海軍強襲揚陸艦は、F-35B15機を搭載でき、空母に搭載されたF-35Cもあることから、米海軍と同盟国は、中国による台湾への揚陸攻撃に対し、対抗、破壊、あるいは完全阻止する態勢を整えているとの見方は、非現実的とはいえない。アメリカが攻撃型潜水艦の高度な艦隊を使用し、日本と韓国もF-35部隊を集結させることができれば、これは特に当てはまる。
日本は350億ドルという巨額でF-35を購入し、シンガポールと韓国もF-35を運用している。したがって、米海軍が前方配置されれば、米国と同盟国がすぐに航空優勢を確立できる可能性が高い。ネットワーク化された米海軍と同盟国の第5世代航空機は、空中で中国海軍と空軍を圧倒するのに十分な位置にあると思われる。中国のJ-20は陸上からしか発進できず、J-31空母発進の第5世代航空機は十分な数が存在しない。そのため、水陸両用攻撃で十分な航空支援を確立するのは難しい。米海軍は、空母の二重運用や、太平洋戦域での多国間戦闘訓練や準備など、太平洋における前方プレゼンスを高め続けている。
しかし、中国が太平洋戦域における航空戦力不足を補うことに成功した場合、こうした背景がすべて怪しくなる。Y-20は以前から存在していたが、タンカー改造はここ数年だ。このことが意味するのは、タンカー部隊が急成長し、空母運用される第5世代J-31が大量に出現すれば、PLAは太平洋における米国と同盟国の航空優勢への挑戦を提示できるかもしれない。 具体的には、十分な数が存在すると思われるJ-20陸上発進型第5世代機が航続距離を倍増させ、洋上でアメリカや同盟国の航空戦力に挑戦すれば、航空優勢は一変する可能性がある。確かに、中国がこの能力を整備するには時間がかかるだろう。しかし、PLAは民軍融合と産業基盤により、非常に迅速に兵器プラットフォームを製造することで知られている。従って、中国の進歩次第では、米国の航空優位は縮まるか、少なくとも想定より早く脅威にさらされることになるかもしれない。
これは、中国のJ-20やJ-31が本当に米国の第5世代航空機に対抗できる能力を持つ場合にのみ言えることで、まだ知られていないし、完全に確立されているわけでもない。とはいえ、中国の新たなタンカーや戦闘機の航続距離は、太平洋における戦術的・戦略的状況や、この地域の全体的なパワーバランスに大きな影響を与える可能性があるため、国防総省は非常に深刻に受け止めている。
Y-20のようなタンカーは、陸上型J-20、空母運用J-31、陸上および空母から運用される第4世代航空機の到達距離を倍増させる可能性がある。
Y-20貨物機は中国のT99戦車も輸送できる
Y-20の登場により、人民解放軍は間もなく、アップグレードされたY-20貨物機で実物大の中国主力戦車を空輸できるようになる。
中国政府が支援するGlobal Timesによれば、WS-20エンジンを搭載した新しいY-20は、大推力で運用でき、より短い滑走路で離着陸できるという。Y-20が部隊、装備品、物資、武器、さらには戦車のような大型プラットフォーム配備に役立つ戦術的なシナリオが増えることは間違いない。
国産エンジンを搭載したY-20は、主戦車のような重装備を搭載しながら、燃料補給のために中継飛行場に立ち寄ることなく、長距離飛行や大陸間飛行が可能になる」と、数年前の『グローバル・タイムズ』の報道は述べている。
この新型機は、中国のT99主力戦車を空輸できると伝えられている。同機は、オーストリアで開催されるAirpower22航空ショーで登場する。
マルチドメインな中国の脅威
Y-20は戦車など大殺傷力のある陸上兵力を輸送できるだけでなく、中国紙はPLAがプラットフォームを「収束」させる能力について言及している。
初の空中給油訓練では、J-15戦闘機が給油プローブをYU-20空中給油機のドローグに正確に接続した。訓練は海上で行われたこと以外、場所は明らかにされていない。
さらにもうひとつ、戦術的・戦略的脅威となりうるのは、PLAが米軍のマルチ・ドメイン作戦能力をコピーし、複製しているように見えることだ。
長年にわたり、中国軍は米軍の技術をコピーしたり盗んだりするだけでなく、マルチドメイン訓練、「ネットワーク化」された共同戦闘準備、空と陸の作戦シナジーなどを通じて、米軍の戦術を模倣しているように見える。PLAがこのネットワーキングをどの程度進化させ、米国の全領域統合指揮統制の取り組みにどの程度匹敵させることができるのか、はっきりしないが、この傾向は気になるし、かなり目につく。議会メンバーも同様に気づいている。軍事・戦術空陸委員会のメンバーであるロブ・ウィットマン議員は、進行中の超党派の中国脅威委員会に関する最近のディスカッションで本誌に語った。
米陸軍のM1Abrams戦車は船で海外に展開する必要がある。大型戦車の航空配備は、攻撃のスケジュールを飛躍的に短縮し、重機械化部隊の攻撃時間を大幅に短縮すできる。
米陸軍が迅速な反応展開の可能性に重きを置いているのは、遠征戦を最適化する能力とも言えるが、エイブラムスのような重車両が単純に空路で移動できないというロジスティクス上の現実が大きく影響している。この事情は、陸軍が空中投下可能な機動保護火力軽戦車車両の開発を急ピッチで進めている理由を説明するのに役立つ。主要な脅威や何らかの大規模な陸上戦がすぐに緊急に必要になった場合、装甲部隊を戦闘に投入することが即座に優先事項となるだろう。■
Chinese YU-20 Tanker Refuels Carrier-Based J-15, Massively Increases Pacific Threat - Warrior Maven: Center for Military Modernization
The Chinese military has now demonstrated aerial refueling in waters over the Pacific with its YU-20 Tanker and a J-15 carrier-based fighter jet
By Kris Osborn, President, Center for Military Modernization
Kris Osborn is the President of Warrior Maven – Center for Military Modernization. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Master's Degree in Comparative Literature from Columbia University.
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