2024年7月20日土曜日

英労働党政権がGCAP事業に及び腰になっている? 欧州でロシアとの対戦が近づくとの認識だが、新政権はGCAPに懐疑的な姿勢のようだ

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A Global Combat Air Programme(GCAP) core vehicle concept on display at DSEI, London (Breaking Defense)

英国新政権はGCAP戦闘機計画で立場を表明せず、国防見直しに委ねる 


「GCAPは、今後5年以内に欧州で戦争が起きれば、世界経済が完全に破綻するため、完全に不可能だ」と、英国の国防シンクタンク、王立連合サービス研究所の空軍・技術担当上級研究員、ジャスティン・ブロンク氏は述べた。 By TIM MARTIN on 2024年7月19日 at 6:31 AM


イギリスの労働党新政権は、最近開始された戦略的防衛見直し(SDR)に影響を与えることを懸念し、多国籍の次世代Global Combat Air Programme(GCAP)に対する確固とした長期的なコミットメントの表明を断念した。


「日本やイタリアのパートナーにとっても重要であり、我々は来週、そのことを強調するためにこれらのパートナーに会う。しかし、私が(戦略的)防衛見直しで何が起こるか予断するのは正しいことではない」 (ポラード国防相)


ポラードは、戦略文書の主査であるジョージ・ロビンソン元NATO事務総長に、「このプラットフォームとこのプラットフォーム」を守らなければならないと言うために、閣僚のスピーチを使うべきではないと示唆した。 


SDRは、月曜日に労働党のキーア・スターマー党首によって正式に委託され、ロンドンはその過程で防衛の「新時代」を実現することを誓った。SDRでは、英国の戦略的優先事項、取得の変更、調達改革をレイアウトすることが期待されている。英国が直面する「脅威の緊急性に鑑み」、このプロジェクトはすでに着手されており、「2025年前半」には国会に提出される予定だ。


しかし、労働党がGCAPの議論に消極的なのは、オーストラリア向けに新型原子力潜水艦を開発するAUKUS安全保障パートナーシップを全面的に受け入れているのと一線を画しているように映る。


一方、米空軍が自国の次世代制空権(NGAD)構想の将来を再考していることを示唆して以来、GCAPの経済的な持続可能性が注目されている。また、ウクライナの国境を越えたロシアとの戦争(欧州の指導者やアナリストの中には3年から5年先と予測する者もいる)に備え、ロンドンが第6世代戦闘機の優先順位を下げるべきかどうかも問われている。 


「今後5年以内にヨーロッパで戦争が起これば、GCAPは完全に不可能になる。世界経済は完全に破綻しているからだ」と、英国の防衛シンクタンクである王立連合サービス研究所(Royal United Services Institute)のジャスティン・ブロンク上級研究員(空軍力と技術担当)は水曜日に語った。


アメリカ空軍がNGADを購入する余裕はないと言っているのは注目に値する。NGADはすでに試作機が飛び回っている。「しかし当面は、ロシアがこの10年間にNATOを軍事的に試そうとしているのを阻止しなければならない。「国民の安全を守るために必要なシステム、ハイエンド・システム、将来的なシステムを調達する際には、最も費用対効果の高い方法で行うようにする必要がある。今後10年間で、GCAPへの投資は、陸軍の装備品調達計画に投資する額の4分の1程度になる」と述べた。 


英国の保守党前政権は、2025年までGCAPに20億ポンド(約2600億円)、全体で120億ポンド(約155億円)の追加支出を約束していた。RAFの広報担当者は、2037年までに第4世代ジェット機ユーロファイター・タイフーンの後継機となる「何かが必要」であり、その間にRAFは自律システム、デジタル製造、合成環境技術をいかに最大限に活用するかに重点を置くと述べた。


GCAPは、イタリアのユーロファイター・タイフーンや日本のF-2戦闘機の後継機としても計画されている。 2022年12月に初飛行するGCAPの主力機は、忠実なウイングマンや補助型プラットフォームと一緒に飛行できるように設定されており、英国国防総省によると、「高度なセンサー、最先端の武器、革新的なデータシステム」を装備する予定だ。■


New UK government declines to take position on GCAP fighter program, defers to defense review

“GCAP is completely impossible if there’s a war in Europe in the coming five years because the global economy will have completely tanked,” said Justin Bronk, senior research fellow for airpower and technology at the Royal United Services Institute, a UK defense think tank.

By   TIM MARTIN

on July 19, 2024 at 6:31 AM


https://breakingdefense.com/2024/07/new-uk-government-declines-to-take-position-on-gcap-fighter-program-defers-to-defense-review/


2 件のコメント:

  1. ぼたんのちから2024年7月21日 9:19

    英新政権が防衛見直しで、巨額な防衛費を使うGCAPを俎上に上げるのは当然であり、GCAPと、AUKUSの根幹であるオーストラリア向け新型原子力潜水艦開発のどちらかを諦めるとするなら、GCAPを停止するのは不思議なことでない。
    今後5年以内に欧州で戦争が起きるかどうかの議論は、GCAP放棄の口実作りとしても、前政権が行おうとしていた軍備強化計画は風呂敷を広げ過ぎであり、いずれ大幅な見直しが必要になっていただろう。
    日本は、GCAPを断念、解体するか、それとも日本主導で存続するか、あるいはそれ以外を模索するか、熟考しなければならない。その場合、米国がNGADの導入を当面見合わせることが、判断の大きな目安になると思われる。
    米国の判断は、現在の中露を中心とする「北京枢軸」にまともな第5世代機はなく、第6世代機開発は当然無理であり、中露が萎むまでF-35で十分、と考えていると予測する。非常に高価なNGADは宝の持ち腐れになる。そして、この状況は、GCAPも同様かもしれない。
    ならば、日本は、GCAP延長モードの日伊(+サウジ)+BAE及びRRサポートの体制で目標を下げて継続するか、F-2戦闘機の後継のみの目的で、補助型プラットフォームも使用できる自前の第4.5世代の戦闘機開発も視野に入るだろう。

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    1. いや米国がNGADの開発が縮小しているのは、CCAを始めとする無人機自立化の成熟度増して次世代有人機を開発する程有人機に熱意を掛けていいかの?安価な無人機とそこそこ高性能な無人機とbー21の大型爆撃機編成で行けるのじゃないか?ある意味合衆国は今後の航空機開発の選択時期に入っているんじゃないか?

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