中共が台湾をどう陥落させるかのシナリオがいろいろありますが、直接の軍事侵攻で台湾をめちゃくちゃにしても意味がないので、台湾を攻撃せずに陥落させる方法は確かに意味がありそうです。ただし、台湾を完全封鎖する「検疫」作戦が果たして実行できるのか、海上封鎖はともかく空路まで邪魔できるのか、効果が生まれるまで何年かけるつもりのか、国際社会なかんずく日米が黙って見たままでいられるのか、変動要素はいっぱいあります。さらに、台湾が明らかに大陸とは別のアイデンティを示していることで、「一つの中国」の主張がはたんしています。中共は建前を前面に出したまま、結局台湾を手にすることはないのではないかと思います。
中国は侵攻を開始せず、台湾を支配下に置くことができる、とシンクタンクの報告書は述べている。
中国は台湾を「隔離」することで、支配下に置くことができるという。
中国は軍事侵攻せず台湾を支配することができる、と著名シンクタンクは述べている。
中国は長い間、台湾を自国の支配下に入るべき運命にある離脱した省とみなしてきたが、台湾は独自の政府と憲法を持ち、断固として独立を主張する総統を擁するなど、自らを大陸と別の存在とみなしている。
ワシントンDCを拠点とするシンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)によれば、中国は台湾を支配するため武力行使の選択肢を否定していないものの、軍事的手段に頼らず目的を達成する可能性があるという。
報告書によると、中国は沿岸警備隊等の法執行機関を使って、台湾の港へのアクセスを制限し、台湾の完全または部分的な「グレーゾーン」検疫を開始する可能性がある。
これは世界から台湾を完全に封鎖することにはならないものの、台湾へのアクセスの条件を設定することにより、台湾に対する中国の支配を主張する と報告書は言う。
「重要な目標は、中国の条件を遵守させることだ。海外の関係者が検疫に大方従えば、中国が台湾を支配しているという中国のシナリオが強化され、台北の主権主張を弱体化する」。
検疫の展開
中国沿岸警備隊と中国海事安全局が検疫を指揮し、台湾周辺の海域をパトロールし、検疫条件に違反する船舶を阻止する。
報告書は、「台湾を威嚇し、外部からの介入を抑止し、重要な情報、監視、偵察を提供するために、空軍、海軍、サイバー、ミサイル、およびその他の軍隊がサポートする可能性がある」と述べている。
中国はすでに、このような作戦の一定の要素を実行に移し始めており、島周辺での軍事演習を増やしている。
報告書はまた、米国は依然として台湾侵攻の可能性に備えなければならないが、威圧作戦の可能性は「米国の戦略的思考における重大なギャップ」であるとも指摘している。
検疫は中国にとって好都合だ
CSIS報告書によれば、検疫は中国にアピールする理由がある。
第一に、侵略や封鎖と異なり、検疫は「戦争行為と見なされない」。「また、台湾海峡を封鎖する必要もない」。
台湾関係法では、米国は台湾が自国を防衛する手段を確保する義務を負っているが、侵攻された場合に米軍が派遣されるかどうかについての規定がない。にもかかわらず、ジョー・バイデン大統領は2022年、中国が侵略してきた場合、米軍が台湾を守ると発言した。
しかし、CSIS報告書によれば、「法執行機関主導のグレーゾーン作戦」は第三者の介入を複雑にするだろう。
日に日に高まる中国と台湾の緊張関係
台湾と中国の関係は依然としてギリギリのところにある。
今月初めにシンガポールで開かれた会議で、中国の董俊国防相は、台湾との平和的な「統一」という考えは、台湾の分離主義者や外部の勢力によって「侵食」されていると述べた。
「我々は、台湾の独立を抑制し、そのような陰謀が決して成功しないようにするために断固とした行動を取る」と彼は言った。
報道発表によると、昨年4月、中国の習近平国家主席は、台湾は中国の利益の「核心」にあると述べ、こう付け加えた: 「中国が台湾問題で妥協し、譲歩することを期待する人がいるとすれば、それは夢物語であり、自らの足を撃つことになる」。
北京は台湾周辺で軍事演習を続けている。
先月、中国は台湾周辺で2日間の演習「Joint Sword」を開始し、中国国営メディアによれば、「共同海空戦闘準備パトロール、包括的戦場制圧の共同掌握、重要目標への共同精密打撃」を実施した。訓練には、戦闘機による模擬攻撃や多数の艦艇による訓練も含まれた。さらに大規模な訓練は、2023年4月と2022年8月にも行われた。
元米海軍将校で、シンクタンク「新アメリカ安全保障センター」の非常勤上級研究員トム・シュガートは以前、本誌に対し、中国軍は「基本的に、封鎖の要素を多く含む、こうした大規模訓練のテンポを上げた実施に着手することができるようになった」と語った。
また、直近の5月の演習は、中国の艦隊が台湾の封鎖や隔離に「非常に適している」ことを示していると付け加えた。■
CCP中国が、検疫などの名目で封鎖のまねごとをすることは、今後継続して起きるだろう。そこで我慢比べをするつもりだ。しかし、この「グレーゾーン作戦」がうまくいくとは限らない。
返信削除この陰湿な嫌がらせは、習とCCPの性質にふさわしいやり方であるが、台湾独立派は、国内を固め、国際的な宣伝に訴えることになる。その結果、習とCCPの評判を落とし、場合によっては、台湾の友好国が、中国に隠微な制裁、あるいは制裁的活動、例えば中国製品の輸入の際、念入りな検疫や、徹底した入国審査などを引き起こすかもしれない。
CCP中国が、より嫌がらせを強め、国際法に抵触するような海賊まがいの行為を行ったら、それは武力行使の理由になるかもしれない。しかし、これはCCP中国にとって「下の下」の策であり、張り子のPLAには負担が重い。
記事ではシンクタンクのシナリオでCCP中国がどのように台湾を最終的に支配するのかよく分からないが、封鎖、検疫だけで台湾が降伏すると考えるのは、空想的すぎる。
最もありそうな事は、国民党等の親中政党が政権を握り、内戦等の混乱を引き起こし、CCP/PLAを呼び込むことであり、そのような状況を作り出すため「グレーゾーン作戦」を行うと考えるべきである。
台湾は、民主主義国家であり、選挙で親中政党が政権を握ると、上記のシナリオが見えてくるであろう。あるいは、現在のねじれ政権でも、議会が総統に対し否定的決議を可決して、臨時政府をでっち上げ、CCP中国を呼び込むことも考えられる。
このような事態にならないためにも、「グレーゾーン作戦」への日米の強い関与が必要になるだろう。