有人機が費用対効果が劣るので自律運用無人機を重視するのか、有人機開発技術特にボーイングが存続できる用にあえて小規模でも有人機の開発を認めるのか、ペンタゴンが苦しい選択に迫られるため、あらかじめ言い訳として内部検討を進めているのでしょうか。あるいはB-21を制空戦闘機だとして調達するのか(いまのところB-21は唯一の第六世代機)、議会は伝統的な有人機の縮小には反対するはずなので今から空軍はロジックを準備しているのでしょう。状況は混沌としています。The War Zoneがまとめてくれました。
コリンズ・エアロスペース
米空軍は、F-35の3倍の価格になると予想される第6世代ステルス有人戦闘機で性能要求内容を再評価に入っている
米空軍は、次世代制空権(NGAD)構想の一環で開発中の、有人第6世代ステルス戦闘機の要件を再検討している。重要な目標は、たとえ特定の能力を犠牲にしても、1機2億5,000万ドル近くになる可能性のある機体価格を下げることである。同時に、これらの航空機が、同軍が計画している無人連携型戦闘機(CCA)と確実に連携できるかも、NGAD戦闘機プログラムの再評価の重要な目的となる。
フランク・ケンドール空軍長官は、Defense Newsとの最近のインタビューで、同軍がNGAD戦闘機を再検討していることを認めた。これは、ケンドール長官とデビッド・オールビン空軍参謀総長の以前の発言から生じた、NGAD構想の将来についての憶測に続くものである。NGADは、空軍の近代化努力で主要な部分であり、CCAプログラムや、新兵器、ジェットエンジン、電子戦スイート、センサー、戦闘管理能力、その他の「システム・オブ・システム」の作業も含まれる。
ボーイングとロッキード・マーティンは、NGAD戦闘機を製造するために競合していると考えられているが、両社とも競合を正式には認めていない。ノースロップ・グラマンは昨年、自主的に競作から外れりと発表した。空軍は過去に、2030年までにこの新型ステルス機の実戦配備を開始したいと述べている。
「非常に高価なプラットフォームとなる」とケンドール長官は、先週の金曜日にディフェンスニュースに語った。「F-35のおよそ3倍のコストがかかる」。
ケンドールは過去に、NGADジェット機は「数億ドルかかる」と述べていた。2018年、米議会予算局は、当時「Penetrating Counter Air(PCA)」と呼ばれていた同様の将来のステルス戦闘機の単価を3億ドル、2024年のドル換算で約3億7500万ドルと見積もった。
F-35の既存の3型式の単価は、インフレ他の要因により定期的に変動しており、そもそもその値札をどのように計算すべきかは、長い間議論の的となってきた。昨年秋、米軍のF-35統合計画室は、最新の生産ロットにおけるF135エンジンを含む平均単価は約8250万ドルであると複数の報道機関に語った。この価格をもとにすると、NGAD戦闘機1機の推定単価は約2億4750万ドルになる。
「理想を言えば、F-35よりも安く、少なくともF-35と同程度にしたい」とケンドールは最近のインタビューで付け加えた。「ご存知のように、F-35は決して安い飛行機ではありません」。
ケンドールは何度も、長い間問題のあったF-35プログラムを「調達の不正行為」と表現しており、NGAD戦闘機プログラムでも同じ落とし穴を避けることを誓っていた。
ロッキード・マーティン・スカンク・ワークスのコンセプト・アートは、F-35統合打撃戦闘機が様々なタイプの無搭乗機と飛行する様子を示している。ロッキード・マーティン・スカンク・ワークス 現時点で、CCAはF-35フリートの一部とNGAD有人戦術ジェット部隊と統合される計画で、F-35との合計でおよそ500機の有人プラットフォームとなる。
空軍長官はDefense Newsに対し、有人戦闘機版を含むNGADが引き続き空軍にとって最優先事項であることを強調した。
「次世代航空優勢というシステム・ファミリーのコンセプトは健在だ。より安価なものができないか、トレードオフができないか、検討しているところだ」。
ケンドールは、それらのトレードオフが具体的にどのようなものなのかについては詳しく説明せず、NGAD戦闘機に期待される性能や能力についての詳細は限られている。表向きは、既存のステルス戦闘機F-22ラプターに取って代わることを意図しているが、従来の戦闘機を超え、幅広い役割と任務を担う広範な能力を持つことが期待されている。
ずらりと並んだF-22ラプター。アメリカ空軍
本誌は以前、NGADコンバットジェットに期待される性能、センサー、電子戦、通信能力について、入手可能な情報に基づく詳細な分析を発表した。
次世代適応推進(NGAP)プログラムの下で開発されている先進ジェットエンジンが、NGADコンバットジェットのコストの主な要因かどうかという質問に対し、ケンドールは「我々が求めているのは、プラットフォームにとって最も費用対効果の高い推進システムだ」とDefense Newsに答えている。NGAPは、より大きなNGAD構想のもう一つの要素である。
「CCAで動作するように最適化されたものを持つことは、NGADを検討する際のもう一つの検討事項だ」とケンドールは付け加えた。
空軍がNGAD戦闘機とCCA計画は直結していると言っていることを考えると、これは少々不思議なことだ。2023年3月、ケンドールは、空軍がF-35A統合打撃戦闘機だけでなく、新しい第6世代ステルスジェットと組み合わせることを意図して、1000機のCCAドローンを購入することを検討していると発表した。
ディフェンス・ニュースによると、ケンドールは、「CCAのコンセプトは、NGAD開発の開始後に生まれた」と述べている。NGAD戦闘機は、2010年代半ばにさかのぼる航空宇宙イノベーション・イニシアチブと呼ばれる国防高等研究計画局(DARPA)のプログラムから生まれたもので少なくとも2020年以降、複数のNGADデモ機が飛行している。
ケンドールがDefense Newsに寄せた新たなコメントを総合すると、NGAD戦闘機とその他のNGAD構想の将来は、まだ非常に不透明なようだ。
NGADの将来についての憶測が最初に浮上したのは、6月に航空宇宙軍協会が主催したファイヤーサイドチャットで、オールヴィン参謀総長がこの近代化構想が2026会計年度に予想される深刻な予算削減から免れるとは明言しなかったためだ。
「我々は、効果的な空軍とは将来どのようなものになるのか、という根本的な問いを立てなければならない」。オールヴィンはそのとき、2026会計年度の予算は「全体的に非常に薄くなる」と予想していると付け加えた。
その直後、NGAD戦闘機削減の可能性について具体的に質問されたオールヴィンは、「まだ審議中で、決定したわけではない」と明言した。「検討しなければならない非常に困難な選択肢がたくさんある」。
「数年前なら考えもしなかったようなことがたくさんあり、我々は真剣に検討している」と、ケンドール長官も6月にエイヴィエーション・ウィーク誌のインタビューに答えている。「制空権の必要性がなくなることはない。しかし、どのようなシステムの組み合わせで、どのようにそれを行うかは、我々がもう一度検討すべきことだと思う」。
2024年4月、米議会の公聴会に出席したフランク・ケンドール空軍長官(右)とデヴィッド・オールヴィン空軍参謀総長(左)。アメリカ空軍
これは、NGADコンバット・ジェットをはじめ、全体的な近代化構想の他の要素、特にCCAプログラムへの大幅な資金増額を求める空軍の2025会計年度予算要求と明らかに食い違う。これはまた、すでにF/A-XX搭乗員の第6世代ステルス戦闘機計画を公に延期している米海軍と対照的である。
NGAD戦闘機計画に大幅な変更があった場合、ボーイングにどのような影響が生じるのかという疑問も浮上している。同社は、KC-46タンカーやT-7ジェット練習機など、多数の米軍航空計画で大きな財務上の損失が出る中、この契約を確保するために、新しいインフラを含めて多額の投資を行っているようだ。ボーイングはまた、2025年にF/A-18E/Fスーパーホーネットの生産を停止し、そのリソースを部分的に高度な有人・無人航空機の開発にシフトする予定だと述べている。
ボーイングのスティーブ・ノードランド副社長兼エア・ドモナンス・ジェネラル・マネージャーは、最近の視察で記者団にこう語った。「しかし、一日一日を大切にしなければならない」。
ブレイキング・ディフェンスは、ノードランドがそう言ったとしても、彼の会社がNGAD戦闘機契約と競合していることを明確に確認することはできなかったと指摘した。
NGADプログラム全体は確実に進展しているとケンドール長官は主張するものの、新しい第6世代ステルス有人戦闘機の具体的な計画は、ジェット機の製造を争う軍と請負業者に広範な影響を及ぼす可能性のある、潜在的に重大な方法で変更されそうだ。■
Next Generation Air Dominance Fighter’s Future Increasingly Uncertain
POSTED ON JUL 1, 2024 8:48 PM EDT
https://www.twz.com/air/next-generation-air-dominance-fighters-future-increasingly-uncertain
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