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ディストピア中国の監視対象は海外にも拡大。ソーシャルメディアはじめ、データマイニングの世論誘導工作を西側各国は警戒すべき。

 

ワシントンポストが中国のメディア監視体制について長文記事を発表していますのでご紹介します。よく調べてありますね。西側の自由な体制をいいことに驚くべき監視体制がソーシャルメディアにも及んでいることに驚くばかりですが、そもそもこうした記事が日本メディアに出てこないのはなぜでしょうか。支局特派員の取り決めで中国当局から自由な報道を制限されているからでしょうか。であれば、そんな取り決めは破棄するのが正しいメディアの姿勢では。こんな記事は日本の各紙では100年たっても出てこない気がするのですが。当ブログも監視対象になっているかもしれませんね。

A Chinese flag hangs near a security camera outside of a shop in Beijing on Oct. 8, 2019. (Mark Schiefelbein/AP)


 

シントンポストが中国の入札文書、契約書、企業提出書類数百点を調査したところ、中国はインターネットデータ監視ネットワークの大部分を外部に向け、FacebookやTwitterなどの西側ソーシャルメディアをマイニングしており、政府機関、軍、警察向けに外国のターゲット情報を提供していることが分かった。

 

中国は、過去10年間に開発された世論分析ソフトウェアと呼ばれる政府データ監視サービスの全国ネットワークを維持しており、オンライン上で政治的に微妙な情報を当局者に通報することに使用している。

 

このソフトウェアは主に中国国内のインターネットユーザーとメディアを対象だが、2020年初頭以降の中国政府プロジェクト300以上の入札書類と契約書をポストが調査したところ、Twitter、Facebook、その他の欧米のソーシャルメディア情報源から海外のターゲットに関するデータを収集するためのソフトウェアの発注が含まれていることがわかった。

 

 

 

国内政府の入札プラットフォームを通じて一般公開されている文書から、国営メディア、宣伝部門、警察、軍、サイバー規制当局などの各機関が、データ収集のため新規システムや高度システムを購入している実態もわかる。

 

ツイッターやフェイスブックを調査し外国人ジャーナリストや学者のデータベースを作成する32万ドルの中国国営メディア・ソフトウェア・プログラム、香港や台湾における西側外国人の会話を分析する21万6000ドルの北京警察情報プログラム、ウイグル族が多く住む新彊のサイバーセンターがイスラム教徒少数民族の海外言語コンテンツを目録化したものなどがその例だ。

 

中国の中央宣伝部に報告する部署に勤める北京在住のアナリストは、「これで反中国の地下ネットワークをよりよく理解できるようになった」と述べた。この人物は、匿名を条件に、北京の上級指導者に関連するネガティブなコンテンツがTwitterでどう拡散されているか、学者や政治家、ジャーナリスト個人のプロファイルを含むデータレポートを作成するよう命じられたことがあるという。

 

こうした監視網は、ビッグデータと人工知能を通じ対外宣伝活動に磨きをかけようとする北京の幅広い取り組みの一部だ。

 

また、中国の利益を損なう動きに対してリアルタイムでアラームを鳴らすよう設計された警告システムのネットワークもある。

 

ジャーマン・マーシャル基金のシニアフェローで、中国の国内世論ネットワークについて幅広い研究を行うマレイケ・オールバーグMareike Ohlberg氏は、「中国側は今、努力の一部を外に向け直している。中国国内で起きている膨大な数と規模を見れば、率直に言って恐ろしいことだ」と述べた。

 

「これは、海外で中国を守り、海外で世論戦を戦うことが自分たちの責任と感じていることを如実に示しています」(オールバーグ)

 

中国政府の予算には、警察や宣伝部門に海外のソーシャルメディアのアカウントを購入し、維持する予算も含まれている。また、海外における北京の国営メディア報道を洗練させるために、特定の目的を持たせた分析を行うとの説明もある。

 

購入規模は、自動設定の少額から、英語話者や外交政策専門家を含むチームが24時間体制で担当する数十万ドルのプロジェクトまで、さまざまだ。

、各ソーシャルメディアユーザーからリアルタイムでソーシャルメディアデータを収集できる、高度にカスタマイズ可能なプログラムについての記述が文書にみられる。また、米国の選挙を含む問題について広範な傾向の追跡についても記述がある。

 

本紙は、システムの収集データを確認できなかったが、北京を拠点に政府の世論分析に直接携わる4人に話を聞いたところ、FacebookとTwitterのデータを自動収集し中国国内サーバーにリアルタイムで保存し、分析するソフトウェアシステムがあることがわかった。

 

ツイッターとフェイスブックはともに、事前許可なく自社のサービス上でデータを自動収集することを禁じている。Twitterのポリシーでは、開発者がユーザーの政治的所属や民族・人種的出身を推測するためのデータを収集することも明示的に禁止している。

 

「当社のAPIは公共データとツイートへのリアルタイムアクセスのみ提供し、個人情報は提供しません」とTwitterの広報担当ケイティ・ロスボローKatie Rosboroughは、開発者がプラットフォームから公開データを取得することなどを可能にする同社のアプリケーションプログラミングインターフェース(API)について、「当社の開発者ポリシーと規約に従って、監視目的で当社のAPIを使用することを禁止しています」と述べている。

 

フェイスブックには、監視を認識しているかどうか、また、ソフトウェアの供給元として挙げられている複数の企業、大学、国営メディア企業が同社のプラットフォームでデータを収集することを許可されているかどうかについてのコメントを求めたが、回答は得られなかった。また、中国外務省にコメントを求めたが返答はなかった。

 

「世論誘導」

 

中国のネット世論を分析するシステムは、中国のプロパガンダ装置を近代化し、インターネットを管理する習近平国家主席の政策で強力な柱だが、その存在は見えない。

 

膨大なデータの収集と監視の努力は、公選や独立したメディアを許可していない中国で当局に課題となる世論の理解力を与えている。

 

また、各サービスは、中国の検閲機関による技術的な監視を高度化している。また、ほとんどのシステムには、当局や警察にネガティブなコンテンツをリアルタイムで警告するアラーム機能が搭載されている。

 

こうした運用は、北京が「世論誘導工作」と呼ぶ、ターゲットを絞ったプロパガンダや検閲により国民感情を政府に有利になるように形成する政策で重要な機能である。

 

この用語は、1989年の天安門事件後に政策決定で注目を集めた。当時、共産党の権力に対する民衆の挑戦を先制する新しい方法を政府が模索し始め、それ以来、中国のインターネットの基本アーキテクチャで不可欠な存在となっている。

 

中国政府の世論監視産業の正確な範囲は不明だが、中国の国営メディアにその規模を示すものがある。2014年、国営新聞「チャイナ・デイリー」は、200万人以上が世論分析官として働いていると述べた。2018年、同じく国営機関紙の人民日報は、政府のネット世論分析産業は「数百億元」、数十億ドルに相当し、年50%で成長していると述べた。

 

中国の監視網システムは海外のソーシャルメディアにまで拡大しつつある。

 

昨年6月のピューリサーチ調査によると、米国の貿易戦争、新疆ウイグル自治区の人権問題、香港、コロナウイルスの大流行の影響で、先進17カ国の中国への認識は2年連続で歴史的最低水準に近いところまで落ち込んでいることがわかった。

 

2021年5月、習近平は高官に対し、海外での中国のイメージを「信頼でき、愛すべき、頼りになる」ものに変えるよう呼びかけ、「国際世論誘導の効果的な展開 」を提唱した。

 

習近平発言は、海外での中国のイメージをコントロールしなくてはとの、北京の不安の高まりを反映している。

 

「中米貿易協議と香港暴動事件を背景に、世論報道戦争が困難で必要であることが日に日に明らかになっている」と、チャイナ・デイリーは2020年7月、30万ドルの 「海外人材分析プラットフォーム 」入札文書記事で述べている。

 

入札案内には、Twitter、Facebook、YouTubeをマイニングして、「有名な欧米メディアのジャーナリスト」や 「政界、財界、メディア界の主要人物」のデータを収集するプログラムの仕様が記されている。

 

「米国や欧米のメディアと競う、発言権の争奪戦が始まった」とある。

 

仕様書によると、ソフトウェアは24時間稼働し、対象者の人間関係をマッピングし、担当者間の「派閥」を明らかにし、「中国傾向度」を測定し、「中国に関する誤った発言や報道」を自動的にフラグするアラームシステムを構築する必要があるという。

チャイナ・デイリー紙の文書に記載された警報システムが、技術仕様の記載がある入札案件の90%以上に記載されていることが、The Postの文書調査により判明した。

 

北京の政府機関から委託された世論分析ユニットでアナリストとして働く2人は、「敏感な」コンテンツの検出があるとと、SMS、電子メール、専用コンピューターモニターで自動アラームを受け取るとポスト紙に語った。両名は、外国メディアに話す権限がないため、匿名条件で話した。

 

「監視の)責任を負うのは、大きなプレッシャーだ」と、1人は語った。「もし私たちの仕事がうまくいかなければ、悪影響が発生します」

 

ネット上の機密性の高いバイラル・トレンドが、中国の検閲機構の監督機関中国サイバーセキュリティ管理局(CAC)が管理する24時間ホットラインに報告されるとのだと、所属するユニットについて語った。

 

同関係者は、アラームは大多数が国内のソーシャルメディアに関するものだが、2019年半ばからは海外のソーシャルメディアも監視対象に加わっていると付け加えた。

 

この人の説明は、CACへの直接のホットラインについて言及がある、別のシステムの入札書類4件で裏付けが取れた。

 

「重要な世論案件が発生した場合、CACの当直スタッフに直接電話連絡し、各種コミュニケーションツールを通じ通知が行われるようにする」と、中国東部の福州市の市宣伝部門が購入した、国内のソーシャルメディアとあわせFacebookやTwitterを監視する23万6000ドルのシステムに関する2020年12月付の入札書に記載がある。

 

CACへの報告では、各ソーシャルメディア利用者の詳細も含めると明記がある。

 

国家メディア主導でデータマイニングを行う

システムの供給元はさまざまだ。チャイナ・デイリーが契約を結んだのは北京通信大学で、同大は世論分析技術開発の部署を立ち上げた中国の6大学の1つである。

 

しかし、最も盛んに行われている世論監視サービスとして国営メディア自身が警察や政府機関に提供している。

 

様々な文書を見ると、海外に事務所とサーバーを持つ中国の主要国営メディアが行う海外のソーシャルメディアデータ収集の範囲と、高度なデータマイニング分析に基づく宣伝指導を北京に提供する重要な役割がうかびあがってくる。

 

国営メディアを筆頭に、海外で中国の宣伝活動の影響力が強まっていることには、米国政府も警鐘を鳴らしている。

 

2020年、国務省は中国トップの国営メディアの米国拠点を外国公館に再分類し、報告義務を強化し、ビザ割り当てを制限し、北京を怒らせた。

 

国営新聞「人民日報」の傘下で、国内最大級の世論分析サービスを請け負う「人民日報オンライン」は、警察、司法当局、共産党組織などの顧客向けに海外のソーシャルメディアデータ収集サービスを含む数十のプロジェクトを獲得している。

 

2020年に2018年比50%増の営業利益3億3000万ドルを記録した同部門によると、政府機関200以上にサービスを提供中だが、どれだけの機関が海外ソーシャルメディアのデータを依頼しているかは明らかではない。

 

人民日報オンラインが落札したある入札案件では、北京警察情報司令部が、海外のソーシャルメディアを調べ、不特定の 「重要人物・組織」に関するレポートを作成し、「基本状況、背景、関係」に関する情報を収集するサービスを30570ドルで購入しているのがわかる。

 

また、香港、台湾、米国との関係についても報告を毎週求めている。2020年の米大統領選の結果が1月6日に確定される直前に発行された案件では、選挙関連の「ネットユーザーの主要意見」について「特別報告」も要求している。

 

「国際的なパワーバランスは大きく変わっている」と入札依頼書に書かれている。「公開インターネット情報の収集を通じ、我々は国際社会を注視し、敏感な部分やホットスポットを分析し、中国社会の安定維持に資するものとする」

 

2020年4月の記事で、人民日報オンライン世論データセンターの主任分析官、Liao Canliangは、世論分析の究極の目標を以下示した。

 

「分析と予測の究極の目的は、世論を誘導し、介入することだ 」「・・・SNSユーザーの公開データで、ユーザーの特性や嗜好を分析し、ターゲットを絞り誘導が可能となる」

 

 

記事でLiaoは、ソーシャルメディアに世論形成能力がある証拠として、ケンブリッジ・アナリティカが2016年の米国選挙に与えた影響を指摘している。

 

 

「欧米はビッグデータで世論を分析、調査、判断し、政治活動に影響を与えている。... 状況を正しく把握する限り、世論も誘導・干渉可能だ」と記した。

 

人民日報傘下の環球時報は、中国批判を痛烈に報道することで知られる過激な論調だが、中国外交部や北京市外事弁公室など政府機関のため海外のソーシャルメディアデータを収集する部署も擁している。

 

2019年末、環球時報オンラインは53万1000ドル相当の3年契約を獲得し、中国外務省に代わり海外のソーシャルメディアを監視し、包括的な定期報告書を作成するとともに、「緊急事態」には特別報告書を作成する「中国関連の海外メディアとジャーナリストの意見監視システム」を提供することになった。

 

同プロジェクトの付随文書によると、環球時報監視ユニットのスタッフの40%近くは同紙の上級記者であり、同紙は大規模な海外ソーシャルメディア監視プラットフォームを維持しているとある。

 

環球時報の世論調査センターのウェブサイトの説明によると、同部門は「海外監視と海外調査サービス」を行い、政府や民間のクライアントに「包括的な対応計画」を提供するとある。

 

人民日報と環球時報の両社は、それぞれ米国では外国使節団に指定された出版社である。

 

中国によるソーシャルメディア上の海外世論監視の増加は、北京がTwitterなど米国のソーシャルメディアプラットフォームへ影響力を高める動きと重なる。

 

2020年6月、ツイッターは、中国共産党につながり、香港の民主化デモを弱体化させるプロパガンダを密かに広めていると2万3000のアカウントを停止した。今月、Twitterはさらに2,048のアカウントを削除し、北京に関連し、新疆ウイグル自治区での権利侵害の非難を弱める協調的なコンテンツを制作していると発表した。

 

専門家によると、対象となったアカウントは、海外のソーシャルメディアにおける親中メッセージを後押しする中国の取り組みの一部に過ぎないという。

 

究極の消極化効果

 

本紙が調査した世論分析システムの3分の1弱は、中国の警察が調達したものだった。

 

分析システム14通りには、ウイグル人など中国の少数民族に関する「敏感な」コンテンツに自動的にフラグを立てる、警察の要求が含まれていた。また、分析システム12通りには、コンテンツ作成者個人を長期的に監視する警察が要求の機能が含まれていた。

 

福州市警が10月に発表した入札案内では、FacebookとTwitterを対象とする要件が挙げられている。

 

中国各地の地方警察による海外ソーシャルメディアの監視は、国内外の中国人の捜査や、国内の反対意見をかき立てる動向の把握に活用される可能性があると、専門家は指摘する。

 

「公安の監視は、人を追跡して身元を突き止めるという治安維持で非常に重要であり、海外のソーシャルメディアを監視するときは、中国国内で問題を引き起こす可能性のあるニュースの監視をも視野に入れることが多い」と、ジャーマン・マーシャル基金のオウルバーグが述べた。

 

海外世論監視を警察に提供する企業には、人民日報オンラインをはじめ、民間企業や国有企業が混在している。

 

2020年以降に締結された警察の契約書6件には、人民日報による海外データ収集の技術力を基準に監視するとして選定されたと記されている。

 

「海外サーバーを配備しているのは業界唯一で、8000以上の海外メディアを監視・収集できる世論サービス機関であること」と、広東省警察庁が2020年7月に掲載した2万6200ドルの契約オファーで述べている。これは、人民日報の部隊が中国のグレート・ファイアウォールの外側で海外のデータを収集する能力を指す。グレート・ファイアウォールは、中国国内のほとんどの外国の報道機関やソーシャルメディアへのアクセスを遮断する大規模な法的・技術的インフラの名称である。

 

専門家によると、中国の警察が利用できる高度なソーシャルメディア監視技術は、中国政府への批判者に標的型嫌がらせを悪化させる可能性があるという。

 

シンクタンクFreedom Houseのテクノロジーと民主主義のディレクターであるエイドリアン・シャーバスAdrian Shahbazは、「中国政府は、国外の個人を標的にしており、最悪の犯罪者の1例」と述べている。

 

「中国国外にいる中国人がソーシャルメディア・ツールを使うのが、極めて消極的になる影響を及ぼしています。故郷に帰れば、自分の情報が中国当局に非常に簡単に監視されると知っているからです」(シャーバス)。

 

中国の公安局は、記事についてコメントの要請に応じなかった。

 

中国南部の南平市の警察局は、4万2000ドルのシステムを購入しており、「....収集、発見、警告機能をサポートする」という。2020年7月公表の入札書類では、「各種分類やキーワード群、海外の情報リストに従って、TwitterやFacebookのソーシャルメディアデータを収集、発見、警告する機能をサポートする」システムとある。

 

世論サービスに関するその他調達案件では、中国の警察や新疆ウイグル自治区政府機関が、海外の「敏感な」民族語コンテンツを追跡するため購入したプログラムの概要が紹介されている。(中国のイスラム教徒ウイグル人は、新疆ウイグル自治区に集中している)。

 

契約書によると、中国中央部湘南県の警察が購入した4万3000ドルのシステムには、ウイグル人とチベット人のスタッフの翻訳を依頼する「外国の機密情報」収集システムが含まれていた。

 

軍事調達の文書はその他文書よりさらに詳細が不明で、外国人データ収集の目的を詳しく説明していないが、「重要人物」を含むデータのカテゴリーを漠然と示唆している。

 

人民解放軍が発行した2020年6月の大幅編集ずみの契約書では、海外サイトを調べ上げ、所属、地理、国に基づいてデータを分類するシステムの記述があった。

 

落札した上海の企業、ソース・データ・テクノロジーは、「高度なビッグデータマイニングと人工知能分析技術」を用いて、米国、欧州、中国の近隣諸国のソーシャルメディアの90%以上をカバーしているとウェブサイトに書いている。■

 

 

 

China harvests masses of data on Western targets, documents show - The Washington Post

By Cate Cadell

December 31, 2021 at 5:13 p.m. EST

 


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