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PLANの2021年主要就役艦を見る。055型、052DL型など。17万トンを一気に就役させたPLANは東アジア海軍軍拡をスタートさせてしまった。今後は揚陸艦整備に中心を移すのか

 

055型DDG、052D型DDGが空母遼寧に随行したPLANのCSGがUNREPでAORが三隻に同時に燃料補給している。

 

民解放軍海軍(PLAN)の2021年は実り多い年となった。誘導ミサイル駆逐艦少なくとも8隻、強襲揚陸艦(LHD)2隻、原子力弾道ミサイル潜水艦(SSBN)1隻が新たに加わった。

 

東海艦隊に編入された水上艦では皆無だった。同艦隊は台湾海峡を専門とする。かわりに南海、北海艦隊(朝鮮、日本、南シナ海)に新型艦が配備されPLANは外洋での戦闘能力を増強した。

 

055型駆逐艦 

055型駆逐艦ラサ(102)、南昌(101)

 

 

VLS112セルを搭載し、NATOでは巡洋艦の分類を受ける(レンハイ級CG)055型は中国艦隊最強の戦力を誇る水上戦闘艦である。一号艦南昌が2020年末に就役し、計四隻が2021年までに配備された。

 

055型駆逐艦は建造中艦艇で世界最大だ。全長180メートル、全幅20メートル、満載排水量は13千トンで、比較すると米海軍タイコンデロガ級巡洋艦及びフライトIII仕様のアーレイ・バーク級駆逐艦は9,800トン、英海軍45型は8,500トンだ。PLANの制式名称は「10千トン級駆逐艦」となっている。米国防総省は2017年以来一貫して「巡洋艦」と呼んでいる。

 

055型の兵装

 

  •  130 mm H/PJ-38 主砲x1

  • VLS 112セル

  • H/PJ-11 CIWS x1毎分 10,000 発発射

  • HQ-10 短距離ミサイル

  • デコイ発射装置

  • 魚雷

 

VLSセルは64が前方、48が後方に配備されている。052D型駆逐艦搭載のと同じで、ミサイルはホット、コールド両用の発射方式に対応する。これは集中キャニスター発射装置Concentric Canister Launcher (CCL)を採用したことで可能となった。

 

中国ミサイルはすべて全長が9メートル、直径0.85メートル未満に統一されており、VLSセル運用が可能だ。

 

PLANは055型一号艦にHQ-9B対空ミサイルを搭載し、射程200Kmとした。YJ-18A対艦ミサイル、YJ-18派生型の新型中距離対空ミサイルも052D型駆逐艦で導入済みだ。また新型対潜ミサイルYu-8Aも運用可能だ。

 

052DL型駆逐艦

052DL型駆逐艦開封Kaifeng (124) が実弾発射を北海艦隊の演習で行った。2021年秋。開封は全長を延長したDL型では6号艦、052型では19号艦となる。

 

 

055型は建造費が高いが、やや小型ながら経済性の高い052DL型も昨年PLANに5隻就役している。中国初の多用途駆逐艦としてPLANで重要な位置づけとなっている。

 

  • 苏州Suzhou (132)

  • 淮南Huainan (123)

  • 南寧Nanning (162)

  • 開封Kaifeng (124)

  • 桂林Guilin (164)

  • 湛江Zhanjiang (165) *未確認*

 

052D型昆明Kunming級(NATO制式名称ルーヤンIII型)は中国海軍で最新の誘導ミサイル駆逐艦(DDG)で、先に出た052C型DDGと艦体は共通だが、052D型ではセンサーと兵装で改良点が多い。各艦は米イージス駆逐艦に相当する存在とされる。

 

 

同級の建造は上海、大連の造船所二カ所で続いており、一号艦昆明(172)は2014年3月就役している。

 

排水量7,500トン、全長157メートル、全幅17メートルで280名が乗り組む。

 

052D型は外洋運用を主眼とし、052C型とほぼ同じ艦容だが戦闘システムを向上し、中国海軍のめざす「小幅改良で迅速発展させる」方針を体現する存在だ。

 

VLSで対空、対潜、戦術巡航ミサイルを運用する。三連装魚雷発射管も搭載している。

 

14号艦淄博Zibo(156)から052DL型となり、全長を4メートル延長した。ヘリコプター格納庫と飛行甲板がこの恩恵を受ける。Z-20新型ヘリコプター搭載を想定と思われ、ハンガーは同ヘリ2機を格納できる。517B型レーダーが052D型に搭載されたが、有効距離を延長した新型レーダーに変更されており、低電力消費ながらステルス機探知が可能といわれる。

 

075型 LHD

075型 LHD海南 (31)の艦上に昌河Changhe Z-18ヘリコプター多数がみられる

 

「攻撃用艦艇」に加え、2021年にヘリコプター空母二隻がPLAN艦隊に加わった。075型強襲揚陸艦海南Hainan(31)と広西Guangzi(32)だ。これで中国もLHD運用国に加わった。噂のあるカタパルト発艦無人機空母076型の登場も今後予想されるが、071型LPD8隻の建造も進み、大型水上戦闘艦で整備が一段落するとPLANは揚陸艦建造に中心を移すとみられる。台湾海峡の緊張が高まる中、建艦部門は東海艦隊に焦点をあてそうだ。

 

中国海軍は075型開発を2011年開始した。ヘリコプター空母で排水量30千トン超を想定し、狙いは「垂直」強襲揚陸能力の整備で台湾東部の山岳地帯を念頭においているようだ。

 

性能諸元では公開情報では「排水量36千トン」「ヘリコプター28機運用」「ディーゼルエンジンは12,000 kWの16PC2-6B」「CIWSx4、HQ-10x2、H/P-11x2」とある。

 

075型は米海軍LHAよりやや小ぶりに見えるが、フランス、スペイン、オーストラリア各国のLHDより大型である。イタリアが計画中のトリエステ級LHDにかなり近い艦容だ。

 

075型初号艦は記録破りの短期間で建造され、中国の艦艇建造は極端なまで早いペースで行われており、他国が追随できない。PLANはLHD8隻を発注といわれ、さらに大型艦076型の計画で噂がある。

 

075型LHDはPLANの揚陸作戦能力を従来の071型LPDから高次元に引き上げるだろう。

 

094型 SSBN

094 型SSBN 長征18

 

 

094型(NATO名称晋級)原子力推進弾道ミサイル潜水艦(SSBN)の少なくとも一隻が2021年4月に就役している。

 

長征Chanzheng18は094型6号艦あるいは7号艦で艦番号421がついた。初号艦は2007年就役している。

 

094型はJL-2型SLBM12発を搭載し、推定射程は7,400 km (4,600 mi)とされる。艦の全長は135メートルだ。

 

総評

 

これだけの規模の建造を進めた2021年のPLANだが駆逐艦部隊だけ見てもVLS合計768セルが追加されたことになる。これ以外に小型054A型フリゲート艦、056Aコルベット艦もある。結局、2021年にPLANに就役した艦艇は総合計170千トンと、太平洋で他の追随を許さない。日本が海軍力整備に本腰を入れ、南朝鮮も外洋海軍整備に乗り出す中で、同地域は100年前の再現のような海軍軍拡レースに入ろうとしている。■

 

 

PLAN in motion: Chinese Navy's Massive Ship Commissionings in 2021 - Naval News

Naval News Staff  06 Jan 2022

 

About the author:

Lia Wong is a student and aspiring polyglot passionate about OSINT. With experience in translating live media on political movements in Asia, she prides herself on her print and social media gathering/analysis talents. Young and eager, she focuses particularly on Western Pacific forces and the geopolitical impact of their interactions. Her Twitter handle is @LiaWongOSINT.


 

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