映画 激戦地 より
時を超えた疑問がある。国のため、大義のため戦う理由とは何だろうか。黄金期のハリウッドがこの疑問に真正面から答える作品を第二次大戦後に製作していた。
戦時中のハリウッドは戦勝を助ける作品を量産したが、戦後は戦争を真正面から取り上げる作品を制作した。
数百万人が大戦に従事し、各家庭で感じるところは大きい。映画館に復員軍人が集まった。映画館にはガタルカナル、バルジの戦い、大西洋でのUボート攻撃、ドイツ空爆の実体験を有する観客が自分の体験を映画で見たいと入場料を払った。戦時中の作品には満足できなかった。
現在は忘却されている作品5本を集めた。その背景は理解できる。白黒映画の粗い画像は『プライベートライアン』Saving Private Ryan (1998)や『1917 命をかけた伝令』1917(2019)のような近年の作品の比ではない。とはいえ、戦後製作の作品には生の体験を描く努力が垣間見られる。
公開当時はこうした内省的作品は「反戦」映画のレッテルを張られた。だが実は違う。参戦した兵士の観点で戦闘を描こうとしてまずい結果を生むこともあった。
こうした作品を男っぽさを野蛮に描いていると一蹴する傾向がポストモダン派にあり、現代の愛国作品と呼べるアメリカン・スナイパーAmerican Sniper (2015)も忌避する狂信者もいるが、的外れな評価といわざるを得ない。こうした作品が描こうとしたのは国のため危険な任務につく勇気を持った普通のアメリカ国民である。
批評はやめよう。以下埋もれた名作を列挙する。
1) 『激戦地』A Walk in the Sun (1945):
大戦末期の製作で原作は1943年に出版された。ここにあげたのは戦時中のハリウッド調の特徴と戦後製作の振り返り作品のつなぎとなったためだ。
小隊長、軍曹を共に失った隊が敵地で強力な敵陣地となった農家を奪う任務を進める。本作品には英雄もメッセージもない。GIたちの優柔不断さ、先が見通せない不安、前線での退屈さ、恐怖を淡々と描いている。「1940年代の第二次大戦作品でもっとも過小評価された作品」と評した映画評論家がいる。
2) 『攻撃』 Attack (1956): 「もっとも偉大な世代」の中には愛国者や英雄の一方で臆病者や無能なものもいた。本作品は「戦争をシニカルで暗いものと描いている」といわれ、第二次大戦を十字軍の再来と捉えていた時代には製作されない作品だった。大戦末期に臆病でいながら経験の足りない大尉が戦闘で鍛えられた小隊長と衝突する。公開当時は戦場でのリーダーシップについて画期的な研究材料ととらえられ、同じテーマは『突撃』Paths of Glory (1957)で第一次大戦の塹壕戦で取り上げられた。
3) 『深く静かに潜航せよ』 Run Silent, Run Deep (1958):
海軍戦では潜水艦以上に悲惨な場面はない。生存と死亡の中間は皆無に近いからだ。『潜航決戦隊』 Crash Dive (1943)が第二次大戦の潜水艦戦では初期の作品で、愛国的音楽もあり、いかにも戦時中の作品となっている。『深く静かに潜航せよ』は対極で戦闘のプレッシャーと合わせ深海のプレッシャーが艦長、乗組員に立ちふさがっている。
4) 『突撃隊』 Hell is For Heroes (1962)
真冬に、孤立し人手不足の疲弊したアメリカ軍部隊が、ドイツ軍の激しい反撃にさらされながらも戦線の維持を迫られる。第二次世界大戦中の映画『ガダルカナル日記』(1943年)では、テックス、ブルックリン出身のタクシー運転手ポッツィ、ニューメキシコ出身のアルベルスなど、民族的地理的に多様な「オールアメリカン」部隊が登場する。しかし、本作品では、アンチヒーローや変わり者など、アメリカ軍で実際に従事した兵士たちを登場させ、この図式を覆した。
5) 『戦う翼』 The War Lover (1962):
本作は英国で撮影されており、ハリウッド作品ではないが米軍の爆撃機乗員が主役で、「良い戦争」神話を否定する戦後の戦争映画らしさを残している。航空戦の悲惨な体験を多くのアメリカ国民は『メンフィス・ベル』(1944年)のような戦時中ドキュメンタリー作品を通じ知っていた。戦後は、戦火の中を飛行する男たちの心理的葛藤を明らかにする作品が生まれた。
中でも印象に残るのは、高評価を受けた『頭上の敵機』(1949年)である。これに対し『戦う翼』は、一途な爆撃機パイロットの視点でヒーローとサイコパスの間を行き来しながら、戦争を取り上げている。■
You Need to Watch These 5 Top War Movies | The National Interest
January 3, 2022 Topic: Entertainment Region: Global Blog Brand: The Reboot Tags: WarWar MoviesFilmCinemaHollywood
You Need to Watch These 5 Top War Movies
James Jay Carafano is Vice President for Foreign and Defense Policy at the Heritage Foundation.
This piece first appeared earlier and is being reprinted due to reader interest.
Image: Flickr
スティーブ・マックイーン作品が二本も入ってますね。ホットリンクでYouTubeで予告編や本編が見られるのでのぞいてみてはいかがでしょうか。
コメント
コメントを投稿
コメントをどうぞ。