F-22退役の日程が前倒しになったのはNGAD第六世代機の登場が早まったためのようだ
米空軍の第六世代機が飛行可能となっており、、速力、ステルス、操縦性、兵装、AI応用センサーなどで技術限界を破り現行F-35の性能を超えている可能性がある。
未実証の開発初期段階のまま、事業を加速化する第六世代次世代航空優勢機材(NGAD)への空軍の姿勢は適切である。
しかし、第6世代機の付加価値でF-35の大幅削減を示唆する動き、あるいは正当化する議論で見落とされがちな変数が数点ある。
第五世代機のインパクト
第6世代機の大量投入を加速するため、F-35を削減すべきか?答えは否だ。F-35には相互補完運用を想定しており、実際、今後の同機はミッションセットや技術特性で現在と微妙に異なる機材になる可能性がある。
新型第6世代機の構成、性能、任務特性についてほとんど不明だが、同機が、F-35の後継機ではなく、代替機として想定されていることを示す証拠がある。
F-22退役が2030年に始まると明らかになったのを考えるとこの想定は一層正しくなっているようだ。ラプターは改修を数次にわたり受けたきたが廃止は当初想定より数十年早くなる。
F-22退役が早まるのはNGAD第六世代機が想定より早く登場するためだろうか。その可能性は十分あるようだ。
F-35、F-22ともに第五世代機であるものの、全く違う機材である点に注意する必要がある。このため次世代のF-22にあたる第六世代機の開発が実現してもF-35が無用の存在になることはない。
逆の意見もある。F-35は、他の追随を許さない情報監視偵察センサー技術、AI対応情報処理、ソフトウェア改修や新型ミッションシステム、標的捕捉での技術革新を受け一貫して性能を適応、変化、向上するマルチロール戦闘機となる。
F-35の近代化改修を長期にわたり継続する展望がペンタゴンにあり、2070年代以降まで飛行を続ける。F-35はマルチロール戦闘機でドッグファイトなどこなしながら、最大の優位性はセンサー能力、コンピュータ処理能力、長距離高精度標的捕捉技術にある。
これに対しF-22が第六世代機と組むと補完機能を提供するものの、第五第六世代併用による航空優勢のあるべき姿とやや異なる様相となる。
F-22は最高速度、機体制御、空対空戦で世界最高峰の機体だ。センサー能力、近接航空支援能力、通信ネットワーク機能で優れるとはいえ、F-22は航空優勢確保のための機材だ。
第六世代機にF-35が必要
ここから全体像がはっきりしてくる。第六世代機はパラダイムチェンジをもたらす機材となるが、あくまでもマルチロールF-35が補完的に運用されることで本領を発揮できるのだ。
米空軍が第6世代ステルス戦闘機に示す熱意がめだつ。空軍はF-35と新型第6世代次世代制空戦闘機を数十年先まで供用する意向なので、F-35大幅削減の可能性は低いように思える。
新しい第6世代機の構成や任務範囲に関するデータは皆無にちかいが、空軍幹部の最近のコメントと過去数年間の開発動向を照らし合わせると、第6世代機は1対1の置き換えにならない可能性が高い。つまり、第6世代機は次世代F-35ではないのだ。
むしろその逆で、第6世代ステルス戦闘機と第5世代多任務機F-35は、それぞれ他方にない属性や特徴を持つ。F-22が187機で打ち切られたことを考えると、第6世代機がF-22のような航空優勢で画期的な結果をもたらす可能性の方がはるかに高い。
第6世代戦闘機は、F-22をはるかに凌ぐ操縦性を実現するだろうか?おそらく、新次元のスーパークルーズ、推力、加速、機体操縦性で敵機を突き放すだろう。同時に、F-35のユニークな特性として、技術進歩の速度とソフトウェアによる武器アップグレードの継続的かつ迅速な実行を考えると、優位を今後長く発揮するかもしれない。
CNNによると、トランプ政権時に、維持費を節約し、第6世代航空機の急成長を十分に活用するために、空軍計画のF-35合計1763機調達を800機に削減する提案をした空軍高官がいた。
この発想は、第6世代機開発の初期に生まれたものかもしれないが、当時の空軍の立場を表しているとは思えず、かつ空軍の現在の見識も反映していないのは確かだ。チャールズ・ブラウン空軍参謀長は、のF-35の機材数調達方針は完全に堅持していると述べているが、もちろん、一部で議論が続いている。
その後、第6世代機はF-22の代替機となりF-35を補完し、併用される可能性を示す兆候が増えている。
あらゆる場面で他機種をしのぐ性能を示す単一機種を生むのは不可能といってよく、このためF-35は今後も改修を続けながら新型第六世代機と併用され、相互に性能を補完することで航空優勢の確保で最適な組み合わせになるとの意見が優勢になっている。
第5世代・第6世代のステルス機は、ステルス性能を引き上げていく。第5世代・第6世代機は、現在のネットワーク化の進展を基礎に、現時点以上の効果を戦闘にもたらすとの想定がある。つまり、迅速なネットワーク構築で情報共有し、相互連動が機能すると考えられる。両機種が、付近を飛ぶ無人機や無人地上装備品やロボットと運用されるだろう。
NGADとF-35の連携でここまで威力を発揮する
近年の技術ブレークスルーで、F-22とF-35間で安全な双方向接続が可能となり、情報・標的情報共有のパラダイムシフトで、連携航空攻撃に新たな地平を切り拓いている。第5世代・第6世代間の連携に大きな期待を抱かせ、さらに発展していくものと思われる。
例として、超長距離、高精度のセンサー画像解像度を持つISR対応F-35は、電子光学照準システムにより、第5世代敵編隊の位置を特定し、コンピューター化ミッションデータファイルとAI対応センサーフ融合により、迅速に標的の識別が可能となる。F-35は、脅威データを膨大なデータベースで高速分析し、個別データを関連付けながら迅速に整理しパイロットに提供する、標的を発見し、付近を飛ぶ第6世代航空機にデータを送信し、敵の第五世代戦闘機部隊を撃破させるのだ。■
Is the Pentagon's 6th-Gen Fighter an F-22 Replacement?
JAN 5, 2022
-- Kris Osborn is the Managing Editor of Warrior Maven and The Defense Editor of The National Interest --
Kris Osborn is the defense editor for the National Interest. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Master's Degree in Comparative Literature from Columbia University
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