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米海軍が次期フリゲート艦コンステレーション級の詳細情報を公表。日本の進めるFFMとは大きく方向がちがうことがわかりますね。

 

 

コンステレーション級フリゲート艦の最新の想像図NAVSEA / US Navy image.

 

 

海軍の次期フリゲート艦コンステレーション級の建造が今年始まる。開発主幹ケヴィン・スミス大佐から同級開発の最新状況が2022年1月11日から13日開催された水上海軍協会(SNA)年次総会で発表された。

 

 

 

発表でスミス大佐はコンステレーション級はあくまでもフリゲート艦であり駆逐艦ではない、またDDG同様の兵装は搭載しないと強調した。ただし、大佐は新型フリゲート艦の投入で重要艦艇の援護任務についているDDGの負担が緩和されると紹介した。

 

スミス大佐は建造契約はフィンカンティエリ・マリネット・マリンに2020年4月交付されており、現在は詳細設計段階にあると紹介した。大佐は主要装備となるイージス戦闘システムのベイスライン10などに取り組むとともに、電源供給、配管、消火などの各種サブシステムも進めていると述べた。

 

コンステレーション級建造は当初予想より遅れる

海軍長官は既に初期建造三隻の名称を発表している。コンステレーション(FFG-62)、コングレス(FFG-63)、チェサピーク(FFG-64)だ。フィンカンティエリがまず二隻を建造し、チェサピークは現予算年度でオプションとなる。事業の大日程でプレゼンテーションでは以下説明があった。

 

22年度の主眼点

– 詳細設計の完了:

           • Critical Design Review (CDR) 2QFY22

– 一番艦 (FFG 62) 建造の開始:

• Production Readiness Review (PRR) 3QFY22

– イージス戦闘システム開発と統合

– フィンカンティエリ設備投資をマリネットおよびスタージョンベイで完了する

– 推進系の陸上技術試験設備をフィラデルフィアに構築する

 

スミス大佐は報道陣に対し2022年4月を建造開始予定にしていると述べた。一年前にNaval NewsUSNI NewsはFFG-62建造開始は2021年と報じていた。

 

また、会場で一号艦建造の概要を以下紹介した。

  • 建造開始(SOC)2021年秋または2022年度Q1

  • 起工: Q1 FY2023

  • 進水: Q1 FY2025

  • 引渡し: Q3 FY2026

 

二号艦建造は2022年度Q3、三号艦は2023年Q3、四号艦は2024年度Q1と以後続く。

 

 


コンステレーション級の兵装とセンサー類(Screenshot from the presentation slides)

 

 

席上でスミス大佐から最新の同フリゲートの解説図が発表され、センサー兵装類の詳細も判明した。コンステレーション級の諸元は以下の通り。

 

  • 全長 – 496.1 ft (151.2 mt)

  • 艦幅 – 64.6 ft (19.69 mt)

  • 喫水 – 18 ft (5.48 mt)

  • 排水量 – 基準 6,016 tonnes, 満載7,291 tonnes

  • 出力 48,679 hp

  • 稼働期間 25 yrs


センサー、兵装、機関系

  • AEGIS B/L 10

  • レーダー – AN/SPY-6(V)3

  • 水中用 – AN/SQQ-89(V)16

  • MK 48 GWS

  • 1x MK 110 57mm Gun

  • 32-cell MK41 VLS

  • 16xNSM Weapon System

  • 1x MK 49 RAM Block III Point Defence Missile System

  • MK 53 MOD 9 NULKA Decoy Launching System

  • AN-SLQ-32(V)6 CM (SEWIP) BLK II EW System

  • Variable Depth Sonar, Multi-function Towed Array

  • Machinery: Combined Diesel-Electric and Gas (CODLAG) Propulsion Plant (LM2500+G4)

  • Aviation: 1xMH-60 Romeo, 1xMQ-8C UAV

  • 2xRHIBs

 

スミス大佐は米海軍の調達方針にも触れた。あくまでも設計変更せず、当初のRFPを堅持するとした。

 

スミス大佐は陸上設置技術試験設備についても触れ、推進系の操作運用含めリスク低減になると説明した。同様の構想がアーレイ・バーク級フライトIIIでもあったことに触れている。FFG-62級の初期作戦能力獲得(IOC)は2029年度が目標だ。米海軍はリードタイムが長い部品については調達を2022年度Q2から開始するとしている。■

 

US Navy's Constellation-Class: New Frigate to Start Construction This Year - Naval News

Tayfun Ozberk  15 Jan 2022

Tayfun Ozberk story with additional reporting by Xavier Vavasseur


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