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THAADが初の実戦投入で弾道ミサイル迎撃に成功。UAE 1月17日フーシ襲撃事件で。武器供与でイランの関与が明白になり、厳しい対応が展開されそう。

 

イスラエルにTHAADが展開した。2019年。米陸軍、米空軍、イスラエル軍の演習でダイナミック部隊展開構想を実行した。 (Staff Sgt. Cory D. Payne/U.S. Air Force)

 

 

2022年1月17日のフーシ戦闘員によるアブダビ襲撃事件でアラブ首長国のTHAADが弾道ミサイル一発を迎撃し、初の実戦運用となったことがわかった。

 

 

THAAD 終末高高度防衛ミサイルはロッキード・マーティン製。UAEの石油精製施設を狙った中距離弾道ミサイル迎撃に投入されたことが複数の筋から判明した。同施設はアルダフラ航空基地に近く、同基地には米軍仏軍が駐留している。

 

今回の襲撃事件でには巡航ミサイル、弾道ミサイル、無人機が使われ、民間人3名が死亡、6名が負傷した。駐米UAE大使ユセフ・アル・オタイバYousef Al Otaibaが述べている。

 

「襲撃は数次にわたり、巡航ミサイル、弾道ミサイル、無人機を投入し民間施設を標的にした。多数を迎撃したが、数発がすり抜け、罪のない民間人三名が不幸にも生命を奪われた」。

 

UAEはサウジアラビア主導の多国籍軍で中核メンバー。イエメン内戦に2015年以来参戦している。フーシ派がイエメン首都サナアを前年に奪取し、大統領を放逐した。UAE部隊は大部分がその後イエメンから撤収しているが、同国は依然としてイエメン情勢に深くかかわっており、現地戦闘集団を支援している。

 

米中央軍は1月16日に「差し迫った脅威が向かっている」ためアルダフラ基地の空軍隊員を退避壕に待機させ、「高度警戒態勢」を約30分維持したと1月21日に明らかにした。その後、同基地は24時間警戒態勢を維持した。

 

THAADは短距離、中距離、長距離いずれの弾道ミサイルにも対応し、開発は1990年代に始まった。初期テスト段階では苦しんだが、その後信頼性を確立し、2000年にロッキードはTHAADを陸軍移動対空部隊に統合する契約を交付された。

 

2019年までにミサイル防衛庁はTHAADの迎撃テストで16回連続成功し、同装備の性能を実証した。

 

米国はTHAADをグアム、イスラエル、南朝鮮、日本等に展開中で、2017年にサウジアラビアが総額150億ドルでTHAAD導入を決定し、UAEも導入を決め、2015年から2016年にいち早く配備し、運用訓練を受けた。

 

米陸軍はTHAAD部隊計7を運用中だが、9個部隊整備を要求してきた。MDAに残る2隊整備の予算がなかったが、2021年に米議会が追加予算措置を認め、まず8番目のTHAAD部隊が実現することになった。

 

フーシ派は無人機、ミサイルを投入しサウジアラビアやペルシア湾内石油関連施設を攻撃してきた。イエメン内戦は8年目に突入している。1月17日襲撃事件でフーシは初めてUAEを標的とした。

 

今週に入り、UAEはミサイル・無人機襲撃事件への防御力強化への支援としてフーシへの武器搬入を止めるよう米国に求めてきた。

 

アブダビ皇太子モハメド・ビン・ザイエド・アル・ナーヤンCrown Prince Mohamed bin Zayed Al Nahyanはロイド・オースティン国防長官と電話会談し、オースティン長官は「UAE領土をいかなる脅威から守り安全を確保するべくゆるぎない支援をあらためて強調した」。ただし、ペンタゴンはUAEの要請について具体的言及を避けている。

 

UAEは米製防衛装備品の売却で米議会有力者と話を始めている。同国大使館によればアル・オタイバ大使が1月19日に下院外事委員会のグレゴリー・ミークスGregory Meeks委員長(民、ニューヨーク州)と会談している。

 

上院外交関係委員会の委員長ロバート・メレンデスRobert Menendezも同大使との会談に先立ち、「相手側の要望内容を見たい。現在直面している課題はちゃんと認識している」と述べた。

 

ただし、議会スタッフによれば、各議員は装備品売却でフーシ襲撃に備えたいとの同国の要望にはおおむね理解するものの、同国がここにきて中国とのつながりが強まっていること、同国部隊がリビア内戦に介入しているためUAE関係者は厳しい質問に直面しそうだという。

 

また米側はUAEの要望通りに装備品を提供した場合の妥当性および生産日程への影響を検討する必要が生まれる。外交上微妙な問題のため匿名条件の上院関係者が述べている。UAEがペイトリオットミサイル購入を希望してきた場合、サウジアラビアへのフーシ攻撃への迎撃手段不足が深刻になりかねないといわれる。

「サウジはペイトリオットを大量消費中で、ミサイルはウォルマート店舗で簡単に買えるようなものではない」「UAEが分別わきまえて要望してきても、生産し配備するまで数年かかる」(同上関係者)

 

湾岸アラブ諸国は米国、国連の専門家他と同様にフーシに武器供給しているイランを非難しているが、イランはこれを否定している。

 

ペンタゴンに勤務し現在は中東研究所のビラル・サーブBilal Saabはフーシがミサイル発射したことからイランの関与が示されたとし、昨年12月のイラン=UAE協議の後で今回の襲撃事件が発生したことに触れている。

 

「会談は明らかに効果がなかった」「弾道ミサイル投入はイランが事態を承知し、関与している象徴だ」

 

ジョー・バイデン大統領も1月19日に今回の襲撃事件を受けフーシを米国認定の国際テロ集団リストに再度加える検討に入ったと述べている。

 

アル・オタイバ大使がこの動きを後押ししており、同国大使館から「事態は明白。弾道ミサイルや巡航ミサイルを民間に向けに発射するのは武力侵略そのものであり、イエメン国民の支援を悪用するものだ」との声明文が出た。■

 

 

THAAD, in first operational use, destroys midrange ballistic missile in Houthi attack

 

By Jen Judson and Joe Gould

 Jan 22, 04:35 AM

Agnes Helou in Beirut and The Associated Press contributed to this report.


 

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