スキップしてメイン コンテンツに移動

★ロッキードのCFR小型核融合炉が米特許を取得-----人類の生活を一変させる可能性と疑問

うーんあれから4年ですか。ロッキードが画期的な小型核融合技術を鳴り物入りで公表していました。今回は特許取得まで行きましたが、記事でも指摘しているとおり特許成立と技術の実現は別の話ですが、本当に実現すればロッキード株式に投資すべきでしょう。(当方は損失の責任は有しません) 日本ではそもそも原子力の原理が分かっていないまま感情で排斥する傾向が3/11以降定着しており、その根源は「穢れ」を排除する思想だと当方は見ていますが、核融合が普通に使える時代がそこまで来ているとすれば今から本気で核分裂と核融合は違うと社会に理解させていかないといけませんね。軍事利用を考えると今までの制約から自由になれればどれだけ画期的な装備が生まれるでしょうか。むしろレーザーやレイルガンのような高エネルギー消費装備の実現が容易になることでしょうか。ともあれ、五月雨式にしか出てこないロッキードのCFRですが今後も要注意ですね。



Lockheed Martin Now Has a Patent For Its Potentially World Changing Fusion Reactorロッキード・マーティンが世界を一変させる核融合炉の特許を取得

When it first announced the project, the company said it could have a working prototype of the revolutionary power source as early as 2019. 

同社は革命的な動力源をめざすプロジェクトを初めて公表した際に実用試作機をはやければ2019年に完成させると述べていた



BY JOSEPH TREVITHICKMARCH 26, 2018
LOCKHEED MARTIN


ロッキード・マーティンが世界を一変させる可能性のある小型融合炉(CFR)で特許を交付された。予定通り進展すれば同社は、ニミッツ級空母一隻あるいは一般家庭8万軒に十分な電力を供給できる海運コンテナ大の試作機を早ければ来年にも公表する。
特許は封じ込めシステム部分で日付は2018年2月15日。メリーランド州に本社を置く防衛産業最大手のロッキード・マーティンは2013年4月3日暫定申請し一年後に正式申請していた。
2014年に同社は装置作成に取り組んでいると発表し、スカンクワークス(カリフォーニア州パームデール)で小型核融合プロジェクトとして進め、目標は5年で作動型融合炉を完成させ10年で実用型を完成させることと明らかにした。
1920年代から科学者は融合炉構想に取り組んできたが完成したモデルは低性能かつ巨大に終わるのが大部分だった。しかも巨額の費用が必要だった。その例がITER(国際熱核融合実験炉)で国際協力でフランスに2021年完成を目指し費用概算は500億ドルで総重量23千トンになる。しかも装置は実験用であり実用と程遠い存在だ。
核融合は太陽内部と同様の仕組みで核融合反応の封じ込めが中核部分とされる。核分裂では原子がぶつかり合ってエネルギーが生まれるが、核融合炉ではガス状燃料を加熱し圧力で原子をイオンと電子に分割し自由イオンが重い核に融合される。
この過程で膨大なエネルギーが放出され化石燃料を燃やす通常の化学反応の百万倍超となる。だがこのためにはガスを保持しつつ高度のエネルギーを持つプラズマ状態を維持する必要がある。温度は華氏数億度になる。
これが反応炉の性能を制約する。と言うのは作動不良が恐ろしい結果になるためだ。ロッキードの2014年のAviation Week向け説明ではソ連開発のトカマクの例では安全な作動には磁気圧を低く維持する必要があるとのことだった。
LOCKHEED MARTIN
ロッキードの反応炉の概念図


ロッキードの助けを得て本稿ではCFRでこの問題はどう解決されたかを以下説明してみる。
「トカマクの問題はプラズマ保持に限界があることでこれをベータリミットと呼ぶ。プラズマ圧と磁気圧の比率でみると平均的なトカマクのベータリミットは低く、封じ込め圧の5%相当しかない。自転車タイヤに例えると空気を入れすぎるとタイヤが壊れ破裂するようなものだ。安全運転のため限界近くにはできないことになる。
CFRではこの問題を回避するためプラズマ封じ込めに画期的な方法を採用した。プラズマをチューブ状リングに封じ込める代わりに超電導コイル多数で別の磁場を作りプラズマを反応室内に広く封じ込める。超電導磁石をコイルの間に装着し反応室の外に磁場を作る。自転車用タイヤを破裂させてしまうのではなく、強い壁に向かって拡張するチューブを使っているわけだ。CFRのベータリミットは1で、つまり100%さらに上を目指している」
装置がうまく作動すれば戦闘の将来像を大きく変えるのみでなく人類の生活が一変するのは確実だ。水素アイソトープの重水素三重水素燃料が25ポンドがあればロッキードの計算では一年連続運転でき、100メガワットが常時発電できる。
.同社ウェブサイトのCFR特集では反応炉で空母一隻を航行させ、C-5ギャラクシーと同規模の機体を飛行させ、人口10万人規模の都市に電力供給が可能とある。あるいは火星への飛行のスピードがあがるだろう。いずれの場合もCFRが通常型燃料にとって代わり、核分裂反応炉とも交代し、大幅に小型化可能となる。余分なスペースや補器類が不要となり運転維持の負担も軽減されエネルギー効率は圧倒的に向上する。
USPTO
特許成立した融合炉外観の概略図
航空分野への応用では炉の大きさが問題だが無制限の飛行距離が実現し、制約は乗員の食糧、飲料水他の生命維持関係のみとなる。高高度飛行無人機なら数か月・数か年滞空し衛星等の中継装備の代わりとなり、軍用民生用双方で活用できる。
太平洋のように広大な地域の常時監視体制は現状では困難だがCFRなら無期限に監視可能となり、敵の動きを逐一監視できるほか野生動物の群れや水温観察が連続実施できるようになる。
同様に車両、艦船、宇宙機にも恩恵が生まれ、距離の制約を取り払い無制限の電力供給が可能となる。軍用用途では無人の地上車両や艦船に無制限のパトロールをさせたり、危険性のある分裂炉を使わずに資源の有効活用につながる。
USPTO
CFRを搭載した四発航空機エンジンと反応炉の配置の概念図
核分裂に対して核融合の利点として最大の点は危険な廃棄物が生まれないことだ。重水素三重水素はともに民生分野で大量入手が可能でかつ低量なら危害は加えない。燃料が少量で済むため事故があっても融合炉から汚染が広範囲に広がることは少ない。
また融合炉では加工済み核分裂物質が不要となれば核兵器拡散防止上も有益だ。加工工程が核兵器製造の出発点となるからだ。移動可能で効率が良い電源となり世界中どこにでも設置でき病院、学校、海水淡水化プラント他重要だが大量の電力を必要とする民生インフラの安定電源となる。
燃料は膨大にあり比較的簡単に入手できる。海中にほぼ無制限の重水素があり、リチウムから三重水素を得られる。廃棄物処理は分裂炉よりはるかに容易で危険な放射能も数千年単位ではなく数百年で無害となる。
システムでは高熱を作りそのエネルギーでタービンを回し発電する。既存の発電方式の石炭、石油、核分裂方式を核融合炉に交代するのは比較的容易だとロッキード・マーティンは見ている。自然災害のような緊急事態にはトラックに搭載した反応炉で都市全体の電力復旧に役立つ。
USPTO
ロッキード・マーティンのCFRの応用可能性を示す図 特許出願内容より
もちろんロッキード・マーティンの融合炉が実現するかは別の問題だ。ほぼ一世紀にわたり多数の企業研究機関が核融合の実用化を目指しているが成功したのは一例もない。
特許取得しても書面通りに技術が実現に向かっているとは限らない。2014年のメディア向け公表以降のスカンクワークスはほぼ何も発表してこなかった。米政府は国家安全保障に関する内容で必要と判断すれば特許内容を非公表とできる。つまり今回の特許内容から見ればシステムの成熟度がまだ低く物議を醸しだす内容ではないことを意味するのか。
とは言えスカンクワークスが特許出願をこの4年間続けてきたことから同社が研究を推進中だとわかり、ある程度の達成をしたのだろう。スカンクワークスは高度研究開発で目を見張る実績を誇る。四年前も外部取材に反応炉を詳細説明するほど自信にあふれ、事業の大日程や目標まで話していたころから同社の本腰の入れようがわかる。

2014年当時に反応炉試作型完成まで5か年の大日程を示していたことから、ロッキード・マーティンからの重大発表が近づいているのではないか。■

コメント

このブログの人気の投稿

★★★真偽は?日本もUCAVを開発していた

日本にもブラック事業がある(あった)のでしょうか。映像公開したのは機密解除になったのか、事業がもっと先に進んでいるからでしょうか。各務原での目撃がないことから別の場所で秘密裏に開発されたのでしょうか。川崎重工関係者は口がさけても語れないと思いますが、事実なら日本もUAV-UCAVを開発していることがわかりますね。判断は読者の皆さんにおまかせします。
This is the combat drone Japan has been building in secret
これが秘密裏に開発していた日本の戦闘無人機だ

川崎重工ブースのビデオでUCAV試作機の飛行状況を写していた (Photo by Harold Hutchison) By Harold HutchisonOct. 06, 05:10 AM http://www.wearethemighty.com/news/this-is-the-combat-drone-japan-has-been-building-in-secret
無人戦闘航空機、つまりUCAVはこれからの軍事航空のカギを握ると言われる。米国、ロシア、フランスが開発中と判明している。 だが本誌We Are The Mighty (以下WATM)はこのたび日本も秘密裏にUCAV開発を進めていたことを知った。 ワシントンで先ごろ開催された空軍関係のイベントでWATMは川崎重工業のブースでビデオ画像を見た。それは同社によるUCAV研究開発の様子で、画像内のUCAVはボーイングX-45やノースロップ・グラマンX-47に似ているようだった。 会場で詳しく聞こうとしたが、同社係員が日本政府の意向だとしてやんわりと断ってきた。翌日も別の係員はこの件は存じていないと答えてきた。 結局三番目に会った川崎重工の小林タクミ氏が「試験機で10年近く前のもの」とし、「防衛省予算による実験事業だった」と説明してくれた。同氏はさらにメールで「2008年ごろのプロジェクト」と述べている。 WATMが当時空軍の筆頭参謀次長として情報監視偵察分野を担当し現在は航空宇宙研究にあたるミッチェル研究所の所長をしているデイブ・デプチュラ退役空軍中将に日本がUCAV開発をしていた事実を知っているか聞いたところ、即座に「知らない」との答えが返ってきた。 このことから日本のUCAVは秘密のベールに隠されていたことがわか…

★★ロッキードが極超音速技術の完成に近づいている模様、SR-72との関連へ注目

Amid SR-72 Rumors, Skunk Works Ramps Up HypersonicsSR-72の噂と関連か、スカンクワークスの極超音速技術が加速中
Sep 27, 2017Guy Norris | Aerospace Daily & Defense Report http://aviationweek.com/technology/amid-sr-72-rumors-skunk-works-ramps-hypersonics
SR-72: Lockheed Martin FORT WORTH, Texas—ロッキード・マーティンが極超音速技術開発を加速化しており、初の実証機を目撃したとの報告もあり、スカンクワークスが進めるSR-72高速機開発との連関が注目される。 「詳細は言えませんが、スカンクワークスのあるカリフォーニア州パームデールで超高速飛行実現の動きを倍増しています」とロッキード・マーティンで航空力学執行副社長オーランド・カバルホOrlando CarvalhoがSAE 国際航空技術学会で語っている。「端的に申し上げれば米国は極超音速革命まであと一歩まで来ています」 Darpaと米空軍研究実験部門が共同で進める推進滑空兵器および極超音速空気取り入れ式兵器コンセプト研究に言及して、カバルホは「この十年で研究は大幅に進み、極超音速技術で状況が一変する意味があることが明らかになってきました。今後も研究テストを進め、極超音速飛行の実現にDarpaとのプロジェクト二件を活用します。国家安全保障ではスピードが肝心です」 SR-72への言及はなかったが、同社が極超音速機として退役済みの高速SR-71ブラックバードの後継機を提案中であることは広く知られており、カバルホの前向きな発言はロブ・ワイスRob Weiss(ロッキード・マーティンの高性能開発事業体執行副社長兼総支配人)の発言に重なる。6月にワイスはAviation Weekに選択的に有人操縦となるSR-72の前身となる飛行研究用機体(FRV)が予定通り進行中と暗に述べていた。 スカンクワークスはFRV開発を来年から始めるといわれ、初飛行予定は2020年だ。FRVはF-22ほどの機体サイズで推進力はフルスケールのコンバインドサイクルエンジン一基だ。しかし実証機に先立ち、ロッキードは各種技術の地上・飛行テスト…

★★潜水艦が一隻も使えないのはドイツ連邦軍の問題の氷山の一角だ

几帳面がドイツでこうなっているとは意外な気もしますが、国防省の官僚的体質が災いのもとなのでしょうか。ドイツの安全保障に対する価値観にはやはり大戦中のトラウマがあるのでしょうか。日本はこの数年で意識がかわりつつあるのですがね。ドイツ国民に軍事アレルギーや防衛で主導的な立場を忌避する傾向があるのでしょうか。
Germany Does Not Have One Working Submarineドイツに作戦投入可能な潜水艦が一隻もない事態 Sebastien Roblin December 16, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/germany-does-not-have-one-working-submarine-23688?page=show

今年10月15日、ドイツ潜水艦U-35がノルウェー沖で潜航しようとしたところ、x字形の潜航舵が岩礁とぶつかり、損傷が甚大で単独帰港できなくなった。ドイツ国防軍広報官ヨハネス・ドゥムレセ大佐 Capt. Johannes Dumrese はドイツ国内誌でU-35事故で異例の結果が生まれたと語っている。紙の上ではドイツ海軍に高性能大気非依存型推進式212A型潜水艦6隻が在籍し、各艦は二週間以上超静粛潜航を継続できることになっている。だがドイツ海軍に作戦投入可能な潜水艦が一隻もない。Uボートの大量投入による潜水艦作戦を初めて実用化したのがドイツ海軍で、連合国を二回の大戦で苦しめた。今日のUボート部隊はバルト海の防衛任務が主で規模もに小さい。212A型は水素燃料電池で二週間潜航でき、ディーゼル艦の数日間から飛躍的に伸びた。理論上はドイツ潜水艦はステルス短距離制海任務や情報収集に最適な装備で、コストは米原子力潜水艦の四分の一程度だ。ただし、同型初号艦U-31は2014年から稼働不能のままで修理は2017年12月に完了予定だが再配備に公試数か月が必要だ。U-32は2017年7月にノルウェー回航中にバッテリーが使えなくなった。修理用船台が空かず、U-34が次の順番を待つ中で修理のめどがつかない。U-33は2018年2月まで整備中でその後公試に三四か月かかる。U-35の姉妹艦U-36は2017年10月に就役し、作戦投入可能は2018年5月だ。なぜここまで時間がかかるのか。冷戦終結後のドイツ海…