2018年3月27日火曜日

アメリカの技術優位性に陰り、アメリカに有利な戦争の実施はもう不可能になるのか

これまでもソ連技術が脅威となっても結局配備できないままだった事例はいっぱいあります。また中ロの脅威を強調して予算を確保する戦術がよくありましたが、今回は予算は十分ついており、本当に技術格差が埋まりつつあるとしたら大変なことです。もともと米国の戦略は攻撃重視なので本土防衛など案外軽視してきたのですが、民生技術の応用も含め抜本的に技術開発のモデルを変えないと追いつけなくなってしまいます。Breaking Defense記事の紹介です。




「死のハイウェイ」で放棄されたイラク軍戦車(1991年)By PAUL MCLEARYon March 21, 2018 at 6:12 PM

メリカ式の戦争では圧倒的な産業力、火力で海と空を支配して戦ってきたがどうやら終焉を迎えそうだ。ペンタゴンのトップがそう述べている。
二十年にわたり「中国とロシアがこのモデルの実効性を下げている」とエルドリッジ・コルビーElbridge Colby国防次官補(戦略・戦力整備)が語っている。装備近代化に巨額予算を投じ人工知能や極超音速ミサイルなど新技術を次々にアメリカより早く投入している。中ロ両国によって今後の武力衝突に臨む米国の姿勢が変わってしまった。
「もう一度原点に戻り問題の本質、問題の定義を考えれば中国やロシアの勝利が実現するのを防げるはずだ」とコルビーは指向性エナジー年次総会での講演で述べた。総会はブーズアレンハミルトンと戦略予算評価センターの共催だ。その答えは技術、訓練、指導原理の組み合わせにある。「だが課題がある。あちら側はこちらの勝利の方程式をまねているのではないか。であればこちらはあちらの勝利の方程式を研究すれば抑止効果が生まれるはずだ」
ペンタゴンで国家防衛戦略構想をまとめた一人としてコルビーはワシントンが「長期的戦略競合」をモスクワと北京を相手に始めたとの認識を持つ。コルビーはこの説明で会場の各種防衛産業関係者の課題を説明した。
従来のようにゆっくりしたテストと評価段階を経て、新技術の導入に何年もかける、あるいは何十年もかけるやりかたは「変えていかねばならない」と言う。中国やロシアの国防関係者はそんな悠長な方法をとらず、米側技術企業はペンタゴンとの仕事の進め方を冷笑してきた。あまりにも慎重で時間ばかりかかる日程のためシリコンバレーのハイテク企業には忌み嫌われている。F-35やフォード級空母の配備に十数年もかけるのは長期的に安定感を生むだろうが、「太平洋やヨーロッパで敗北すれば戦力があると威張っても意味がない」とコルビーは警告する。
国防産業界へコルビーは遠慮なく言い放った。「素晴らしい技術でも実戦配備につながらないものには関心がない。欲しいのは壁を破り創造性豊かな技術への投資で実際に運用可能なものだ」
競争相手を意識したペンタゴンを裏付けるように火曜日には台湾が台湾海峡に入ってきた中国の空母遼寧を追尾すべく艦船航空機を急派している。
太平洋軍司令官ハリー・ハリス大将が上院委員会で任期を廃したことで習近平主席が無期限に権力の座につけることになったため南シナ海はじめ各所で中国がこれまで以上に挑発的行動をとると述べた翌週にこの事態となった。
ハリスはトランプが次期オーストラリア大使に内定し、中国は域内覇権とともに米国を域内から追い出すことを狙っていると発言。中国は極超音速、第五世代戦闘機に巨額の投資をしつつ人工島を武装し南シナ海での各国の主張と衝突しながらそのペースを速めている。
ヨーロッパではロシア大統領ウラジミール・プーチンが「無敵の」新型巡航ミサイルの開発に成功したと発表し、極超音速ミサイルも含まれ、米防空網を突破できるとする。
上院軍事員会の公聴会が3月20日にあったがジェイムズ・インホウフェ上院議員Sen. James Inhofe(次期委員長に有望視される)から戦略軍団司令官ジョン・ホイテン大将 Gen. John Hytenに質問が出た。「極高音速ミサイルが実際に発射されたら防衛手段はあるのか」
ホイテン大将はいかにも心配な表情でわからないと述べた。「非常に困難で、当方の防衛は抑止力の一部です」「そのような兵器の配備を阻止する体制担っておらず、こちらの対応としては核の三本柱による抑止力の近代化で対応するしかないでしょう」
ペンタゴンはいわゆる「低出力」核兵器の開発を求めており、潜水艦から発射しながらロシアが核兵器で報復する可能性を低くするとする。

コルビー次官補の懸念をうけて民主党下院議員ティム・ライアンTim Ryanも会場で述べている。「敵側がいまなにをしているかの極秘情報を詳しく説明受ければ各種技術の実用化に予算をまわす必要はないと断言できる人はいないでしょう」■

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