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台湾向けF-15リース構想についてより詳しくはこちらをご覧ください。

先にお伝えしたF-15の台湾リース構想にはさっそく皆さんも反応していますが、さらに詳しい分析記事が出ましたのでご紹介します。ハリアーの取得というオプションは以前も出ていた気がしますが、イーグル+ハリアーの組み合わせが実現すれば台湾は相当強力になりますから、北京は何としても阻止ししょうとするでしょう。


The United States Could Offer Taiwan Leased F-15C Eagles According To Report米国が台湾にF-15Cイーグルをリース方式で提供可能との検討結果

Taiwan wants the F-35B but second-hand leased F-15Cs could give the country a boost in air power without setting off a geopolitical storm.

台湾が欲しいのはF-35Bだが中古F-15Cでも空軍力は相当増強できしかも地政学上の波紋は起こさない

BY TYLER ROGOWAYMARCH 19, 2018

TYLER ROGOWAY
湾がほしいのはF-35とくに固定翼機では不可能な分散基地から運用できるF-35Bなのは公然の秘密だが、オバマ政権は台湾のF-16購入要請でさえ却下した。仕方なく台湾はF-16A旧型を新鋭機に近い形に改修せざるをえなかった。トランプ政権は米台関係を書き直したいというが、F-35は簡単に入手させないだろう。だが使用済みF-15Cイーグルのリース契約なら可能性はある。
習近平に媚びて北朝鮮対決の手助けを求めることは最初から明らかなトランプ政権は台湾の取扱いについては何ら計画がないままだ。トランプは旅行法案に今週署名し米政府関係者の台湾直接訪問を勧奨することとなったが、これで中国が怒りをあらわにし米台間の軍事関係強化に警告を出している。だが二国関係の変化で米国は高性能装備を台湾に提示することになりそうだ。
台湾のUp Mediaが米国提示案を最初に報道し最新鋭戦闘機を台湾に輸出することと戦術機材の改修を否定することの中間の妥協策だという。それによるとUSAFで使ったF-15C/Dに聞こえる機材を厳しく使用制限しながら改修してリース供与するという。
TYLER ROGOWAY/AUTHOR

提案ではイーグルが迎撃任務に向いており短距離滑走路から運用可能とあり、ミサイルを多く搭載できることと航続距離には触れていない。台湾は中国空軍力の増強のみならず地理条件からも脅威を受けている。
中国は空母搭載機で台湾東部からも接近可能で長距離爆撃機が全島一周警戒飛行を行っており台湾を各方面から威嚇している。中華民国空軍はF-16A/B、ミラージュ2000、F-5、F-CK-1軽量国産戦闘機の各型を運用するがいずれも航続距離、兵装、レーダー性能でF-15に劣る。
仮に提案通りの実施となればF-15Cをどこから調達できるだろうか。およそ100機のF-15Cと少数のD型がアリゾナ州ツーソンの航空機墓場に保管中である。大部分は供用年数をすぎており構造補強ないし集中点検をしないと飛行可能にならない。
だがリース契約なら機体の構造改修を十分に行える。その他改修もあるが国務省がAPG-63V3アクティブ電子スキャンアレイレーダーの搭載まで認めるか不明だ。
同レーダーは世界最強の戦闘機用AESAレーダーと言われ、台湾のF-16A/B型も小型ながら強力なAESAに換装している。台湾がイーグル部隊をレーダー換装して運用すれば台湾は中国と質的に同等となり、低空飛行中の巡航ミサイル探知には有効だろう。台湾には巡航ミサイルが大きな脅威になっている。
TYLER ROGOWAY/AUTHOR
F-15C with APG-63v3 installed.

一方でUSAF内部でのF-15C/Dの将来は必ずしも保証されていない。F-15C/Dを退役させ改修F-16に置き換える構想が昨年に検討された。当面この物議をかもす構想は棚上げされているがUSAFは2020年代末にはF-15の主翼交換という高額出費を覚悟する必要が生まれる。
そこでF-15C/Dで待ち焦がれていた電子戦装備の改修が取り消しになったとの報道が先週出たばかりだ。イーグルが今後も活躍するためにはこの改修がどれだけ必要か力説しても足りないぐらいだ。

View image on Twitter
Scoop: USAF Forgoing @BAESystemsInc EPAWSS Survivability Upgrade On @Boeing F-15C Fleet, Will Only Upgrade E-model Strike Eagles http://aviationweek.com/awindefense/usaf-forgoes-epawss-upgrade-f-15c-eagle … JD @AviationWeek


もしUSAFが同機を数年以内に退役させれば新型レーダー装備の機体が台湾に渡ることになる。 
F-15の台湾売却案はロッキード・マーティンが行った太平洋軍向け背景説明にある台湾F-16の能力向上策から浮上した。ボーイングは中国に民間機製造で相当の投資をしており、イーグル売却には難色を示すのは十分予想される。だがリース契約ならF-15はボーイングを介さずに米国政府が準備することとなり議論の余地は残る。
2010 PACOM BRIEFING

イーグルの性能がずば抜けているとはいえ、台湾が本当は欲しいのはF-35Bで別の能力が実現する。だが台湾にはステルスやセンサー融合は重要ではない。イーグルでは不可能な極端に短い滑走路での運用こそ魅力の点なのだ。
AP

台湾では戦闘機を高速道路上で運用訓練を行っているが、中国情報機関にこの点は知られており、F-35BやAV-8Bならもっと小さな運用地点で十分なのだ。
このことを念頭に台湾にAV-8Bを提供することも追加解決策になる。米海兵隊のハリアー部隊が退役すれば各国で引っ張りだこになると以前指摘しているが、同機を艦載運用する想定の国がある一方で台湾は陸上配備し有事に臨時基地から分散運用する構想だ。
USMCのハリアーはAV-8B+型で中古APG-65レーダーを搭載する。レガシー・ホーネットから取り外したものだ。強力なAIM-120AMRAAMを搭載し小型AESAを付ければ非常に有能な対空兵器システムになる。とくに巡航ミサイル防空に有効で、機体は地方に隠せる。AV-8Bは海上目標を攻撃可能で有事に対地対艦攻撃に活躍出来る

USN
そうなると台湾に一番良いのは政治的にも最善と言う意味では中古イーグルとともにAV-8Bもリースすることではないか。短距離離陸運用の経験を得てから台湾はF-35B導入に向かえばよい。ただしその道が開くのは相当先のようだ。
イーグルの台湾向けリースは興味深い構想だが実現するかわからない。またハリアー調達の方が理屈の上でも実現性も高いように見える。ただし補給兵站上は難易度が高いが。

TYLER ROGOWAY/AUTHOR

トランプ政権が「一つの中国」政策への姿勢を変化させる中で台湾の戦闘機部隊の構成がどうなるかは引き続いてお知らせしていく。■
Contact the author: Tyler@thedrive.com

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