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主張 日米両国は台湾支援強化に向かうべきだ

中国が香港で何をしているかを見れば中国の言うきれいごとと実態の乖離は醜いばかりに写ります。自由と独立を守るためには負担と犠牲が必要で70年余も海峡を挟んで独立を維持している台湾はすごいのですが、中国との格差が広がる一方で焦りを見せ始めています。日本では台湾に心情的に近さを感じる傾向がありますが、観光や文化だけではなく地政学的な「常識」が必要で、中国のめざす支配に対抗するためにも台湾の位置は極めて重要です。この問題を解決するには「一つの中国」を反故にすればよいのですが、北京がこれを一番警戒しているのは弱みだと分かっているからですね。台湾として認知すればよいのですが、どうなりますでしょうか。

Panel: Taiwan Looking More to Japan, U.S. for Economic, Security Support 台湾は日米両国に経済、安全保障両面の支援強化を期待

March 13, 2018 1:27 PM


力をちらつかせる中国から台湾を守ることは日米両国で高優先政策であると専門家の意見が一致した。戦略国際研究センター(CSIS)で退役海将吉田正則が安全保障と経済両面で「より多くの協力を差し伸べる」べきと主張し、日本政府が提唱する「自由で開かれたインド太平洋戦略」の一部だとした。

吉田氏は台湾海軍が米国建造艦船や米国製軍用機を運用しており日本、米国と相互運用性があり共同作戦を今後展開するのなら合同訓練も実施すべきと指摘した。

また米国がTPPを脱退した後の戦略は「アジアのパワーバランス(経済、軍事含む)の維持」に尽きると述べた。同席したパネリストからは習近平が憲法改正で国家主席の任期に制約がなくなり今後は領土・領海主張が一層強く出てくると予見した。埋立て工事を強行し滑走路や港湾を構築したのは中国が国際制度を無視しても自国の主張を前面に進める例だと指摘した。

CSISのマイケル・グリーンMichael Greenは「(三か国)は同盟関係ではないが情報面や関係を強化していく」と見通す。この関係は「防衛連合」 “federated defense”と呼ばれることが多い。

台湾は「北方を眺め日本に、東に米国を見ている」と台湾民主進歩ミッションのマイケル・フォンテが防衛に関連し台湾による中国以外の市場開拓先として指摘した。台湾で「日本が友邦国である」と理解されるのには理由があり2月の地震派生直後に日本がいちはやく人命救助協力を申し出たことを例にあげた。

三名は開かれた選挙を実施する民主主義の価値観、自由な報道、安定した政体のすべてが中国の独裁専制体制に対する強みだとの点で意見が一致した。この違いはインド太平洋地域の中小規模各国にも大きな意味を有するとし、各国は中国に貿易面や軍事面で支配を許さず独立を維持したいと考えている。

ただし軍事装備に関する限り「台湾は米国依存だ」とフォンテは指摘し、台湾総統蔡英文 Tsai Ing-wen は「何を購入すべき」対「何を製造すべき」の比較検討で急いで決定すべきと論じた。例としてスマート機雷、潜水艦、フリゲート、戦闘機がある。

人民解放軍海軍が「台湾の太平洋側」と「日本の太平洋側」の両面で作戦展開能力を入手したことで国防近代化で本土からの侵攻を抑止する能力整備が台湾の緊急課題となっている。

「(米台間の)軍同士の関係はとても強固です」とフォンテは指摘した。

だが台湾の地理条件は国際的にもユニークで日米両国のような友邦国のみならず国連加盟国との関係も複雑だ。

「米国は台湾を主権国家とみなしていない」とフォンテは述べ、同時に「米国はPRCによる台湾主権の支配は認めない」とも付け加えた。

北京政府が国連では中国として認知され安全保障理事会の常任理事国にもなっている。台湾野党と異なり、蔡総統の支持層は本土との再統一に急ぐ様子は見せていない。これにより蔡総統は中国とのやりとりで危険な綱渡りをしているが、中国は台湾の対外貿易で4割をしめ、台湾の若い世代が大陸に渡り高等教育のみならず情報工学など雇用の機会を得ているのも事実だ。

このため「台湾人口が急速に縮小している」とフォンテは述べ、「台湾経済には成長が必要」で頭脳流出を止めつつ防衛力を増強すべきだと指摘した。

コメント

  1. 安保条約に規定される同盟という意味から少し離れて「陣営」という意味でアライアンスを語るならば、台湾をこちら側に引き入れる事は、我々の生存と繁栄に鑑みて手段であり目的でもあるという程度には重要な方針だと考えています。
    Chinaは狂暴なまま強く大きくなり過ぎました。韓国は引き続きこちら側に縛り付けておくべきだと考えますが、アライアンスの一員として期待できるものでもない―少なくともここ15年の韓国を見ていれば期待すること自体が誤りであると考えます。
    在韓米軍と併せた強力な朝鮮半島の陸軍力を代替し、或いは置換し得るパワーを提供する事が必要になりますね。
    敵の機先を制す要害の効果を頼まないとするのならばどうすれば良いか。日本の築城哲学に喩えれば、深く広い堀、厚く高い城壁、そして敵を駆逐するための曲輪を強固に巡らせるのが常道。端的に表すならば、それは豪州から日本を繋ぐ、現代の『万里の長城』とも呼べるものなのだろうと思います。
    特に日本・台湾・フィリピンを結ぶ仮想の線は太平洋への戸口であり絶対に我々の管理下に置いておかねばならず、強力な海軍力を提供し得る日米が共にこの海域で活動できるようにしておかねばならない。
    台湾からは話題が離れますが、他方でPLANの北極海への進出も制限しておかねばならず、しかしクリル諸島(千島列島)とサハリン(樺太)に挟まれた三角形の海域はロシア海軍の聖域であり、ここを手当てしなければ肝心の米国が我々のアライアンスの中で足を引っ張る事にも繋がりかねず、ここも日本が主体的に行動しこの海域でChinaのSSBNを監視し共有する体制を構築していかねばならない。米国は頼れず純粋に日本の能力が試される戦いになり重要です。

    第一段階では台湾をはじめとした西・南太平洋諸国を我々のアライアンスに束ねあげ、西太平洋に鉄壁を築く。
    加えて第二段階として太平洋とインド洋、北極海の全域でイニシアティブを獲り、Chinaを大陸に封じ込める。
    この二段構えで立ち向かっていかねば現状の国際秩序はひっくり返されると、極端な妄想や悲観ではなく考えています。
    そしてこれが最も重要な点ですが、第二次安倍政権は概ね同じ展望と方針を持って戦略を構築しているように見えます。例を挙げればTPPが第一段階、日露平和条約の先に第二段階を、それぞれ描き出すための具体的な行動であると考えています。現状の戦略方針を持ち続ける以上、台湾との関係進展も既定路線であり、近いうちに大きな動きが日本においてもあるのではと感じています。

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  2. 1949年の金門戦役では、中国共産党軍が実際に台湾領に侵攻しています。
    この際、アメリカの支援を得られなかった国民党軍は、旧日本軍の軍事顧問を抱えていました。
    戦後、台湾を守る為に戦った日本人の精神を無駄には出来ません。
    中国は必ず、統一に動いてくるでしょう。名分としての統一も彼らには重要ですが、バシー海峡を手中にする戦略的価値を重視している筈です。そこは日本の生命線であり、台湾に海上戦力を置かれた場合、急所を抑えられた状態に陥ります。
    台湾の外交環境は極めて困難なものですが、中国が力をつけて周辺国を圧迫するようになったことで、チャンスも生まれていると思えます。
    主観でお恥ずかしい限りですが、台湾が台湾島及び周辺諸島のみの主権を主張し、大陸とは別個の独立国として国際社会に認められようとするのなら、中国との共存も不可能ではないでしょう。中国は認めないでしょうが、国際社会の理解は得られます。

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