スキップしてメイン コンテンツに移動

核武装対応F-35の登場で核抑止力の強化を狙う米戦略

F-35が核武装と聞くと一部の勢力が騒ぎ出しそうですが,核装備運用には特殊改装が必要で何も全部のF-35が核武装可能となるわけはないのですが、今後成り行きを注目する必要があります。また核の小型化もすぐ戦場に投入する構想と騒ぐ傾向がありますが、抑止理論を全く理解できない人たちがあちこちにいるのには辟易としますね。Warrior Mavenの記事です。



Mattis: Nuclear-Armed F-35 Can Change "Deterrence" Equation 

マティス長官:核装備F-35で抑止力の構造が変わる

ペンタゴンはF-35の核攻撃力が今回発表された核戦力整備構想のカギとみている。


By Kris Osborn - Managing Editor - Warrior Maven


ンタゴンが「核武装」型F-35の開発を急ぐのは戦略核兵器近代化でロシア、中国、さらに北朝鮮への対抗が急務であるためだ。同時に世界各地で核兵器の脅威が高まっていることも背景にある。
F-35に核運用能力を追加して核の三本柱のうち爆撃機部分のB-2、B-52さらに今後登場するB-21を補強すれば米核攻撃手段に選択肢が広がり、潜在敵国には今までにない圧力となるだろう。
核抑止力でF-35が浮上したのは最近の下院軍事委員会がペンタゴン発表の核戦力検討案 Nuclear Posture Review (NPR)での聴取でだ。
ジェイムズ・マティス国務長官はF-35を米国・NATOによる核抑止力で不可欠な要素と書面で表現している。
「戦闘爆撃機戦力で核・非核両用能力を近代化する中でF-35戦闘機がNATOの抑止力体制やわが方の前方配備戦力の実効性の維持を果たし安全保障上で必要な事態に対応する」と長官は述べている。
マティス長官はF-35が「核運搬能力」手段に浮上してきたのは米核戦力近代化のペースが世界各地の脅威環境の進展にみあっていないことへの深刻な懸念が背景があるとする。
「過去八年間の核運搬手段の近代化でロシア、中国、北朝鮮に米国が後れを取っており、敵側が新型装備合計34種類を開発したのに対し米国は一種類しかない。つまりF-35である」(マティス長官)
国防長官官房はWarrior Mavenに対しF-35の「核運用型」について長官が書面で言及したと認めた。複数報道が国防総省上層部の発言を引用しており、核武装型F-35は遅くとも2020年代初頭に登場するという。F-35はB61核爆弾を搭載するとAir Force Magazineは解説している。
F-35が米核抑止戦略に関与することは理にかなっている。F-35は太平洋に展開中で朝鮮半島で演習に参加している。搭載する兵装、ISR技術や多機能から攻撃の選択肢が幅広くなる。
速度、操縦性、低高度戦闘能力から核武装F-35は新しい形の脅威として潜在敵国に写るはずだ。戦術面でもF-35に長距離センサーや目標捕捉技術があり移動式発射装置の探知破壊に効果を発揮するほか、その他小型移動目標にも有効対応できるはずだ。
F-35は各種兵装の投下テストを完了しており、IM-9X、 AIM-120、 AIM-132、 GBU-12、 JDAM、 JSOW、 SDB-1、ペイヴウェイ IVの運用が可能となったとロッキード・マーティンは説明。核兵器運用がどうなるのかは不明だが、F-35は兵装3,500ポンドの運用がステルスモードで可能であり、ステルスを捨てれば18千ポンドまで搭載できる。
ペンタゴン高官が個別の事態や攻撃想定を口にしたくないのは理解できるが、NPRでは明確に「抑止力」強化として核兵器を率先して使用する姿勢を見せるとしている。
世界の脅威状況を鑑みてNPRでは核兵器オプション二つを急いで実現すべきと訴えている。ひとつは海軍向け巡航核ミサイルの導入だ。「核巡航ミサイルと一部潜水艦発射弾道ミサイルの弾頭改修で低威力核兵器の選択肢を実現することで抑止効果が高まり、敵勢力は限定核攻撃に踏み切っても有利になれずエスカレーションの意味もないことを悟るはずだ」と統合参謀本部副議長ポール・セルヴァ大将 Gen. Paul Selvaが報道陣に語っている。
ペンタゴン上層部はNPRの提言で新型核兵器開発にむかうわけではなく、核兵器の全体数を増やすわけではないと強調する。NPRの提言通りに整備を行っても米国の核不拡散方針に反するものではないとDoDは強調。
マティス長官はじめ上層部はNPRの戦略アプローチで矛盾が生まれることは承知しているようだ。議会から低出力核兵器を新規投入すれば核戦争の「閾値が下がり」、危険が逆に増すとの指摘がある。マティス長官は議会に対して核攻撃力を増強すれば逆の効果が生まれるとし、核兵器増備で抑止効果が上がるので平和が維持できると主張。
具体的にはマティス長官は潜水艦発射弾道ミサイルを低出力化することがロシアに圧力となりINF条約の違反状態を改善する交渉に応じるはずだとする。
「ロシアのINF違反は把握しており、交渉でロシアに条約順守に戻らせたい」(マティス長官)
こうした戦略面と別にマティス長官はNPRでは核兵器投入は最も極端な事態に限定されていると強調し、「核兵器投入は戦略面を一変させる。核抑止力は慎重に取り扱うべきだ」と述べた。
敵防空装備が急速に高性能化していることをあげて、マティス長官は海から発射する巡航ミサイルが敵に脅威を与えるため必要で空中投下型の低出力兵器の投入が困難な場合に有効な選択肢になると述べている。
「重力投下型爆弾が低出力だと爆撃機は敵防空網を突破する必要があるが、現在の防空網は20年前から大きく変わっている」(マティス)
例としてロシアのS-400さらに登場しつつあるS-500には各種周波数を使い従来より遠距離で航空機探知の能力がある。高速コンピュータ処理とデジタルネットワークで各地の防空装備をつなぎ、広範囲で標的に対応できる。
またペンタゴンが進めたい新型核搭載空中発射式巡航ミサイルの長距離スタンドオフ兵器(LRSO)が注目される。核巡航ミサイルは爆撃機が対応できない敵のハイテク防衛網があっても敵攻撃が期待されるからだ。
LRSO批判派はLRSO導入で核兵器使用の可能性が「不安定化」すると主張。空軍兵器開発部門の関係者はWarrior Mavenに抑止力を強調しながら新型LRSOを追加すれば逆に「安定化」効果が期待できる、つまり敵が先制攻撃をためらう効果が期待できると述べている。
NPR推進派は核戦力強化が必要なのは現在の脅威環境で疑いなく核を投入する武力衝突の可能性が高まっているためと主張。

「敵対勢力の考え方が核兵器で変化していることに懸念しています。核兵器に一層信頼を置き、ロシアの核ドクトリンでは『逆エスカレーションのためにエスカレーションする』と言っています」とジョン・ルード John Rood国防次官(政策担当)が報道陣に語っている。■

コメント

コメントを投稿

このブログの人気の投稿

★★航空自衛隊F-15新規改修の方向性が見えてきた

US government, Boeing to help Japan upgrade missile, electronic warfare capabilities for F-15 jets 米政府、ボーイングが日本のF-15改修を助け、ミサイル搭載本数、電子戦能力の向上をめざす

By: Mike Yeo https://www.defensenews.com/digital-show-dailies/japan-aerospace/2018/11/30/us-government-boeing-to-help-japan-upgrade-missile-electronic-warfare-capabilities-for-f-15-jets/

ボーイングが発表したF-152040Cミサイル搭載本数増加版の想像図 (Courtesy of Boeing)日本がF-15イーグル戦闘機の改修を企画中で米国政府、ボーイングの支援を想定と防衛省関係者が語った。 宇野 茂行(防衛政策局防衛政策課主席次長)は米国・ボーイングは海外軍事販売制度を使う想定で日本国内の防衛産業も加わるとDefense Newsに語った。 防衛省はでF-15J/DJのうち2機の改修予算を概算要求89百万ドルとしているが、これが今後の改修作業の原型となるのだろう。さらに386.7百万ドルを経常外予算で要求している。 改修で「新型電子戦装備で周辺国の能力向上に対応する」とある。また搭載ミサイルの本数を増やすねらいもあり、AGM-158共用空対地スタンドオフミサイル等のスタンドオフ兵器搭載も可能となる。 ボーイングは日本国際宇宙展でF-15高性能版の模型を展示した。現行F-15は最大8発搭載仕様だが、大幅に増える。 View image on Twitter Mike Yeo 杨启铭@TheBaseLeg

★★日本をファイブアイズに加盟させるべき、という主張をが主要シンクタンから発表されました......ク

ファイブアイズに日本も加われるのか、小泉元首相時代にも要望があったと覚えておりますが却下されていましたね。それから日本の体制や考え方に変化が着実に起こっており、今回は期待できそうですね。ただし旧民主党のように米国の信頼を自ら損ねるような自殺行為が今後発生しなければの話ですが。お金だけ払って肝心な情報はもらえないという屈辱的な立場は過去のものとなるでしょうか。

New Report Suggests Closer Integration With Japan, Including Addition to ‘5 Eyes’ Intel Sharing新規報告書が今以上に緊密な日本との関係を提言し、「ファイブアイズ」情報共有体制への加入も認めるべきと主張By: John GradyOctober 3, 2018 3:02 PM https://news.usni.org/2018/10/03/new-report-suggests-closer-integration-with-japan-including-addition-to-5-eyes-intel-sharing

米海軍のP-8Aポセイドン(哨戒飛行隊(VP)5所属)が最新の日本製哨戒機川崎P-1と並んで姿を見せた。2014年11月。VP-5は前方配備として第7艦隊隷下にあり、広域対潜戦や海上自衛隊との共同作戦の実施体制向上にあたっている。US Navy photo.

日本を「ファイブアイズ」情報共有ネットワークに参加させるべきとの報告書が発表された。その他提言とともに米国と最も近い関係の同盟国のひとつとして日本を組み入れるべきとする。

国際戦略研究所Center for International and Strategic Studiesにおいて10月3日、リチャード・アーミテージ Richard Armitage大使が作成者の一人として「両国はかなり進展している」と米日間での情報共有の現状を語った。【ファイブアイズ」とは米国、英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドを指し、対潜戦、宇宙画像、ミサイル防衛などで最大度の機密情報を共有している。

アーミテージによれば日本は「米国同盟国の中で最も有能」であり「世界で最重要な地域の中」に位置する。自衛隊はここ数年装備を大きく拡充して独自の情報収集・指揮統制機能を向上さ…

★★★F-3開発:急浮上したF-22生産再開提案は日本に費用負担大半を求める内容

降ってわいたようなこの話ですが、前からF-22生産再開の話はあり、日本の影もちらちらしていました。虫のいい話に聞こえますが、日本にはF-2事案でも苦い思いをした経験もあり、F-3国産開発で進んできたのですが、いよいよ今年中ともいわれる方針決定の段階で考慮すべき点は多く、以下の内容にも一定の長所はあるように思われます。実現するかは微妙ですが、貿易収支、米国の動向もにらむと可能性が皆無とも思われません。実現するとすればイスラエルも関与すべきと考えますが、皆さんはどう思いますか。
Lockheed Should Restart the Raptor Line If Japan Wants An F-22-F-35 Hybrid日本向けF-22-F-35ハイブリッド新型機が実現すればロッキードはラプター生産ラインを再開する構えGeopolitical trends, security concerns, and industrial and combat aircraft capability needs, could give birth to an American-Japanese Raptor 2.地政学、安全保障、産業構造、戦闘機ニーズを考慮すると日米共同のラプター2.0が実現する可能性が浮上BY TYLER ROGOWAYAPRIL 20, 2018 http://www.thedrive.com/the-war-zone/20288/japans-interest-in-an-f-22-f-35-hybrid-could-mean-a-restart-for-f-22-production-line
OSAKABE YASUO

ロッキード・マーティンと日本産業界共同でF-35ライトニングとF-22ラプターの長所を組み合わせた準国産戦闘機を開発する構想に関心が日本の関心を集めていいるとのロイター報道にThe War Zoneはさして驚かされていない。 以下ロイター電の抜粋だ。 「ロッキードは日本防衛省と協議を終え日本の情報開示請求(RFI)に対応した正式提案を機微軍事技術公開に関する米政府承認の後に提出する準備に入った。提案内容に詳しい筋から直接この内容が判明した。 高度機密航空機設計内容・ソフトウェアの公開を認める決定が下れば日本は中国軍事力に対する優位性を実現し、ドナル…