スキップしてメイン コンテンツに移動

お粗末、トランプ訪中で核フットボール管理の米軍補佐官官の人民大会堂入場を拒もうとした中国

お粗末な話ですが、これが「大国」のレベルなのでしょうか。核抑止力の重要な要素に絡むだけに米側もピリピリしている感が伝わってきます。米国がなんでも米国のやり方を押し通すのに我慢ができないのはわかりますが、子供のいじめではあるまいし、あまりにお粗末ですね。中国が「成熟」するのには時間がかかり、また成熟の定義が世界の常識からかけ離れているのが問題なのですが。


Confusion Surrounds Confrontation With Nuclear Football During Trump's Beijing Visit トランプ大統領の訪中で核のフットボールをめぐる深刻な対立があった

The US Secret Service says no one got "tackled," but has not denied that an incident occurred while Trump was in China in November 2017.

米シークレットサービスは誰も「タックル」していないと語るが、トランプ大統領の11月の中国訪問中に事件があったと認める



BY JOSEPH TREVITHICKFEBRUARY 19, 2018
OLIVIER DOULIERY/ABACA/SIPA VIA AP


しく浮上した報道でホワイトハウス主席補佐官ジョン・ケリーと氏名不詳のシークレットサービス係官が中国保安部院といわゆる「核のフットボール」、アルミ製ゼロハリバートンブリーフケース内の安全通信装置をめぐり身体的な騒動を起こしていたことがわかった。この装置は米国大統領が核攻撃をいかなる場所からでも命じるために必要な装置。シークレットサービスは大統領の2017年訪中で発生した対立の間だれも「タックル」していないと述べ、事件が発生してないとは言っていない。
 2018年2月18日、Axiosが匿名取材源からこの事件を報じ、それによれば2017年11月9日、トランプ大統領が北京に滞在中に大統領随行員一行が人民大会堂に入ろうとしたところ中国側保安要員がフットボールを携行した米軍補佐官の入場を阻もうとした、理由は不明だ。軍補佐官は常時大統領のそばにいることが求められる。
 退役海兵隊大将ケリーは隣室にいたが何事かと急いで現場に出て指揮をとろうとした。軍事補佐官に鋭く命じ他の要員とそのまま入場するよう求めた。
 口喧嘩が過熱し中国保安要員はケリーの腕をつかみ遠ざけようとした。Axiosでは付近にいたシークレットサービス要員がその中国保安要員にタックルをかけたとあり、米高官に危険が迫った際の標準行動をとったことになる。


OLIVER CONTRERAS/SIPA USA VIA AP
ジョン・ケリー主席ホワイトハウス補佐官.


「ファクトチェック:シークレットサービス係官が大統領の2017年訪中時に訪問国関係者をタックルしたとの報道は誤り」と米シークレットサービスは公式ツイッターで2018年2月19日に書いている。この声明文の表現から事件はAxoisの取材源が使った表現より穏やかだったとわかるが、大統領随行員の人民大会堂入場を認めるかでひと悶着がなかったとは言っていない。
 これに対してAxiosはフットボール携帯の役目の補参官は終始黒塗りブリーフケースをしっかり管理しており、冷静な雰囲気が戻り事態はすぐに落ち着いたという。中国側は陳謝し、両国関係者はこの件は公表しないことで一致したという。


FACT CHECK: Reports about Secret Service agents tackling a host nation official during the President’s trip to China in Nov 2017 are false


 乱闘にならなかったとはいえ、フットボール携行の係官がトランプ大統領に随行することの是非が話題となった。キューバミサイル危機にさかのぼり、カバンの中身は変更されているが正式名称「大統領緊急時鞄」は歴代大統領の行くところ必ずそこにあり、核抑止力の信頼度を保証し、核攻撃の大掛かりな手順の一部としてフェイルセイフとなり、「政府機能継続」のカギにもなっている。
 大統領専用機エアフォースワンには独自の指揮統制機能があり、核戦略指揮統制機、安全地下壕他各種手段で政府高官の退避でも緊急時対応を確実にしている。その考え方は奇襲攻撃を米国に仕掛けても米政府の無力化は不可能であり大量報復攻撃を止めることはできないと敵勢力にわからせることにある。
SMITHSONIAN/JAMIE CHUNG
依然使われていたフットボールはスミソニアン博物館の米歴史コレクションとして展示されている
 鞄を実際に使うには大統領が常時携帯するカード「ビスケット」からコード入力で本人確認する必要がある。これで装置とリンクが国家軍事指揮センター(ペンタゴン内)と確立され、あるいは地上が破壊されればE-6BかE-4B空中指揮所になるかもしれない。そして核攻撃を事前設定の攻撃オプションの「メニュー」から命令する。メニューは米軍が用意する。フットボールを持ち運ぶ軍事補佐官の助言が出る場合もあろう。補佐官はいずれかの軍から派遣されるO-4以上の階級の将校(佐官)で手順とともに実施した場合の効果に通暁している。
 ジミー・カーター大統領が選択肢方式を求めたといわれるのは核兵器による最良の対応策を検討する時間が極めて限られるためだ。ミサイルが飛来する場合は15分しかない。鞄の中にミサイル発射を即座に実行する「赤い巨大ボタン」はない。
 大統領が核攻撃を命じる場合の詳細手順は以下を参照願いたい。
 フットボールとその管理者の話題がトランプ政権で出るのは今回が初めてではない。2017年2月、大統領就任直後に大統領のフロリダ別荘マーアラゴで招待客のリチャード・デアガジオが撮影した写真に写った米軍の「リック」が例の鞄を持っており、ソーシャルメディアで話題に上った。デアガジオは別荘で安倍晋三首相との食事テーブルで大統領が北朝鮮ミサイル試験の機密文書らしきものを眺める物議をかもした写真も撮影した人である。
 今回浮上した中国事件では中国係官がトランプ大統領随行員の人民大会堂入場を阻止した理由が不明だ。米政府は事前に保安関係の打ち合わせを中国担当者と行っているはずで、大統領訪問で常時実施されている。
 一方あるいは双方がプロトコールと手順に混乱したことが考えられ、人民大会堂にトランプの後に入るべき関係者がだれかで混乱があったのか。あるいは米側代表団への妨害を誰かが意図的に企画した可能性もある。
 昨年の訪中前にトランプは北朝鮮への核攻撃を匂わせながら中国政府の圧力が不十分と非難していた。
 米政府は北朝鮮の制裁逃れを助けているとして中国企業・人物を公式非難していた。まあタ米政府は北朝鮮が中国の港湾や運送機能を使って禁輸をすり抜けていることを監視し、大問題だと提起している。
 だが中国側が米大統領訪問でプロトコールや手順で冷遇するのは今回が初事例ではない。バラク・オバマ大統領がG-20サミットで杭州に到着した2016年9月、大統領は儀式ばった降機をせずエアフォースワンの下部扉から降りている。タラップ車両をめぐる対立が理由はだった。
IMAGINECHINA VIA AP
2016年G-20杭州サミットに到着したバラク・オバマ大統領がエアフォースワンを機体装備のタラップで降機している。


 米大統領の国際歴訪で米政府は独自にタラップ車両を現地に先行して送りエアフォースワン乗客の降機を行う。中国も当初はこれを受け入れたが、土壇場で心変わりした。
 米側保安担当は現地のタラップ運用業者が英語を解さないことに不満を覚え、中国側は英中バイリンガル業者の紹介を拒否した。結局中国側が折れて米要望通り米国製装備の使用を認めたが、その時点でエアフォースワンは着陸寸前だったので結局、機体装備を使った。
 「ここはわが国でここはわが国の空港だ」と中国関係者が声を張り上げて主張したといわれる。オバマ大統領一行が空港を離陸した直後のことだ。中国国営メディアはその後米政府と米メディアが単なる誤解をわざわざ取り上げたと批判したが、実態は意図した嫌がらせだったとの見方が強い。オバマ政権は中国に各方面で批判を加えており、南シナ海広域での領有権主張や人権問題もその例だ。
 トランプの大統領就任後の中国関連発言は硬軟取り混ぜているが、北朝鮮関連でこの傾向が強く、特に中国による交易へ風当たりを強めている。2018年1月には中国製洗濯機、太陽光パネルで保護主義の色彩が強い輸入課徴金の適用を発表しており、鉄鋼製品にも適用を狙っている。
 また新たに打ち出した国家安全保障・国防戦略ではともに中国を政治経済上の主要敵国と位置づけ核戦力検討案ではわざわざ中国に項目を割き、中国への抑止力を強調している。太平洋地区での米軍プレゼンス強化は中国の軍事力整備をにらんでおり、ハリー・ハリス海軍大将を太平洋軍総司令官から次期駐豪大使に任命したばかりでもある。
今後もそのため訪中で低レベルながら同様のプロトコールをめぐる言いがかりが繰り返されると予期すべきだ。だがジョン・ケリーや誰にせよ核のフットボールの現場で中国関係者が乱闘を仕掛ける状況を目にすることがないよう望みたいものだ。■

Contact the author: jtrevithickpr@gmail.com

コメント

このブログの人気の投稿

★★航空自衛隊F-15新規改修の方向性が見えてきた

US government, Boeing to help Japan upgrade missile, electronic warfare capabilities for F-15 jets 米政府、ボーイングが日本のF-15改修を助け、ミサイル搭載本数、電子戦能力の向上をめざす

By: Mike Yeo https://www.defensenews.com/digital-show-dailies/japan-aerospace/2018/11/30/us-government-boeing-to-help-japan-upgrade-missile-electronic-warfare-capabilities-for-f-15-jets/

ボーイングが発表したF-152040Cミサイル搭載本数増加版の想像図 (Courtesy of Boeing)日本がF-15イーグル戦闘機の改修を企画中で米国政府、ボーイングの支援を想定と防衛省関係者が語った。 宇野 茂行(防衛政策局防衛政策課主席次長)は米国・ボーイングは海外軍事販売制度を使う想定で日本国内の防衛産業も加わるとDefense Newsに語った。 防衛省はでF-15J/DJのうち2機の改修予算を概算要求89百万ドルとしているが、これが今後の改修作業の原型となるのだろう。さらに386.7百万ドルを経常外予算で要求している。 改修で「新型電子戦装備で周辺国の能力向上に対応する」とある。また搭載ミサイルの本数を増やすねらいもあり、AGM-158共用空対地スタンドオフミサイル等のスタンドオフ兵器搭載も可能となる。 ボーイングは日本国際宇宙展でF-15高性能版の模型を展示した。現行F-15は最大8発搭載仕様だが、大幅に増える。 View image on Twitter Mike Yeo 杨启铭@TheBaseLeg

★★★F-3開発:急浮上したF-22生産再開提案は日本に費用負担大半を求める内容

降ってわいたようなこの話ですが、前からF-22生産再開の話はあり、日本の影もちらちらしていました。虫のいい話に聞こえますが、日本にはF-2事案でも苦い思いをした経験もあり、F-3国産開発で進んできたのですが、いよいよ今年中ともいわれる方針決定の段階で考慮すべき点は多く、以下の内容にも一定の長所はあるように思われます。実現するかは微妙ですが、貿易収支、米国の動向もにらむと可能性が皆無とも思われません。実現するとすればイスラエルも関与すべきと考えますが、皆さんはどう思いますか。
Lockheed Should Restart the Raptor Line If Japan Wants An F-22-F-35 Hybrid日本向けF-22-F-35ハイブリッド新型機が実現すればロッキードはラプター生産ラインを再開する構えGeopolitical trends, security concerns, and industrial and combat aircraft capability needs, could give birth to an American-Japanese Raptor 2.地政学、安全保障、産業構造、戦闘機ニーズを考慮すると日米共同のラプター2.0が実現する可能性が浮上BY TYLER ROGOWAYAPRIL 20, 2018 http://www.thedrive.com/the-war-zone/20288/japans-interest-in-an-f-22-f-35-hybrid-could-mean-a-restart-for-f-22-production-line
OSAKABE YASUO

ロッキード・マーティンと日本産業界共同でF-35ライトニングとF-22ラプターの長所を組み合わせた準国産戦闘機を開発する構想に関心が日本の関心を集めていいるとのロイター報道にThe War Zoneはさして驚かされていない。 以下ロイター電の抜粋だ。 「ロッキードは日本防衛省と協議を終え日本の情報開示請求(RFI)に対応した正式提案を機微軍事技術公開に関する米政府承認の後に提出する準備に入った。提案内容に詳しい筋から直接この内容が判明した。 高度機密航空機設計内容・ソフトウェアの公開を認める決定が下れば日本は中国軍事力に対する優位性を実現し、ドナル…

★★潜水艦が一隻も使えないのはドイツ連邦軍の問題の氷山の一角だ

几帳面がドイツでこうなっているとは意外な気もしますが、国防省の官僚的体質が災いのもとなのでしょうか。ドイツの安全保障に対する価値観にはやはり大戦中のトラウマがあるのでしょうか。日本はこの数年で意識がかわりつつあるのですがね。ドイツ国民に軍事アレルギーや防衛で主導的な立場を忌避する傾向があるのでしょうか。
Germany Does Not Have One Working Submarineドイツに作戦投入可能な潜水艦が一隻もない事態 Sebastien Roblin December 16, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/germany-does-not-have-one-working-submarine-23688?page=show

今年10月15日、ドイツ潜水艦U-35がノルウェー沖で潜航しようとしたところ、x字形の潜航舵が岩礁とぶつかり、損傷が甚大で単独帰港できなくなった。ドイツ国防軍広報官ヨハネス・ドゥムレセ大佐 Capt. Johannes Dumrese はドイツ国内誌でU-35事故で異例の結果が生まれたと語っている。紙の上ではドイツ海軍に高性能大気非依存型推進式212A型潜水艦6隻が在籍し、各艦は二週間以上超静粛潜航を継続できることになっている。だがドイツ海軍に作戦投入可能な潜水艦が一隻もない。Uボートの大量投入による潜水艦作戦を初めて実用化したのがドイツ海軍で、連合国を二回の大戦で苦しめた。今日のUボート部隊はバルト海の防衛任務が主で規模もに小さい。212A型は水素燃料電池で二週間潜航でき、ディーゼル艦の数日間から飛躍的に伸びた。理論上はドイツ潜水艦はステルス短距離制海任務や情報収集に最適な装備で、コストは米原子力潜水艦の四分の一程度だ。ただし、同型初号艦U-31は2014年から稼働不能のままで修理は2017年12月に完了予定だが再配備に公試数か月が必要だ。U-32は2017年7月にノルウェー回航中にバッテリーが使えなくなった。修理用船台が空かず、U-34が次の順番を待つ中で修理のめどがつかない。U-33は2018年2月まで整備中でその後公試に三四か月かかる。U-35の姉妹艦U-36は2017年10月に就役し、作戦投入可能は2018年5月だ。なぜここまで時間がかかるのか。冷戦終結後のドイツ海…