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シリアで化学兵器投入の兆候、ふたたびシリア懲罰攻撃が話題に上るのか

気になるニュースです。シリアで化学兵器が投入されているようです。昨年、懲罰的に米海軍がトマホークミサイルを撃ち込んだのですが、平気でうそをつく政権には何も答えていなかったようです。ロイター記事をビジネスインサイダーが掲載しています。



Disturbing video shows what Syrian rescue workers say is another chlorine gas attack

シリアで塩素ガス攻撃が再度実施された模様
Reuters
Chlorine gas Idlib Syria
シリアのイドリブ地方で塩素攻撃を受けた被害者。 Screenshot/Twitter via White Helmets
  • 救援スタッフや医師団によれば少なくとも9名がイドリブ地方のサラケブに投下された塩素ガスで負傷した。
  • 救援スタッフ、医師団は政府軍が塩素ガスを首都ダマスカス近郊ゴウタの反乱勢力拠点にも投入したと非難。1月に三回投下された。
  • ドイツ政府がイドリブ、東ゴウタでの化学兵器投入の完全調査を求めている。
リア北西部で化学薬品が空中投下され住民少なくとも9名が呼吸困難を訴えている。救援スタッフ、医師団が2月5日に発表した。
シリアアメリカ医療学会(SAMS)はシリア国内の病院運営を援助する慈善団体で所属医師団がイドリブで患者11名で「塩素使用を示す症状」ガ見つけたと発表。
ホワイトヘルメッツ民間防衛団体の化学兵器チームはロイターに9名中3名で「呼吸困難障害」が見つかったと伝えている。
化学ガスを封印したドラム缶二個が4日夜にヘリコプターから投下されたとも言っている。
シリア政府は化学兵器の投入を一貫して否定し、今年で8年目になる。
日曜日夜にシリアのイドリブ地方で反乱勢力が占拠する市町村で空襲が激化したが、前日に反乱勢力がロシア軍用機を撃墜しパイロットを殺害していた。
シリア大統領バシャール・アサドはロシア空軍力とイラン支援を受けた武装勢力に助けられシリア全土の統治奪回を目指している。シリア政府と支援勢力が北西部の反乱勢力支配地区に進軍を強めている。
英国に本拠を置くシリア人権監視団によればヘリコプター攻撃後に呼吸困難症状数件が見つかっている。
救援チームと医師団は政府軍が塩素ガスを首都ダマスカス近郊東ゴウタ地区の反乱勢力に投下したと非難しており、先月は三回の攻撃があったという。
シリアは2013年に化学兵器放棄で合意していた。国連と化学兵器禁止機関(OPCW)の共同調査はシリア政府が神経ガスサリンを使用し、塩素も兵器として数回使用したと二年前に突き止めた。イスラム国集団も硫黄マスタードを使用している。
ドイツ政府は5日にシリアがイドリブ、東ゴウタで化学兵器を使った事実を完全調査するよう求めた。「シリア政府が再度化学兵器を投入したと判明した。嫌悪すべき行為であり、道義上も化学兵器禁止義務違反として言語道断」とドイツ外務省が発表した。
国防長官ジム・マティスはシリア政府が繰り返し塩素を兵器使用しており、米政府はサリンガスの投入可能性を懸念していると先週発言した。■

これはまずい。シリア政府は昨年の米国の突然の攻撃から何も学んでいないのでしょうか。そもそも約束を守らないこと自体が信義上問題なのですが、世界には約束を約束として守らなくてもいい風潮があるのでしょうか。日本にはシリアは遠い世界の話と理解されがちですが、米ロがにらみ合い、イランの影が見え隠れする看過できない問題であることはあきらかです。多様な視点を維持しておきたいものです。

コメント

  1. シリア報道は体制派・反体制派に関わらず、激しい情報戦の坩堝です。
    そして反体制派が政権側の攻勢を受けて劣勢になると取りざたされるのが、反体制派発の「政府軍による化学兵器使用」騒動です。アレッポ攻防戦でも反体制側が劣勢になって政権側による塩素ガスの使用が何度も取りざたされましたが、そのプラントをついこの間まで制圧していたのが反体制側だったということがありました。
    ハーン・シャイフンの一件では、反体制派の攻勢で政権側が次々に失地し、政権側が漸く対抗部隊を用意して失地を回復し始め、それが軌道に乗った矢先の化学兵器使用騒動でした。

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  2. >米ロがにらみ合い、イランの影が
    >見え隠れする看過できない問題であることはあきらかです

    そうは言っても「主権」があるのだろう。
    シリア政府の主権によりロシア軍はシリアで展開しているわけだが
    アメリカ等はそのシリアの主権を無視してシリアで展開。
    シリア政府は当初からアメリカ等を
    主権侵害(国際法違反)だと非難している。同じように
    ロシアはウクライナでウクライナの主権を無視して
    分離主義的な勢力に支援をしたのでロシアに
    アメリカを責める資格はないがな。
    他の記事も見渡してみたがアンタ一方に肩入れしすぎ。
    翻訳記事が貴重でも記事内では多分に政治的志向が
    見て取れるからウザいことこの上ない。

    返信削除
  3. >多様な視点を維持しておきたいものです。

    様々な記事では介入主義的な
    ネオコン思想しか見て取れないですけど
    言葉だけですか。

    >世界には約束を約束として守らなくてもいい風潮がある

    多大な責任が掛かる鏡たる世界のアメリカが
    ほんの十数年前に某国で「大量破壊兵器がある」等と
    言い張って攻め入りましたからね。其の後のカオスも
    相俟って一体何人死んだと思っているのやら。
    死者数という数の上ではフセインが
    統治した方が圧倒的に少なかったはず。

    返信削除
  4. >世界には約束を約束として守らなくてもいい風潮がある

    アメリカが守護して止まないイスラエルは
    先進国側の声も聴かずに違法な入植地活動を
    続けたりで法の軽視にも程があります。
    あとブログ主は至る所で「国境線で考えるな」等と
    主張しているが正当防衛が「無罪」でも
    過剰防衛は「有罪」だということをお忘れなきよう。
    これは何処の国にも言えるのだが
    拡大解釈していくと切りがないんですよ。
    拡大解釈が過ぎれば法も国連も全くの無意味。
    俺が法律だ、とばかりに行動していく。

    主権を盾に行動するシリア政府。シリア政府の承認を得て
    それを盾に活動するロシア政府。主権を盾にクルドを
    攻撃するトルコ政府。人権を盾に行動するクルド人。
    人道を盾にクルド勢力を支援するアメリカ政府。かと思えば
    「シリア政府と対立しようとは思ってない」等と
    報道官が平気で言う。面取り合戦。それ以上でも以下でもない。
    そこに「自由」やら「民主主義」が付随(味付け)されていく。

    でも己に有利にさせたいという動機自体は変わりない。
    それが端的に表されているのがCIAの中南米やイランでの活動。
    今はそうでもないが以前は目的の為なら手段は選ばず
    という考えの下、他国で散々違法なことに手を染めていた。

    クルドの話に戻しますがドイツは国内に
    数百万のトルコ人を抱えているので批判どころか
    トルコの主権問題だとして理解するような声すら出る始末。

    アメリカも地域の大国でNATO加盟国で
    ロシアへの楔にある程度有効なトルコの手前
    アフリン(クルドの飛び地)くらいなら手放す覚悟。
    トルコによるシリア(クルド地域)侵攻での死者数は
    大したことないけどただ実際に人が
    何百人も死んでいる事実があるんですよ。

    一体どこに正義があるんですかね。
    シリアでの各国の動きは化けの皮が剥がれまくりですね。

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