レイルガンが技術的に難航する間にレイルガンで使うはずだった新型砲弾が先に実用化されそうです。既存の砲で超高速射撃を実現する技術はよくわからないのですがこれが採用されれば瓢箪から駒みたいな話になりますね。レイルガンの大電力が不要でこれなら既存の艦船でも敷居が低いですね。ペンタゴンが技術の実用化を目的にこれまでと違うアプローチをとっていることがわかります。
Navy Revamps Destroyer 5-inch Guns - Pursues Hypervelocity Projectile 米海軍駆逐艦主砲を超高速砲弾で戦力アップ
米海軍は艦載5インチ砲Mk 45の戦闘威力を向上すべく長距離射程超高速砲弾の導入を進める。
海軍研究局は次世代海軍戦力開発事業で超高速射出砲弾(HVP)技術の成熟化を急いでおり、5インチ砲の射程を延長するのが狙いと海軍海上システムズ本部のコリーン・オルークが説明してくれた。
アップグレードしたMk 45砲は海上目標以外に陸上も攻撃可能で今後の技術進展で無人機、ヘリコプターやミサイルを撃破できるようになる。
ただし現行の5インチ砲では最大射程は13から15マイル程度で無誘導砲弾に精度がないため標的撃破に連続発射する必要がある。
Mod 4へアップグレードで砲座強化とともに高性能電子機能が加わる。作業はBAEシステムズが受注した。
「砲座が強化され50%強いエネルギーに耐えられ砲弾の射出速度を早くでき射程も伸びます。完全デジタル制御でタッチスクリーン操作になります」とBAEシステムは説明している。
海軍によれば民生電子産業の小型化技術とコンピュータ制御で共通誘導砲弾を現行5インチ砲や将来登場する高速度射出砲で同時に使えるようになるという。
もともと電磁レイルガン用の砲弾として想定されたHVP超高速発射弾に別の用途が可能。HVPの速度はレイルガンから毎秒2千メートルと通常火砲の三倍になる。
毎分10発発射が可能で時速5,600マイルになるので運動エネルギーだけで破壊でき、爆発分は不要だ。
HVPはレイルガンと別に開発が進み5インチ砲搭載も視野に入れる。
速度、射程、発射回数を正確に制御できるHVPの5インチ砲での運用はまだ開発途中だが実現すれば今までと全く違う効果が生まれそうだ。
5インチ砲の有効射程が伸びる。HVPの速度があれば指揮官に遠距離対応の迅速な攻撃手段となる。砲弾は攻撃防御両方に使え、敵の対艦ミサイル、陸上目標に加え艦船攻撃にも有効だ。
運動エネルギーを武器とする超高速弾は装備の補給面でも有利となり低価格効果も期待できる。
艦内に大量の砲弾を貯蔵できる。同様の効果はミサイルでも可能だが、HVPは一発25千ドルで調達できる。
HVPは新技術を既存兵装へ統合すし、次世代装備技術をこれまでより早く既存装備に反映させルペンタゴンのねらいのひとつで、成熟化まで何年も待つ状態を回避することだ。この考え方でアシュトン・カーター前国防長官が戦略戦力整備室Strategic Capabilities Officeを創設した。
このSCOが陸軍りゅう弾砲でHVPの発射テストを行った。■
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