スキップしてメイン コンテンツに移動

中国、ロシアが日本の国家主権領土を脅かす頻度が増えている

China's military is turning its aggressive South China Sea tactics on Japan 中国軍が南シナ海並みの行動を日本に向けてきた
Chinese submarine in Senkaku waters
商級(093型)原子力攻撃潜水艦が尖閣諸島沖の日本の接続水域を航行した。


中国、ロシアがそれぞれ日本の領海領空へ艦船・航空機を差し向けてきており、勢いに衰えるきざしがない。
中国の南シナ海での活動は従来から監視されており、五か国が領有権を主張する海域で対立がみられるが、東シナ海では日本との対立があるもののはるかに穏やかだった。
日中間の対立の焦点が尖閣諸島で中国が釣魚諸島と呼ぶ同地は日本が実効支配する無人島の集まりだ。
ハドソン研究所政治軍事研究センター所長リチャード・ワイツRichard Weitzは中国の狙いは「自国の主張を押し付けること」で対立する海域や空域で諸外国には中国の管制に従わさせることと解説する。
ロシアの関心は「日本国内での米軍活動の監視」だとワイツは言う。日本はロシアと千島列島をめぐる問題も抱え、そもそもは第二次大戦でソ連が占拠している問題だ。
現時点でロシアと中国が太平洋での活動で調整協議している兆候はないが、いつ変わるかわからないとワイツは注意喚起している。米国が介入しすれば両国は接近するだろう。
ロシアが国力を回復し北にあり、核武装した北朝鮮が西に、強力になる一方の中国が南西にと、日本は閉鎖感を強めている。
中国は「現状の変更」を狙う
JASDF dataA map showing the routes of Chinese (red) and Russian (yellow) aircraft. The Japanese Ministry of Defense labels the Kuril Islands (north-west corner) as part of Japan, but they are under de facto control of RussiaJapanese Ministry of Defense
中国は2018年の幕開けに尖閣諸島の接続水域侵入を実施した。
人民解放軍海軍所属の054型フリゲート艦一隻と商級原子力攻撃型潜水艦一隻が投入され以前の侵入事案とは違う形になった。
これまでの沿岸警備隊所属ではなくフリゲートはPLAN所属の軍艦であり、中国が同水域に潜水艦を送ったのは今回が初めてだ。
日本政府の集計では中国の海空の活動が2012年から急増し、それ以前はほぼゼロだとわかる。
Japan coast guard water violationsA chart from the Japanese Ministry of Foreign Affairs showing the amount of times the JCG and JMSDF were sent to intercept Chinese ships. Japanese Ministry of Foreign Affairs
防衛省によれば航空自衛隊のスクランブル出撃のうち昨年4月1日から9月30日まで中国機対応が51%だった。また中国が一層粗暴な動きを示している。
2017年8月にはH-6K爆撃機が太平洋から紀伊半島まで初めて飛行してきた。同機は核兵器運用が可能だ。この事案に日本が抗議すると中国政府は居丈高に日本に「事態に慣れろ」と言ってきた。
中国の活動が活発になってきたのは同国の軍事装備近代化の進展の裏返しだろう。「中国は既存秩序の変更をこれまでより求めているのです」(ワイツ)
国際戦略研究センター主任研究員ザック・クーパーZack Cooperは中国がこれ以上の大胆な行動をとれないとし、日米同盟とともに自衛隊が優勢なためとする。
日本が外国による攻撃を受けた場合あh米国に日本防衛の義務がある。このため中国も大規模な挑発行為の一歩手前で止めざるを得ない。「日米同盟が存在しなったら中国はもっと強硬策に出ていたはず」(クーパー)
ただしクーパーは「このまま中国が軍事近代化を進めると軍事面で日本を追い越すのは時間の問題と日米両国はみている」と言う。
それまでは中国は国境近くまで接近を続けるだろうが米国の神経はさk建てさせないはずだ。.
「現時点の中国の戦略は理屈にかなっている」とワイツはいい、中国は「戦力増強を続け日本に圧力をかけ続ける」その目標は「ゆっくり時間をかけ中国に都合の良い状況に変えていくこと」だ。
ロシアが冷戦時水準に復帰
Russian TU 95 bomber over JapanA Russian Tu-95 bomber flying near the island of Hokkaido photographed by JASDF pilots, October 29, 2017.Japanese Ministry of Defense
北ではロシアが太平洋艦隊を増強中で最新の弾道ミサイル潜水艦ボレイ級全三隻のうち二隻が太平世艦隊所属だ。
さらに攻撃型潜水艦最新鋭のヤーセン級を太平洋に回航する予定がある。同艦が完成した後でだが、ロシア海軍でもまだ二隻しかない艦だ。
空では航空自衛隊の昨年上半期スクランブルの48%がロシア機対応だった。ロシア機の平井も増えており、2017年は前年より86回増加した。
ロシアも日本近くまでTu-95/142爆撃機やIl-38スパイ機を飛ばしており、航空自衛隊が中国機同様にロシアも戦闘機を飛ばすのを目視している。
日本は防衛力整備と改憲に向かう
Japanese F 35航空自衛隊向けF-35初号機。 August 24, 2016. Lockheed Martin/Flickr
これに対して日本は防衛装備、システムの導入のペースを早める。日本政府は記録的な防衛費の増額を進めるが中心は弾道ミサイル防衛だ。
安倍晋三首相はイージスアショアミサイル防衛施設を二か所に導入すると決め、2023年までに設置するが、すでにロシアが批判している。
日本ではF-35の国内生産一号機か完成しており、重要な役割が期待される。
ただし日本国憲法は平和主義を標榜し、「専守防衛」を掲げており、この根拠が憲法第九条で戦争を国際関係の解決手段として放棄し、戦力の保有を禁じている。

このため大量の装備を整備しても実際に使用しようとすると司法面で障害に直面するとの見方もある。■

コメント

このブログの人気の投稿

漁船で大挙押し寄せる中国海上民兵は第三の海上武力組織で要注意

目的のため手段を択ばない中国の思考がここにもあらわれていますが、非常に厄介な存在になります。下手に武力行使をすれば民間人への攻撃と騒ぐでしょう。放置すれば乱暴狼藉の限りを尽くすので、手に負えません。国際法の遵守と程遠い中国の姿勢がよく表れています。尖閣諸島への上陸など不測の事態に海上保安庁も準備は万端であるとよいですね。 Pentagon reveals covert Chinese fleet disguised as fishing boats  漁船に偽装する中国軍事組織の存在をペンタゴンが暴露   By Ryan Pickrell Daily Caller News Foundation Jun. 7, 3:30 PM http://www.wearethemighty.com/articles/pentagon-reveals-covert-chinese-fleet-disguised-as-fishing-boats ペンタゴンはこのたび発表した報告書で中国が海洋支配を目指し戦力を増強中であることに警鐘を鳴らしている。 中国海上民兵(CMM)は準軍事組織だが漁民に偽装して侵攻を行う組織として長年にわたり活動中だ。人民解放軍海軍が「灰色」、中国海警が「白」の船体で知られるがCMMは「青」船体として中国の三番目の海上兵力の位置づけだ。 CMMが「低密度海上紛争での実力行使」に関与していると国防総省報告書は指摘する。 ペンタゴン報告書では中国が漁船に偽装した部隊で南シナ海の「灰色領域」で騒乱を起こすと指摘。(US Navy photo) 「中国は法執行機関艦船や海上民兵を使った高圧的な戦術をたびたび行使しており、自国の権益のため武力衝突に発展する前にとどめるという計算づくの方法を海上展開している」と同報告書は説明。例としてヘイグの国際仲裁法廷が中国の南シナ海領有主張を昨年7月に退けたが、北京はCMMを中国が支配を望む地帯に派遣している。 「中国は国家管理で漁船団を整備し海上民兵に南シナ海で使わせるつもりだ」(報告書) 中国はCMMはあくまでも民間漁船団と主張する。「誤解のないように、国家により組織し、整備し、管理する部隊であり軍事指揮命令系統の下で活動している」とアンドリュー・エリク...

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックII...

次期高性能駆逐艦13DDXの概要が明らかになった 今年度に設計開始し、2030年代初頭の就役をめざす

最新の海上安全保障情報が海外メディアを通じて日本国内に入ってくることにイライラしています。今回は新型艦13DDXについての海外会議でのプレゼン内容をNaval Newsが伝えてくれましたが、防衛省防衛装備庁は定期的にブリーフィングを報道機関に開催すべきではないでしょうか。もっとも記事となるかは各社の判断なのですが、普段から防衛問題へのインテリジェンスを上げていく行為が必要でしょう。あわせてこれまでの習慣を捨てて、Destroyerは駆逐艦と呼ぶようにしていったらどうでしょうか。(本ブログでは護衛艦などという間際らしい用語は使っていません) Early rendering of the 13DDX destroyer for the JMSDF. ATLA image. 新型防空駆逐艦13DDXの構想 日本は、2024年度に新型のハイエンド防空駆逐艦13DDXの設計作業を開始する 日 本の防衛省(MoD)高官が最近の会議で語った内容によれば、2030年代初頭に就役開始予定のこの新型艦は、就役中の駆逐艦やフリゲート艦の設計を活用し、変化する脅威に対し重層的な防空を提供するため、異なるコンセプトと能力を統合する予定である。  防衛装備庁(ATLA)の今吉真一海将(海軍システム部長)は、13DDX先進駆逐艦のコンセプトは、「あさひ」/25DD級駆逐艦と「もがみ」/30FFM級フリゲート艦の設計を参考にすると、5月下旬に英国で開催された海軍指導者会議(CNE24)で語った。  この2つの艦級は、それぞれ2018年と2022年に就役を始めている。  13DDX型は、海上自衛隊(JMSDF)が、今吉の言う「新しい戦争方法」を含む、戦略的環境の重大かつ地球規模の変化に対抗できるようにするために必要とされる。防衛省と海上自衛隊は、この戦略的環境を2つの作戦文脈で捉えている。  第一に、中国、北朝鮮、ロシアが、極超音速システムを含むミサイル技術、電子戦(EW)を含むA2/AD能力の強化など、広範な軍事能力を急速に開発している。第二に、ウクライナにおけるロシアの戦争は、弾道ミサイルや巡航ミサイルの大規模な使用、EWやサイバー戦に基づく非対称攻撃、情報空間を含むハイブリッド戦争作戦、無人システムの使用など、新たな作戦実態を露呈したと説明した。  新型駆逐艦は、敵の対接近・領域拒否(A2/A...