スキップしてメイン コンテンツに移動

南シナ海中国基地は米軍攻撃の前に生き残れない

北朝鮮問題に目を奪われている間に中国の南シナ海「不法占拠」は既成事実化しています。軍事的には攻撃を受ければひとたまりもない平たい島の上の施設で、米軍は簡単に排除できると笑っているかもしれませんが、わざわざ脆弱な基地を作った中国に別の狙いがあるのではないでしょうか。敵にわざと攻撃させて無実無罪を主張するとか。軍事化はしないと習近平は言っていましたが国際的に信用を落としてしまいましたね。National Interestの記事からです。



Are China's South China Sea Bases Pointless?中国の南シナ海基地は意味がない存在なのか





February 18, 2018

国が南シナ海に島数か所を構築したが、中国は各島を防御できるのだろうか。
 第二次大戦中の日本は島しょ支配で戦略的な優位性が生まれると考えていたが、米国の勢力を各島に分散させられず、逆に島が戦略的な負債になった。日本は各島への補給活動に追われた。南シナ海(SCS)の島各地は中国が整備したが、果たして中国軍事力にとって意味があるのだろうか。確かに意味はあるのだが、実際の武力衝突でその価値は急速に減るだろう。
構築した陣地施設は?
 中国はSCSに軍事拠点多数を構築しており、スプラトリー、パラセルの両諸島に集中している。スプラトリーにはスビ、ミスチーフ、フィアリーに航空基地を完成させ、ミサイル装備、レーダー、ヘリコプターを配備している。パラセル諸島ではウッディ島に大規模な基地を作った。ここでもレーダー基地、ヘリコプター運用施設がある。中国はさらに建設工事を続けており、将来の軍事プレゼンス拡大を狙うのだろう。大型基地のスビ、ミスチーフ、フィアリークロス、ウッディ島には軍用機運用用のインフラが整備されており、戦闘機、大型哨戒機の運用が可能だ。ミサイル、レーダー、航空機の配備で中国は南シナ海を軍事活動範囲に入れたと言えよう。
 このうち数か所にSAM陣地が稼働する。HQ-9は射程125マイルでその後ロシア製S-400も持ち込むだろう。また地上発射巡航ミサイルGLCMもある。ミサイルの存在でSCSは米艦船航空機でステルス性能がないものには危険地区になった。SAMにレーダー網が繋がりて敵航空機の侵入を許さない体制になっている。GLCMがここに加わり中国のA2/ADネットワークが形成された。
 だがこうしたミサイル陣地が武力衝突時に生き残れるのかは疑問だ。陸上配備ミサイルが空爆に耐えるのは丘陵、森林など自然条件に隠れる場合である。中国が構築した各島にはこうした自然地形はない。また防空陣地も集中攻撃の前には生き残れないのは明らかだ。さらにミサイル発射装置には燃料、電力、弾薬等の潤沢な補給活動が前提となる。これを中国が武力衝突時に円滑に行えるかは疑問だ。
航空基地は?
 SCSで最大級の軍事施設は軍用機運用が可能だ。高性能戦闘機もあるが、もっと要注意なのが哨戒機、電子戦機、早期警戒機だ。各基地をうまく利用すれば中国のA2/ADバブルはさらに大きくできるし、標的データは各地のミサイル基地以外に中国本土へも中継できる。戦闘機の展開でSCS上空はもっと危険になり、米艦船も遠距離から巡航ミサイル攻撃しかできなくなる。
 だが武力衝突時での航空基地の耐じん度は攻撃後の復旧活動に必要な物資、機材がどれだけ使えるかで決まる。中国が南シナ海で構築した各島が米ミサイル攻撃や空爆を受けた後も十分に活動できるか不明だ。大規模な島ならシェルターもあるが、シェルターと言えども米攻撃の前に長く耐えられないことは自明の理だ。
レーダー
 SAMやGLCM、さらに戦闘機材は正確な目標データがあって初めて効果を生む。そこでSCS各基地の最大の利点はレーダー施設が中国に戦闘区域の完全な姿を見せることだ。ただしレーダー基地は脆弱な存在であるが、同時に防空でも効果を見せつけるだろう。
 だがレーダーは米軍の攻撃の前に無力で、ミサイル攻撃、電子攻撃、サイバー攻撃さらに特殊部隊の強襲まで米国は展開するだろう。有事にはレーダーへの中国のアクセスが急に消滅する。それでも米軍によるSCS侵入の比較的低費用で困難にできる。
兵站活動
 中国のSCS各島の軍事活動を支えるのが中国本土との安全な通信だ。人工島では十分な貯蔵物資は確保できず、貯蔵物資も攻撃の前に脆弱だ。打ち合いになれば、各島への燃料装備弾薬等の補給が中国輸送部隊の任務だが補給線が伸び足を引っ張るだろう。PLAN、PLAAFも攻撃下の各島への再補給には積極的になれず、SCS各島の軍事価値は減る。中国には残念ながら島しょをめぐる戦い、さらに中国の兵力展開そのもののため各島の軍事施設は早期に利用価値を失う。
艦船対要塞
 ネルソン卿は「要塞と戦う艦船は愚か者」と言ったが、状況によっては艦船が要塞に対して有利になる。SCS内の各島は移動目標ではなく、かつ軍事施設を隠すだけの大きさもない。米国は各島の配置を細かく観察しており、軍事装備品の搬入も逐一把握しているはずだ。これで各島は極めて脆弱な攻撃目標となり、水上艦船、潜水艦、航空機の格好の目標となる。ミサイルにはリアルタイムの標的データは不要だ。
 米国にとって大きな意味が生まれるのはズムワルト級駆逐艦の高性能艦砲システムを使用しない決定を逆転することだ。同艦の主砲用砲弾があれば中国の人工島を長距離から直接砲撃可能となり、低コストで大きな損害を与えられる。これができないと本来もっと大きな標的用の巡航ミサイルを回すことになる。
 SCS各島には一定の軍事的意義があるが、より重要な点は中国の海面航路、海中資源を自国のものと主張する政治的な側面だ。軍事的には中国のA2/ADの薄い殻だと言える。この薄い殻が航行の自由を脅かしているが、米国の海軍空軍にとって全く支障にならない攻撃目標に過ぎないと言える。■


Robert Farley, a frequent contributor to TNI, is author of The Battleship Book. He serves as a Senior Lecturer at the Patterson School of Diplomacy and International Commerce at the University of Kentucky. His work includes military doctrine, national security, and maritime affairs. He blogs at Lawyers, Guns and Money and Information Dissemination and The Diplomat.

Image: Reuter

コメント

このブログの人気の投稿

★★★★北朝鮮ミサイルが中国衛星で誘導されている可能性

中国も北朝鮮関連では叩けば埃がどんどん出そうですね。北京が見切りをつければ平壌の現政権など簡単に転覆させるでしょうが、中国国内にある北朝鮮とのしがらみ(おそらく共産党内部の派閥争い)と東北部の軍の非合法ビジネスの問題があり、米国といったん話がついても実施が難しいのでしょう。そのうちにしびれを切らした米国が単独行動に出るかもしれません。
Record China Is North Korea Using China's Satellites to Guide Its Missiles? 北朝鮮は中国衛星を使ってミサイル誘導をしているのか
Peter J. Brown May 23, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/north-korea-using-chinas-satellites-guide-its-missiles-20810?page=show

北朝鮮がミサイル発射を繰り返し米本土を狙うICBM開発に走る中、ひとつ見落とされている点がある。ミサイルに衛星誘導を使っているのではないか。北朝鮮に衛星航法ネットワークはないため、中国衛星を利用しているとの観測がある。 2014年報道で北朝鮮技術者が中国国内で北斗Beidou衛星航法システムの運用を研修中とある。同年の別の記事で中国軍専門官から中国は北朝鮮による北斗の軍事利用を止められないと発言している。 北斗以外に北朝鮮の選択肢として米露両国のGPSがあり、ロシアはグロナスGlonasと呼んでいる。 「グロナスの可能性もありますが、ミサイル誘導に北斗を利用している可能性の方が高い」と小泉 悠(未来工学研究所特別研究員、ロシア安全保障問題)がメールで述べており、ロシアは北の核実験後に武器および軍事関連技術の北朝鮮向け禁輸措置を取っているがグロナスが対象かは不明と小泉は述べる。 北斗衛星群打ち上げは1994年に始まり、現在は東アジア以遠まで展開している。北斗は民生商業用途と軍用の両面で利用され、軍用では妨害を受けず正確にデータが利用できる。 北朝鮮が北斗の軍用機能を利用しているか不明だが、民生用機能で精密誘導兵器を運用しているとは考えにくい。というのは北斗の民生機能は日米韓の電子妨害に弱く有事の際に北朝鮮が利用するのは困難になるためだ。 「特別のチップならびに中国の協力がな…

★★★真偽は?日本もUCAVを開発していた

日本にもブラック事業がある(あった)のでしょうか。映像公開したのは機密解除になったのか、事業がもっと先に進んでいるからでしょうか。各務原での目撃がないことから別の場所で秘密裏に開発されたのでしょうか。川崎重工関係者は口がさけても語れないと思いますが、事実なら日本もUAV-UCAVを開発していることがわかりますね。判断は読者の皆さんにおまかせします。
This is the combat drone Japan has been building in secret
これが秘密裏に開発していた日本の戦闘無人機だ

川崎重工ブースのビデオでUCAV試作機の飛行状況を写していた (Photo by Harold Hutchison) By Harold HutchisonOct. 06, 05:10 AM http://www.wearethemighty.com/news/this-is-the-combat-drone-japan-has-been-building-in-secret
無人戦闘航空機、つまりUCAVはこれからの軍事航空のカギを握ると言われる。米国、ロシア、フランスが開発中と判明している。 だが本誌We Are The Mighty (以下WATM)はこのたび日本も秘密裏にUCAV開発を進めていたことを知った。 ワシントンで先ごろ開催された空軍関係のイベントでWATMは川崎重工業のブースでビデオ画像を見た。それは同社によるUCAV研究開発の様子で、画像内のUCAVはボーイングX-45やノースロップ・グラマンX-47に似ているようだった。 会場で詳しく聞こうとしたが、同社係員が日本政府の意向だとしてやんわりと断ってきた。翌日も別の係員はこの件は存じていないと答えてきた。 結局三番目に会った川崎重工の小林タクミ氏が「試験機で10年近く前のもの」とし、「防衛省予算による実験事業だった」と説明してくれた。同氏はさらにメールで「2008年ごろのプロジェクト」と述べている。 WATMが当時空軍の筆頭参謀次長として情報監視偵察分野を担当し現在は航空宇宙研究にあたるミッチェル研究所の所長をしているデイブ・デプチュラ退役空軍中将に日本がUCAV開発をしていた事実を知っているか聞いたところ、即座に「知らない」との答えが返ってきた。 このことから日本のUCAVは秘密のベールに隠されていたことがわか…

★★ロッキードが極超音速技術の完成に近づいている模様、SR-72との関連へ注目

Amid SR-72 Rumors, Skunk Works Ramps Up HypersonicsSR-72の噂と関連か、スカンクワークスの極超音速技術が加速中
Sep 27, 2017Guy Norris | Aerospace Daily & Defense Report http://aviationweek.com/technology/amid-sr-72-rumors-skunk-works-ramps-hypersonics
SR-72: Lockheed Martin FORT WORTH, Texas—ロッキード・マーティンが極超音速技術開発を加速化しており、初の実証機を目撃したとの報告もあり、スカンクワークスが進めるSR-72高速機開発との連関が注目される。 「詳細は言えませんが、スカンクワークスのあるカリフォーニア州パームデールで超高速飛行実現の動きを倍増しています」とロッキード・マーティンで航空力学執行副社長オーランド・カバルホOrlando CarvalhoがSAE 国際航空技術学会で語っている。「端的に申し上げれば米国は極超音速革命まであと一歩まで来ています」 Darpaと米空軍研究実験部門が共同で進める推進滑空兵器および極超音速空気取り入れ式兵器コンセプト研究に言及して、カバルホは「この十年で研究は大幅に進み、極超音速技術で状況が一変する意味があることが明らかになってきました。今後も研究テストを進め、極超音速飛行の実現にDarpaとのプロジェクト二件を活用します。国家安全保障ではスピードが肝心です」 SR-72への言及はなかったが、同社が極超音速機として退役済みの高速SR-71ブラックバードの後継機を提案中であることは広く知られており、カバルホの前向きな発言はロブ・ワイスRob Weiss(ロッキード・マーティンの高性能開発事業体執行副社長兼総支配人)の発言に重なる。6月にワイスはAviation Weekに選択的に有人操縦となるSR-72の前身となる飛行研究用機体(FRV)が予定通り進行中と暗に述べていた。 スカンクワークスはFRV開発を来年から始めるといわれ、初飛行予定は2020年だ。FRVはF-22ほどの機体サイズで推進力はフルスケールのコンバインドサイクルエンジン一基だ。しかし実証機に先立ち、ロッキードは各種技術の地上・飛行テスト…