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★★歴史に残らなかった機体(8)ヴォートF-8スーパークルセイダー




The F-8 Super Crusader: The Hot Navy Fighter that Almost Replaced the F-4 Phantom 

F-8スーパークルセイダーは米海軍がF-4ファントムの代わりに採用寸前までいった



April 30, 2017


  1. もし事情が事情なら冷戦時の米海軍トップ戦闘機はF-4ファントムの代わりにF-8クルセイダーになっていたはずだ。
  2. 北ベトナム上空でMiGを次々と撃墜したあのクルセイダーではない。F8Uを大型化しもっと強力にしたXF8U-3だった。
  3. クルセイダーIIIはメーカーのチャンス・ヴォートが海軍が採用したクルセイダーIおよびIIに続き開発した。名前がややこしいがクルセイダーIIIは大型機で以前の型と別の機体といってよい。
  4. スーパークルセイダーは1958年6月に初飛行した。「ダッシュIIIの全般的性能はずば抜けていた」と航空記者スティーブ・ペイスがクルセイダーの歴史をまとめた著書で述べている。「ダッシュIIIの公式最高速度記録はマッハ2.39で、マッハ2.6も無理ではないと見られていた。当時はマッハ3も実現可能との意見もあった。スーパークルセイダーはマッハ2.2の連続飛行を高度68千フィートで実現した。6-G操縦能力があり5.5G旋回をマッハ2.2で行えた。同機は単発機で世界唯一のマッハ2.4を実現した」
  5. スーパークルセイダーは以前のクルセイダーといろいろ違う点がある。エンジンはJT-4ターボジェットに換装され出力が増え高速で上昇率、最高高度が伸びた。全天候性能、航続距離の拡大、飛行制御性能の拡張、操縦性の改良とならび引き込み式の腹部安定板二枚を追加した。チャンス・ヴォートは尾部にロケットエンジンの追加で加速力を増やす提案までしていた。
  6. 皮肉にもファントムはヴィエトナムでは性能不足の扱いだった。機関砲を内蔵せず、初期の空対空ミサイルは信頼性に欠けていたからだ。これに対してクルセイダーIおよびII型は機関砲を搭載し、戦場で賛辞の的となる。だがクルセイダーIIIは搭載していなかった。F-4同様に機関銃なしの戦闘機として空対空ミサイル7発を運用する構想でサイドワインダー熱追尾ミサイル4発とスパロー(レーダー誘導式)3発だった。ヴィエトナム戦の前はミサイルのみの武装が流行だった。このため選択は理解できる。間違っていたが。
  7. 模擬空中戦でクルセイダーIIIは初期型ファントムを繰り返し撃破した。ペイスは海軍航空関係者の発言として「F8U-3は航続距離が長く、高速かつ費用は低く、重量は少なく、機内搭載燃料だけで600ガロン増槽を付けたF4H-1と同じ距離を飛べた。価格はF4H-1より25%安かったと思う。F8U-3は開発中止になった機体の中で最高だった」
  8. それでも海軍はF-4ファントムを選定した。理由が外観でなかったのは確かだ。スーパークルセイダーはずんぐりしたファントムよりずっと洗練されていた。経済性が理由だったのだろう。1960年代初期の国防総省は空軍、海軍、海兵隊で機材統一化をねらっていた。安全性も決め手だったかも知れない。クルセイダーIとIIは事故率の高さが目立っていた。
  9. あるいはスーパークルセイダーがドッグファイトで扱いにくい存在だったからか。スパローミサイル発射には敵機をレーダー照射する必要があった。ファントムの場合はこの仕事を後席の兵装士官に任せ、パイロットは操縦に専念できた。スーパークルセイダーは単座機でパイロットは操縦とスパロー操作を同時にこなす必要があった。ファントムは一方で多目的に投入でき、対地攻撃、ワイルドウィーゼル防空網攻撃、偵察にも転用された。
  10. F-4は驚くほど多任務に転用され米軍で用途廃止になったのは2016年12月のことである。速力と操縦性で優れるスーパークルセイダーが採用されていても58年間の供用が可能だったか怪しい。
  11. スーパークルセイダー試作機がNASAで飛行限界の更新に使用されて生涯を終わったのは妥当と言えよう。「地球大気中の95パーセントを飛行可能範囲にしたスーパークルセイダーが宇宙研究に転用され効果を発揮したのは自然なことだ」とバレット・ティルマンは著作MiG Master: The Story of the F-8 Crusaderでこう述べている。
  12. 「試作機はソニックブーム密度研究にも投入されたが、時折気晴らしに高速度飛行をした」とティルマンは書いている。「NASAパイロットが同機をヴァージニア州ラングレーから飛ばしているとパタクセントリバーで評価中のファントムを見つけることスピード競争をしかけた。海軍パイロットから文句が出て競争は終わったが、ヴォート支持派にはスカッとする瞬間だった」■
Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter and Facebook.


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