★★なぜ いずも を護衛任務につけたのか、これからどこへ向かうのか



なるほどいずもを単艦で米補給艦リチャード・E・バード(T-AKE-4)を護衛すると聞いて違和感がありましたが、こういう事情なのですね。報道では四国沖から分かれて南方海域に向かうなんて言っていますが、ここでは逆に日本海に抜かうのではと大胆に予測しています。はたしてどうなるでしょうか。

Japan Koreas TensionREN ONUMA—AP

Japan's Biggest Helicopter Carrier To Provide Escort For US Supply Ship

日本最大のヘリコプター空母が米補給艦を護衛

The Izumo will bring its potent anti-submarine capabilities to protect the US supply vessel.

いずもの対潜能力で米補給艦を守る

BY TYLER ROGOWAYMAY 1, 2017

  1. 日本が最新かつ最大のヘリコプター空母いずもを米補給艦の護衛に派遣した。補給艦は東京から南下し日本海に入りカール・ヴィンソン空母打撃群に合流すると思われる。その時点でいずもは朝鮮半島沖合で展開する各国海軍部隊による演習に参加する可能性が大で北朝鮮へ圧力をかけ金正恩がミサイル発射や核実験に踏み切った際に即応する狙いがある。
  2. このミッションにはどこか妙な感じがある。米補給艦は通常は護衛なしで移動しており、今回は力を示威し各国部隊との共同運用体制の確認が目的のはずだ。また有事の際に同等の能力を有する敵が相手なら脅威が皆無のシーレーンはなく潜水艦の活動がとくに脅威になるものだ。

いずも AP
  1. 補給物資、予備部品、ジェット燃料他の補給が止まれば米スーパー空母や揚陸強襲艦は無用の長物になるし、護衛艦艇も海域にとどまるため大量の燃料補給が必要だ。「兵站で戦勝は決まる」といわれ、米補給艦が自由に必要な地点に向かうことが最重要な要素だが武力衝突が発生すれば大きなこれが課題となる。
  2. そこでいずもの能力が効果を発揮する。同艦は対潜任務に特化し、搭載ヘリコプター部隊で艦の周囲に対潜スクリーンを敷ける。また機雷対策、監視、指揮統制他の能力に加え予備燃料から他の誘導ミサイル駆逐艦に航空燃料を補給できる。
ひゅうがはSH-60Kを運用する USN
  1. いずも級は先行ひゅうが級より艦体が大きくなったが、やはり「ヘリコプター護衛艦」で、補給艦の護衛任務ならひゅうが級が適任のはずである。ひゅうがは満載排水量19千トンでいずも級の27千トンより小さい分だけヘリコプター搭載もいずもの28機より少ない20機だ。だがひゅうがにはマーク41垂直発射管システム(VLS)が二基搭載されており自艦で防空能力があり、随行艦も守れる。16発のVLSにはRIM-162改良型シースパロウミサイル (ESSMs)、RUM-139垂直発射式ASROCロケット推進対潜魚雷も搭載できる。
停泊中のひゅうが、甲板後方にマーク41VLS二基があるのがわかる AP
  1. この二つの装備と対潜ヘリコプター部隊でひゅうが級には自艦ならびに護衛対象の艦艇に対潜、対空能力を提供する。ESSMによりひゅうがはイージス駆逐艦の助けなしに脅威環境に乗り込むことが可能だ。
  2. 護衛任務は相当の労力を消費し、米海軍はこの種のミッションの実施体制ができていない。ひゅうが級が高度の対潜能力とならび広域防空も可能なのが効果を上げる要素だ。また追加護衛艦艇なしで単独行動できる。
  3. だが大型のいずも級にVLSは搭載されておらず、ローリング・エアフレイムミサイルとファランクスCIWSの近接自艦防御装備しかない。ミッション時は護衛艦艇があるのを前提にしたためだろう。ただ同艦の海兵搭載能力は400名で軽車両なら50台を搭載する。日本の海軍作戦用回転翼機はSH-60とMCH-101が主力だが、いずもなら自衛隊のヘリコプターはいずれも運用できる。チヌークやアパッチも発着でき大輸送力に加え必要なら攻撃力も展開可能だ。
着岸操艦中のいずも AP
  1. 北朝鮮には海上作戦中艦艇に現実の脅威となる航空戦力はないが、沿岸防衛体制を強化する兆しがあり、Kh-35対艦ミサイルを国産化している。ミサイル海防艦や少数の大型水上戦闘艦は旧式ソ連製装備を使っており、対艦巡航ミサイルも旧式で敵に接近しないと命中がおぼつかない。ミサイルをあてずっぽうで発射する一か八かの勝負に出ることになり結果は誰にもわからない。
  2. いずもでは強力なレーダー、デコイ、電子戦、早期警戒で近接防御は十分に行えるはずだ。ただし、いずもは北朝鮮沿岸に近づくことなはく、護衛対象とともに北朝鮮水上艦艇の脅威を受けることは僅少だ。
  3. 脅威になるのは北朝鮮の旧式とはいえ大量のディーゼル電気推進式潜水艦部隊だ。北朝鮮戦力で一番過小評価されている部隊だろう。この潜水艦部隊が「高ノイズ」で「錆びている」としても数の威力が質を凌駕する。以前も北朝鮮が潜水艦部隊を突然一斉に展開したことがあり、米韓等との対決が高まれば潜水艦多数を同時運用できる体制ではないか。
  4. 低性能ではあるが潜水艦部隊は空母打撃群には十分危険な存在で、韓国海軍や海上自衛隊の対潜部隊があるとはいえ、無防備で護衛のない補給艦や油槽艦が同じ海域に移動すれば状況は全く変わる。
  5. 北朝鮮が米、韓他の補給艦に魚雷攻撃をしかければ一気にエスカレーションになるが前例がないわけではなく、最悪の事態に備えた訓練を実施するのは悪い案ではない。ここにいずもミッションの意義がある。いずもがカール・ヴィンソン空母打撃群や各国水上艦艇と合流する可能性もある。
海上自衛隊のひゅうが USN
  1. このミッションでいずもの三か月間にわたる南シナ海以遠への展開が開始となるのかは不明だ。発表では5月初旬に開始すると見られていた。
  2. フランスもミストラル級揚陸強襲艦のミストラルを世界を半周させて派遣し、佐世保に寄港している。
フランス海軍のミストラル AP
  1. ミストラルは英海軍ヘリコプターも搭載しており、テニアン島で多国間揚陸演習を数週間後に実施する。その後、南シナ海に向かう予定だが、朝鮮半島情勢次第では変更の可能性が十分ある。■
Contact the author: Tyler@thedrive.com


コメント

このブログの人気の投稿

★★★★北朝鮮ミサイルが中国衛星で誘導されている可能性

★★★真偽は?日本もUCAVを開発していた

★★ロッキードが極超音速技術の完成に近づいている模様、SR-72との関連へ注目