スキップしてメイン コンテンツに移動

★★トランプ政権になり戦闘機ビジネスで強気になったボーイングディフェンス



オーバーステアな会社ですね。悲観論から楽観論へすぐ変わりました。PCAとも呼ばれる空軍向けかF/A-XX海軍版の次期主力戦闘機のいずれかあるいは双方でボーイングが受注できるかが今後の注目点でしょう。スーパーホーネット、イーグル共にSLEPしながらあるいは追加型を投入して今後も供用が続くのではないでしょうか。

Super Hornet Block III: Boeing
Aerospace Daily & Defense Report

In Trump Era, Boeing Defense CEO Bullish On Fighters

トランプ大統領の登場で戦闘機ビジネスに強気姿勢のボーイングディフェンスCEO
May 2, 2017 Lara Seligman | Aerospace Daily & Defense Report


ARLINGTON, Virginia—ドナルド・トランプ大統領による新しい状況の下でボーイング防衛部門トップが同社戦闘機に明るい将来を期待している。
  1. ボーイング防衛宇宙安全保障(BDS)の社長兼CEOリーアン・キャレットは昨年はAviation Weekに戦闘機は六つある同社主要事業ではないと語っていたが、今は戦闘機事業に大いに期待しているようだ。
  2. 「戦闘機は今後も中核事業です」とキャレットは5月2日にAviation Week編集陣にBDS本社で語った。「業界でトップに立ちたい六大事業が別にありますが、だからと言って戦闘機ビジネス撤退はありえません」
  3. 昨年6月にキャレットはボーイングが戦闘機事業を縮小する含みで発言し、本人のCEO指名は「ボーイング・ディフェンス新出発の証」と言っていた。
  4. 「戦闘機ビジネスで当社がトップを目指すと言ったら頭がおかしいといわれそうですね。現実を見つめましょう。当社はJSFで負けたのです」
  5. ボーイングの戦闘機事業は昨年は今と大違いだった。F-15、F/A-18ともに受注が見えず、セントルイスの戦闘機組立てラインは2020年までに閉鎖の見込みだった。
  6. 今や両機種とも最低でも2020年代末まで生産のめどがつき、性能改修案もあり、国際販売もクウェート、カタールで成約し、米国の新規発注も大いに可能性が見えてきた。
  7. 何が違いを生んだのか。過去11か月で世界の政治環境の変化が大きいとキャレットは説明する。従来と違う脅威の様相があらわれ、過去と違う軍装備が必要になっている。脅威内容は今後も変化していくと新政権主要関係者が認識を共有している。
  8. そこに大統領自身も含まれる。トランプは新型「ブロックIII」仕様スーパーホーネット大量発注を検討中と今年初めに述べた。「軍を大幅再建する。F-18スーパーホーネットを使い続けても問題はない」とトランプはボーイングのサウスカロライナ事業所で演説した。「大量発注を真剣に検討中だ」
  9. 一方で上下両院予算委員会は2017年の国防支出1.2兆ドルにスーパーホーネット12機の追加調達979百万ドルを認めている。
  10. キャレットは「ブロックIII」スーパーホーネット後年度調達で何をトランプ政権との協議で詳細はほとんど明かさなかったが、「適正な性能を持った適正な製品が顧客のニーズに合うのはよいこと」と述べている。「心の底では海軍がF/A-18運用を断念するとは思えません。世界情勢が変化する中で同機が必要な時が必ず来ます」
  11. キャレットはスーパーホーネットとロッキード・マーティンF-35の競合は重要視していない。当選直後のトランプがF-35中止をほのめかし、「同等の性能を有する」F/A-18調達を主張したが、キャレットは「『どちらか』の問題ではなく『ともに』供用すべき問題でしょう」とし、F/A-18とF-15が「補完的効果を」F-35に与えると強調している。
  12. 当面のボーイングは既存機種の保持、近代化に力を入れつつ、新技術に投資し次世代戦闘機開発に取り組むとキャレットは述べた。ただ米空軍が狙う次期主力戦闘機の侵攻制空戦闘機構想で同社が投入を狙う技術の詳細については言及を避けた。■

コメント

このブログの人気の投稿

漁船で大挙押し寄せる中国海上民兵は第三の海上武力組織で要注意

目的のため手段を択ばない中国の思考がここにもあらわれていますが、非常に厄介な存在になります。下手に武力行使をすれば民間人への攻撃と騒ぐでしょう。放置すれば乱暴狼藉の限りを尽くすので、手に負えません。国際法の遵守と程遠い中国の姿勢がよく表れています。尖閣諸島への上陸など不測の事態に海上保安庁も準備は万端であるとよいですね。 Pentagon reveals covert Chinese fleet disguised as fishing boats  漁船に偽装する中国軍事組織の存在をペンタゴンが暴露   By Ryan Pickrell Daily Caller News Foundation Jun. 7, 3:30 PM http://www.wearethemighty.com/articles/pentagon-reveals-covert-chinese-fleet-disguised-as-fishing-boats ペンタゴンはこのたび発表した報告書で中国が海洋支配を目指し戦力を増強中であることに警鐘を鳴らしている。 中国海上民兵(CMM)は準軍事組織だが漁民に偽装して侵攻を行う組織として長年にわたり活動中だ。人民解放軍海軍が「灰色」、中国海警が「白」の船体で知られるがCMMは「青」船体として中国の三番目の海上兵力の位置づけだ。 CMMが「低密度海上紛争での実力行使」に関与していると国防総省報告書は指摘する。 ペンタゴン報告書では中国が漁船に偽装した部隊で南シナ海の「灰色領域」で騒乱を起こすと指摘。(US Navy photo) 「中国は法執行機関艦船や海上民兵を使った高圧的な戦術をたびたび行使しており、自国の権益のため武力衝突に発展する前にとどめるという計算づくの方法を海上展開している」と同報告書は説明。例としてヘイグの国際仲裁法廷が中国の南シナ海領有主張を昨年7月に退けたが、北京はCMMを中国が支配を望む地帯に派遣している。 「中国は国家管理で漁船団を整備し海上民兵に南シナ海で使わせるつもりだ」(報告書) 中国はCMMはあくまでも民間漁船団と主張する。「誤解のないように、国家により組織し、整備し、管理する部隊であり軍事指揮命令系統の下で活動している」とアンドリュー・エリク...

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックII...

次期高性能駆逐艦13DDXの概要が明らかになった 今年度に設計開始し、2030年代初頭の就役をめざす

最新の海上安全保障情報が海外メディアを通じて日本国内に入ってくることにイライラしています。今回は新型艦13DDXについての海外会議でのプレゼン内容をNaval Newsが伝えてくれましたが、防衛省防衛装備庁は定期的にブリーフィングを報道機関に開催すべきではないでしょうか。もっとも記事となるかは各社の判断なのですが、普段から防衛問題へのインテリジェンスを上げていく行為が必要でしょう。あわせてこれまでの習慣を捨てて、Destroyerは駆逐艦と呼ぶようにしていったらどうでしょうか。(本ブログでは護衛艦などという間際らしい用語は使っていません) Early rendering of the 13DDX destroyer for the JMSDF. ATLA image. 新型防空駆逐艦13DDXの構想 日本は、2024年度に新型のハイエンド防空駆逐艦13DDXの設計作業を開始する 日 本の防衛省(MoD)高官が最近の会議で語った内容によれば、2030年代初頭に就役開始予定のこの新型艦は、就役中の駆逐艦やフリゲート艦の設計を活用し、変化する脅威に対し重層的な防空を提供するため、異なるコンセプトと能力を統合する予定である。  防衛装備庁(ATLA)の今吉真一海将(海軍システム部長)は、13DDX先進駆逐艦のコンセプトは、「あさひ」/25DD級駆逐艦と「もがみ」/30FFM級フリゲート艦の設計を参考にすると、5月下旬に英国で開催された海軍指導者会議(CNE24)で語った。  この2つの艦級は、それぞれ2018年と2022年に就役を始めている。  13DDX型は、海上自衛隊(JMSDF)が、今吉の言う「新しい戦争方法」を含む、戦略的環境の重大かつ地球規模の変化に対抗できるようにするために必要とされる。防衛省と海上自衛隊は、この戦略的環境を2つの作戦文脈で捉えている。  第一に、中国、北朝鮮、ロシアが、極超音速システムを含むミサイル技術、電子戦(EW)を含むA2/AD能力の強化など、広範な軍事能力を急速に開発している。第二に、ウクライナにおけるロシアの戦争は、弾道ミサイルや巡航ミサイルの大規模な使用、EWやサイバー戦に基づく非対称攻撃、情報空間を含むハイブリッド戦争作戦、無人システムの使用など、新たな作戦実態を露呈したと説明した。  新型駆逐艦は、敵の対接近・領域拒否(A2/A...