F-35でキャリアを始める新世代のパイロット養成を米空軍が開始しました。航空自衛隊ではこうはいかないでしょうね、導入機数が全く違いますからね。米空軍はF-35に相当の賭けをしているようですが、失望することのないよう祈るばかりです。
米空軍初のF-35AライトニングII基礎訓練課程学生パイロットがルーク空軍基地で2017年2月8日に初めて実機で空に飛んだ。B課程学生は経験豊かな第61戦闘飛行隊の教官パイロットが指導中で、課程を修了すれば初のF-35戦闘パイロットになる。 (Courtesy Photo via AF.mil)
What It’s Like Training Brand-New Air Force Pilots on the F-35A 米空軍のF-35Aの新規パイロット養成課程の内容は
- 米空軍は最若年パイロットを最新かつ最高水準の性能を有するF-35A共用打撃戦闘機で訓練している。
- 少尉から中尉六名がF-35の「B課程」つまり基礎操縦訓練をルーク空軍基地(アリゾナ州)で受講中だ。このパイロットたちはライトニングII以外の機材は経験がない。
- 「新規学生を他機の経験がないまま訓練すると効果が高いです。まっさらな素材でスポンジのように吸収が早いですからね。先を見越した戦術をすべて教えていきます」とイアン・オステリチャー大尉(第61戦闘飛行隊、B課程飛行教官)が言う。
- 「目標は生徒を訓練課程八か月に放り込み、戦闘準備をさせて実戦飛行隊を準備することです」とオステリチャー大尉はMilitary.com取材で答えている。
- 米空軍唯一のJSF実戦部隊はヒル空軍基地(ユタ州)にあり、同基地から8機がヨーロッパに移動し初の戦闘訓練展開中だ。
- 一年間の通常訓練を受けた新規パイロットは昨年12月にユタに移動し、基本システム、シミュレーション、武器取り扱い訓練で同機搭載のエイビオニクスを習熟した。2月に機体をはじめて飛行させた。
- 訓練課程の141日でパイロットは学科300時間、シミュレーター訓練(46時間から80時間)を経てF-35の実機操縦を35時間学ぶと大尉は説明。
- 教官にはオーストラリアパイロット4名もいる。オーストラリアもF-35を導入中だ
- 第62戦闘飛行隊は61隊の姉妹部隊で6名の訓練を今週開始したところだ。61隊は9月に次の組を迎える。
- 同飛行隊は年間60名のパイロットを養成すると大尉は説明してくれた。
- 訓練課程の最終段階数週間で戦術航空迎撃や戦闘操縦、ドッグファイトを取りあげ、「ミッションシステム各種を使いながら戦術迎撃の課題に挑戦する」のだという。
- オステリチャー大尉によればドッグファイトに重点を置いていないが、このシナリオにでは「各パイロット学生に一通りの技能を与えないと生き残れませんから」という。
- 課程の最後にはパイロットは「視程外」訓練に入る。接近阻止領域拒否A2ADの環境が今後増える中で避けられない想定だ。
- 「空対地支援、航空阻止、敵防空制圧に取り組みますが、最後が課程のハイライトですね」と大尉は言い、空対空戦ではF-16ファイティングファルコンが相手をする。
- 課程修了後のパイロットはヒルAFBで新戦闘航空隊編成を待つ。
- 学生パイロットに別機種の経験がないことが一つの課題で、パイロットは毎日を一歩ずつ学んでいると大尉は述べる。「F-35をそつなく飛ばせるのですが、必要なミッションの実施が一番の課題です」
- 養成課程で不合格になるのは安全面の理由が一番多いという。例として「安全に離着陸できないと困ります。きつい着陸が多いのです」とオステリチャー大尉は述べる。あるいはパイロットが「訓練バブル」と呼ぶ他の機体から1,000フィート内に入ることがあり、「教官に接近しすぎて訓練規則を破ることになります」
- 訓練学生は8月の卒業までに真価を発揮する必要に迫られる。
- ルーク基地には2022年までにF-35が144機そろう。米空軍は計1,763機を導入する。そこでF-35パイロットを急増することが空軍の最大の課題だ。
- オステリチャー大尉自身はA-10サンダーボルトの操縦からはじめた。2010年のことだ。
- 「ずっとA-10を操縦して退役まで数千時間を稼ぐつもりでしたが、今や教官パイロットはA-10、F-16、F-15上がりばかりでF-35の専門家となっていますよ」「最重要ミッションは戦闘部隊としての空軍に早く準備させることです」■
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