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★★米空母への攻撃手段四点と対抗策:空母撃沈は可能なのか




就航前艦ジェラルド・R・フォードが自力で初の建造所公試で外海に向かう。フォードは米スーパー空母の新型一号艦。Photo credit: United States Department of Defense

かつての戦艦同様に現在の航空母艦はすでに実効力を失っているのではないかと長年批判されていますが、今回の朝鮮危機で示されているように今でもその威容は十分に威嚇力があり、搭載機も北朝鮮程度の一線機材を上回る規模です。では空母は無敵なのかといわれればそうでもなく、それだけにいろいろな対策を加えればさらに巨大艦になっていきます。ロシア、中国、北朝鮮、イランが記事にあるような攻撃手段を研究しているはずなので今後さらに技術が進歩していくでしょう。

What It Would Really Take To Sink A Modern Aircraft Carrier

Robert Farley

  1. 現代の空母は米国による支配、覇権、平和、そして帝国の象徴である。しかし全長1,000フィート排水量10万トンの空母は格好の標的なのだろうか。アメリカの国力の象徴は時代遅れで脆弱な鉄の塊に過ぎないのだろうか。
  2. 米国が超大型空母運用を続けるべきかの議論があるが結論は出ていない。空母を沈めるのは困難でも不可能ではない。カギを握るのは何をどのように投入するかであり、敵が誰なのかという点だ。空母を沈めたいのであれば以下を参照されたい。対抗措置も述べる。

現代の空母の歴史


  1. 米国防部門では1940年代末から空母無用論が戦わされている。第二次大戦で空母は海軍戦で決定的な存在になった。戦後の技術開発で空母の残存性に疑問がついた。精密誘導ミサイルは無人カミカゼ攻撃といってよく潜水艦の性能向上で空母の防御は不可能と言われ始めた。さらに核兵器がここに加わった。
  2. 空母を核攻撃すればゲームオーバーである。核攻撃すればなんでもおしまいだ。
  3. 空母の将来を巡る危機の最初が1949年の「提督たちの反乱」事件で、米空軍が空母は脆弱であり予算支出は不適切と主張したため海軍首脳部が反論した。
  4. 最終的に海軍は「スーパー空母」を中心に冷戦期の戦力を構築した。一号艦がUSSフォレスタル(CV-59)で1955年のことで、最新のUSSジェラルド・R・フォード(CVN-78)まで続いている。
  5. 各艦は非常に高額となり戦力集中は脆弱性となった。冷戦中、冷戦後ともに分析が大量に行われ、海軍が巨大艦にこたわることへ批判が集まった。小型で安価な艦で同じ任務の実施が可能との議論が生まれた。
  6. 同時期にソ連は多大な時間と予算を投入して米空母攻撃手段を求めてきた。現在は中国の接近阻止領域拒否では米空母を中心にとらえている。

航空母艦の重要性


  1. 空母攻撃用に開発された兵器すべての根本的問題は偵察機材との情報リンクであり、空母を発見し攻撃部隊に伝えることだ。潜水艦、航空機、水上艦は遠距離では位置がわからなければ空母を撃破できない。そして陸上基地と違い、空母はたえず移動している。
  2. 超音速巡航ミサイルでも最大射程で発射すれば目標地点到達は20分後になり、その間に空母は最大速度なら10マイル移動する。10万トンの巨大空母は最高30ノット超と意外に高速航行が可能でここに原子力推進の意味がある。
  3. 水上艦や潜水艦の攻撃手段は独自に空母を探知できないことだ。他の手段からのデータに依存する。このため攻撃決定に時間と不確定要素が加わる。米国は三十年かけて偵察攻撃一体化をめざし、偵察通信機能を重複したキルチェーンを実用化しており、リアルタイムで情報を高性能センサー機材(衛星、海中聴音装置、無人機、警備艇等)から通信ノード(衛星、航空機)経由で艦船、航空機、潜水艦に伝えミサイルを発射し目標まで誘導するシステムを構築した。
  4. ここまでの能力を実用化している国は他にない。ただしロシア、中国も実用化を目指している。では敵勢力が空母撃沈を目指しどんな手段を講じてくるのか、その対策は何かを以下見てみよう。

魚雷


  1. 現代の魚雷の直撃を受けた空母は皆無で、9万トン艦が魚雷攻撃を受けてどうなるかを示す材料がない。米海軍は用途廃止したキティーホーク級空母USSアメリカを標的に各種水中兵器の効果を2005年に試したが、テスト結果は非公表扱いだ。
  2. 第二次大戦中に潜水艦により沈んだ空母は計8隻あり、国籍では日本、米国と英国だ。始まりは1939年のHMSカレジアスであった。冷戦時に米海軍はソ連原子力潜水艦を空母戦闘群への主要脅威ととらえていた。空母を仕留めるには潜水艦は護衛艦を回避し哨戒機に捕まらずに静止したままあるいは空母通過を待つ状態で待機する、あるいは空母に気づかれずに近づく必要がある。公海では後者はまず実施できない。空母は現在の潜水艦とほぼ同じ速度で移動するためだ。
  3. 各国海軍は標準的なホーミング魚雷の射程を公表していないが、最大35マイルから40マイルというのが大方の筋の見方だ。現代の魚雷は艦の真下で爆発することで竜骨を折り致命的な浸水を起こす。ロシア海軍は超高速魚雷を開発したが、実用化されているのかまたその効果も疑わしい。

対抗策

  1. 潜水艦対策の中心は潜水艦に攻撃位置を取らせないことだ。これまでは多様な手段で潜水艦を探知撃破する手段があり、艦載対潜哨戒機、護衛艦運用のヘリコプター、陸上発進の航空機や護衛部隊(水上艦、潜水艦)が対応してきた。
  2. 冷戦時の米海軍はソ連潜水艦探知および攻撃に相当の自信を有しており、空母を北極海や太平洋に進出させてソ連国内を攻撃する手段として活用する構想があった。
  3. だが米海軍の対潜戦(ASW)能力は冷戦後に衰退している。S-3ヴァイキング哨戒機、オリバー・ハザード・ペリー級フリゲートの退役がその口火だった。一方でロシアもソ連時代より少ない潜水艦しか運用せず、中国の原子力潜水艦は静粛性に難があり追尾は容易だった。ディーゼル潜水艦は静粛だが航続距離が短く、空母作戦海域で長時間待機できず、空母戦闘群に匹敵する速度もない。
  4. 潜水艦は指揮統制システムとリンクが困難で、航空機や水上艦とは違う。このため情報があっても対応に時間がかかりやすい。とはいえ、一定数の潜水艦を巧妙に配置すれば空母打撃群にも脅威となる。潜水艦、水上艦では最後の手段としてホーミング魚雷を混乱させるべく、ノイズメーカー、デコイで魚雷をかわそうとする。ロシアや中国はこれに対して航跡追尾型の魚雷を配備している。

巡航ミサイル


  1. 海軍向け巡航ミサイルの初の実戦投入は第二次大戦中でドイツ空軍機が精密誘導グライダー爆弾を連合軍、イタリア軍艦船を攻撃している。冷戦時にはソ連は巡航ミサイルで米空母戦闘群の攻撃を狙い、潜水艦、水上艦、航空機各種を開発した。Tu-22「バックファイヤー」爆撃機は米空母攻撃の巡航ミサイル母機として専用開発された。中国も同様に各種巡航ミサイルを各種手段で運用する構想だ。巡航ミサイルは海面すれすれを飛翔して探知を逃れ、最終段階で一気に上昇し最大限の攻撃効果を狙うことが多い。対空ミサイルや防空戦闘機による対応は不可能ではないものの困難になる。巡航ミサイルはプログラミングが発射前に必要で指定地点に向かってから標的を識別選別するのが普通であるが、一部ミサイルでは高度機能がついており長距離でも標的を自ら探知し攻撃が可能だ。

対抗策

  1. 魚雷と同様に巡航ミサイル攻撃の回避策は発射母体を空母そばに近づけないことだ。水上艦なら容易で、中国あるいはロシア水上艦が発射できる地点に近づく前に米航空戦力により撃破されるのは確実だ。潜水艦発射の巡航ミサイルの場合は複雑とはいえ、同じ考え方が適用できる。潜水艦が発射地点に到達する前に撃破する。航空機から発射の巡航ミサイルALCMsはこれと違う問題で、航空機は高度と地球の湾曲のため潜水艦や水上艦より遠隔地から空母打撃群を探知できる。航空機対策として空母打撃群は対空ミサイルや戦闘機による戦闘哨戒飛行に頼らざるを得ない。
  2. 冷戦時には米ソで手の込んだゲームになった。ソ連は爆撃機発進のため良質な情報を必要とし爆撃機多数は損失覚悟だった。米海軍はおとり戦術でソ連に大量発進をさせソ連戦力を無駄にさせる、あるいは離陸をさせまいとした。F-14トムキャットが開発されALCM対策に投入すべく巨大なレーダーと長距離空対空ミサイルを搭載し、空母戦闘群を長距離で防御する体制が生まれた。
  3. だがF-14はもはやなく、空母航空隊は航空哨戒任務を依然つづけているものの敵爆撃機迎撃以外に無人機や哨戒機にも目を光らせる必要があり空母の居場所をリアルタイムで伝わるのを防いでいる。
  4. 巡航ミサイルで空母を攻撃した事例はないが、小型艦艇では巡航ミサイル攻撃で実際の被害が生まれている。イラン-イラク戦争で対艦ミサイルが大々的に使われたが、大型石油タンカー攻撃に失敗することが多かった。だが巡航ミサイル一発で空母の飛行甲板が被害を受ければ沈没は免れても戦力は大幅に低下する。

高速艇


  1. 小型舟艇が大型艦に脅威となるとわかっていたが、ペンタゴンのまとめたミレニアムチャレンジ2002演習でこの問題が大きな関心を集めた。同演習では小舟艇に自殺攻撃をさせて米海軍部隊に大損害が発生する想定だった。「赤」軍の戦略はアルカイダによるUSSコール攻撃事例(2000年)をもとにし、イランの小舟艇活用事例(イラン-イラク戦)も参考にした。
  2. 演習の審判役はついに赤軍戦術を中止させざるを得なくなった。米軍に攻撃のチャンスを与えるためだった。相当の爆薬を搭載する小舟艇ではスーパー空母の撃沈には苦労するだろうが空母は処理に労力をとられ戦力は一定時間低下する。

対抗策

  1. 小舟艇は航続距離が足りず公海上で空母を探知攻撃するのは困難だ。空母打撃群を発見しても重装備のヘリコプターや護衛艦艇の攻撃をかいくぐって接近する必要があり、ファランクス砲が小舟艇を木っ端みじんに粉砕するだろう。そうなると小舟艇の脅威可能性は空母が静止中あるいは狭い海峡を通過中の奇襲攻撃だろう。深刻な内容ではあるが、現実問題として空母の将来そのものを左右する脅威ではない。

弾道ミサイル


  1. 2000年末に中国がDF-21中距離弾道ミサイルで移動目標攻撃技術を開発中との情報が浮上してきた。ミサイルは最終接近段階で制御可能で移動中の空母も高い精度で狙えるという触れ込みだった。米情報分析部門はDF-21D対艦弾道ミサイル(ASBM)は半径900マイルを攻撃可能と評価した。だがもっと大事なのは高速で降下する弾頭の運動エネルギーだけで空母を破壊できることでこれを受ければミッションは放棄せざるをえなくなる。そこまでの注目を集めなかったが、ロシアのイスカンダルM短距離弾道ミサイル(SRBM)も同じ狙いがあるようだ。
  2. テストされていない兵器は存在しないのと同じだ。DF-21Dの場合は発射テストこそ実施されていないものの現実的な運用テストを受けている。テストでは中国軍が空母の居場所を探知しミサイルを命中させる能力があることを示す意味がある。ただし今までのところPLAが運用に必要な訓練を行った兆候はない。中国はDF-21用と思われる偵察衛星複数を打ち上げたが戦時状況では衛星の信頼性は保証がない。中国がさらに長距離型の対艦攻撃弾道ミサイル開発に着手しても、位置捕捉関連の問題が増えるだけだろう。

対抗策
  1. 米海軍はそれでもASBM脅威を深刻にとらえて攻撃・防御手段の組み合わせで対抗する。攻撃面では敵弾道ミサイル発射基地を武力対決の初期段階で攻撃する構想があるが、標的が移動式あるいは硬化施設の場合に攻撃効果は疑問だ。電子攻撃で敵センサーを使用不可能にし目標データを発射基地に転送さえなくする方法も想定されている。
  2. 防御面では運動、電子両面でASBMへ対抗する。運動面では迎撃ミサイル(レイセオンSM-3スタンダードミサイル)をイージス装備護衛艦艇から発射し空母接近前にASBMを撃破する。電子では最終誘導システムを狙い空母接近前に無効にする。
  3. ただし実際の状況を想定したテストが実施されておらず各対抗手段の効果をあらかじめ把握することができない。戦術状況に左右される。早期警戒がどこまで可能か、目標までの距離、飛来するミサイルの数など、その場の状況で毎回条件が変わる。だがDF-21ASBMを多数発射してきた場合は一部は迎撃でき、別に被害を発生させないまま海中落下するものもあるが、一部は米艦船を直撃する可能性があるものと想定すべきだ。空母がその標的になる可能性もある。

まとめ

  1. 開戦となれば中国あるいはロシアは自国に最も有利な条件で米空母を攻撃してくるはずで奇襲攻撃になるかもしれない。米側を混乱させるべく装備多数を投入し防衛体制を圧倒するはずだ。自国への攻撃を避けるため米空母打撃群をできる限り遠隔地に追いやりたいはずだ。そうなると米海軍(さらに米政府、一般国民)は上記対抗措置をすべて真剣に検討すべきだ。
  2. 敵側に空母撃沈可能な魚雷やミサイルがあることから空母の脆弱性議論につながる。空母を狙うのは困難な仕事であり、多額の予算が必要だ。
  3. だが米空母打撃群を自軍の艦艇で攻撃しようとすれば自殺攻撃になるのは必至で、ここから米空母撃破の試行に疑問が二つ生じる。実施可能なのか、可能としても実施する価値が本当にあるのか、である。

Rob Farley teaches national security and defense courses at the Patterson School of Diplomacy and International Commerce at the University of Kentucky. He is the author of Grounded: The Case for Abolishing the United States Air Force, and the Battleship Book. Find him on twitter @drfarls.


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