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★★米海軍空母の将来像と最新フォード級空母の特徴



ちょっと長いですがご勘弁を。ここにきてスーパー空母というまで肥大化した空母に未来はあるのかという議論が米海軍では盛んなようで、一つの考えが小型空母(といっても6万トンクラスですが)CVLの復活となっているようです。あえて議論させて将来にも有効な戦力構造を確保したいという米海軍の考え方が見えてきますね。

Navy Contemplates Results of a Future Aircraft Carrier Study - Will New, Smaller Carriers Emerge in the Future?

米海軍が次世代空母のあるべき姿を検討中。新型艦は小型空母として登場するのか。

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8:03 AM

  1. 米海軍は将来建造する空母の検討に入った。艦体、大きさ、設計がどう変わるか。最新兵器で空母は脆弱になるのか、陳腐な存在になるのか。海軍はどんな答えを出すだろうか
  2. 米海軍が将来の空母で規模、形状、技術仕様、任務内容を変更する可能性が出てきた。海軍は外部シンクタンクの力を借り今後登場する脅威内容を検討したと海軍上層部が述べている。
  3. 海軍に協力したのは戦略予算戦略センター(CSBA)で技術モデル、形状、規模、技術面で将来の脅威に対応できる代替策を検討した。
  4. 長距離精密誘導対艦ミサイルや次世代極超音速兵器の前に航空母艦が無用の長物になるとの議論はずっと続いている。
  5. 海軍は空母仕様の代替案を今後検討しそうで、今年後半に就役する最新鋭ハイテク次世代空母がきっかけとなる。
  6. フォード級空母三隻、USSフォード、USSケネディ、USSエンタープライズの調達事業そのものには変更がないが、検討内容によってはそれ以降の米海軍空母の姿が変わる可能性がある。
  7. 現時点で具体案は明らかでないが、将来の空母では高性能のハイテクセンサーや防御兵装が導入され、高速かつ操艦性能を向上し敵攻撃を回避しつつ無人機の運用能力が付与されるはずだ。艦体は小さくなり、操艦性が上がり、無人機や長距離精密兵器を運用すると検討で想定している
  8. 同時にフォード級でも就役後に成熟化した新技術が搭載され、敵の脅威への対応が可能となる。海軍技術部はフォード級に最初から発展性を盛り込んだ。防御用兵装でも進歩が今後も続くため、将来の空母は極端に高度な脅威環境でも作戦能力を発揮できると海軍上層部は信じている。
  9. CSBA報告書の提言では従来の延長線上の空母に加え新型で敏捷性に富んだ小型空母を運用するハイローミックスが出ている。「海軍は新しい『ハイ/ローミックス』を空母でめざすべきだ」とCSBA報告書は述べ、報告書の表題は「米海軍力の復興、米海軍の艦船編成の新発想」となっている。
  10. 「原子力推進スーパー空母は米国と同等の戦力を有する大国の野望を抑止あるいは打破するため今後も必要であるが、その他の日常的なミッションである兵力投射、シーレーン警護、近接航空支援、対テロ作戦は小型かつ低コストの通常動力空母で十分対応できる」とCSBAは論述し、「今後五年間以内に海軍は大型揚陸強襲艦を小型空母に転換する作業を開始し、2030年代中頃を目標に新型艦を就航させるべきである」と述べている。
  11. CSBAは軽空母(CVL)として専用に建造された4万トンから6万トンでカタパルトと拘束ギアを備えた艦を想定した。
  12. またレーダー、レーザー、火器管制能力の向上、対空センサー、電子戦他防御兵装で技術が進展しても海軍やシンクタンクはフォード級空母の仕様変更は不要と見ている。また空母複数を「空母群」として運用し重装備巡洋艦や駆逐艦に空母の防御をさせる構想だ。

将来の空母像

  1. USSジェラルド・R・フォードはフォード級初号艦として新技術多数を導入し、予測される敵脅威に対応し、兵力投射手段としての空母を次世紀にも意味のあるものにする。
  2. 海軍はフォード級以降の空母は最低50年間の供用期間を持たせニミッツ級空母退役に一隻ずつ対応した建造を想定している。この建造工程表によればフォード級各艦は確実に22世紀まで供用され、2110年までは確実だと海軍上層部は述べている。
  3. 現行型空母にかわる代替策検討では今後登場する新兵器により超距離でも空母が脆弱な存在になるのかを検討の中心にした。敵攻撃に対応すべく高速かつ敏捷な小型空母の建造を主張する声も出ている。既存空母に新型防御装備を搭載する案も検討された
  4. 空母がいつの日にか陳腐化するとの主張もあった。ただしこの見方をとるアナリストや海軍上層部は少ない。兵力投射能力を空母と航空戦力で実現して米軍の世界各地での優位性につながっているからだ。
  5. 例として別のシンクタンク新アメリカ安全保障センターの研究成果では将来の脅威環境では米海軍空母の優越性が脅かされる可能性が十分あると指摘している。
  6. 「これまでの米海軍は世界いかなる場所でも自由に航行し行動できたが、その優位性が崩れる日が来る。近年では中国、ロシア、イランといった諸国が接近阻止領域拒否(A2/AD)に向けた軍事力を開発中で、高性能防空体制、対艦巡航・弾道ミサイル、潜水艦、航空母艦として実現しつつある。今後はこうした装備が各地に拡散し、米空母作戦が成約されるはずだ」
  7. また次の指摘もある。「米国に二つの選択肢が立ちふさがる。空母を従来より遠距離で敵の戦術航空機の航続距離外で運用するのか、あるいは高リスクを覚悟のうえで運用するかだ」
  8. 報告書が言及している兵器や新しい脅威内容も海軍、ペンタゴンから真剣に検討されている。

登場してきた脅威内容

  1. 中国軍が開発中なのが精密誘導式長距離対艦巡航ミサイルDF-21Dで有効射程は900カイリと見る専門家もある。移動中の目標に命中させる能力があるかで意見がわかれるが、狙いは空母を沿岸部分に近づかせないことだという。
  2. 米議会の米中経済安全保障検討委員会が2014年に発表した詳細研究で中国軍事力の近代化の内容を論じている。それによるとDF-21Dは「空母キラー」で、さらに強力な精密誘導対艦ミサイルを中国が開発中といわれる。
  3. ただしNational Interestでデイヴ・マジュンダーが海軍上層部がDF-21D対策を検討していると伝えている。さらに移動し続ける空母にとって中国の脅威が現実のものとなるのはISRと標的捕捉技術を十分な形で統合する場合だと海軍上層部は指摘している。
  4. マジュンダーの記事では海軍上層部は空母の電磁面、サイバー、ISR面での防御能力が今後向上し、敵攻撃の妨害や敵ミサイルの飛翔を逸らすことが可能となるとしている。
  5. 同委員会の指摘では中国が極超音速ミサイル実験も進めている。極超音速ミサイルが実際に配備されれば音速の5倍以上で飛翔し空母防御も対応を迫られる。
  6. ワシントン・フリー・ビーコンは4月27日、ペンタゴン関係者の言で中国が新型高速飛翔制御型弾頭のテストに成功したと伝えている。
  7. 「DF-ZF極超音速滑空飛行体が弾道ミサイル最上部につけたまま五寨Wuzhaiミサイル発射施設から打ち上げられたと関係者が述べている」と記事は伝えた。「飛翔制御可能な滑空体が時速数千マイルで飛ぶのが衛星から探知追跡され、大気圏ぎりぎりの高度で飛翔しながら中国西部の目標地点に命中した」
  8. 中国だけでなく多数の敵性国家が次世代兵器、センサーや技術を入手するはずである。
  9. センサー、航空機、無人機、潜水艦で敵側の技術水準は驚くほど速く向上しており、現状のままの空母だと敵の沿岸付近で作戦するのは面倒になるだろう。
  10. DF-21Dのような新兵器が出現しているが、米海軍上層部や専門家には30ノットで移動する空母を1,000マイル先から命中破壊させられるのか懐疑的に見ている。目標捕捉、誘導、移動目標への火器管制、ISR用の各装備を動員してはじめて宣伝通りの機能が実現できる。GPS、慣性測定器具、高性能センサーデュアルモードシーカーの各分野も急速な進展を示しており、この課題実現に利用できるが、DF-21Dのような兵器が移動中の空母を撃沈できるのか明確な答えがないままだ。
  11. さらに艦の防御面の改良も進んでいる。電子戦技術、レーザーの他、水平線の彼方から近づく対艦巡航ミサイルの捕捉撃破に向けた技術も育ってきた。その一例が配備が始まった海軍統合火器管制対空防衛システム(NIFC-CA)だ。ここでは艦載レーダー・火器管制に空中センサー、デュアルモードのSM-6を組み合わせ、長距離から接近する敵を捕捉、撃破することが狙いだ。艦載レーザー兵器やレイルガンも低コストの防御手段になるだろう。
  12. 将来の脅威環境で懸念があるのは事実だが、空母部隊の真価、有用性、重要性を疑う向きは少ない。

MQ-25スティングレイ空母運用無人空中給油機

  1. 無人空中給油機を空母から運用し、攻撃任務につく戦闘機を支援することを海軍が重視している。
  2. 新型空母運用型ステルス給油機はMQ-25スティングレイの名称がつき、F/A-18スーパーホーネットやF-35C共用打撃戦闘機といった空母航空隊の活動範囲を拡大させる狙いがある。これがペンタゴンが接近阻止領域拒否や長距離精密ミサイルで空母が狙われる事態に対抗する手段となる。
  3. 空母搭載戦闘機では戦闘半径が重要な要素だ。もしF-35CやF/A-18が500マイル600マイル移動して敵内陸部の標的を攻撃しようとしても敵が1000マイルの有効射程を持っていたら攻撃力は有効とは言えなくなる。
  4. そこで無人給油機から艦載機に空中給油することで長距離攻撃を実施できるようするのだ。
  5. 大型給油機には空軍の新機材KC-46Aもあるが、レーダー断面積が大きく標的になりやすく脆弱だ。そのため高機動無人機で乗員を危険にさらさず敵レーダー探知を避けながら攻撃機の空中給油をする必要があるのだ。
  6. MQ-25スティングレイの公開情報はわずかだが、海軍関係者はScott Warriorに背景にある戦略構想として「長時間飛行性能」を海軍関係者は新型機の基本性能と表現した。
  7. 海軍関係者は「運用が始まればMQ-25スティングレイは長時間にわたる空中給油能力とともにISR能力も発揮します。無人機は有人機の性能を引き上げ、効率よく安全に運用しつつミッションを実施させてくれるはず」
  8. 無人給油機により空母攻撃飛行隊は長距離運用が可能ととなり上記懸念の解消につながる。
  9. MQ-25スティングレイは開発取り消しになったULCASS無人艦載偵察攻撃機構想から発展している。ノースロップの実証機X-47Bは空母離着艦に成功した。海軍が求める空母運用無人機技術は着実に進歩している。

将来の空母航空部隊

  1. ステルス戦闘機、無人機、V-22オスプレイ、対潜ヘリコプター、レーザー兵器、電子妨害手段がすべて海軍の空母搭載航空戦力の一部となると海軍上層部は見ている。V-22は艦上輸送ミッションに投入するとすでに海軍は決めており、陸上から人員物資を空母に輸送する。
  2. 空母の抑止力としての効果、兵力投射の手段としての効果を念頭に海軍航空部隊総監が海軍の描く空母航空隊の姿をワシントンDCのシンクタンク、戦略国際研究所での講演で数年前に紹介している。
  3. 125マイル先の標的を攻撃できるS-500をロシアが開発中だとNational Interestが伝えている。そのS-500を含むロシアの地対空ミサイル各種にF-35Cは十分対抗できると海軍は見ている。
  4. F-35Cは2018年までに実戦化の見込みで2020年代中頃には相当数が空母に搭載されるはずだ。
  5. 「クラシック」と呼ばれる旧型F/A-18一部がF-35Cに交代される予定で、F-35Cではステルス技術以外にセンサー技術に期待が高まっている。将来の航空戦力の四分の三がF/A-18スーパーホーネットになると総監は述べた。
  6. 対潜戦ではMH-60R改修型が重要な存在と米海軍関係者は見ている。MH-60Rは対潜戦パッケージを搭載し低周波センサー、潜望鏡探知装置、データリンク、電子戦装置、前方監視赤外線レーダーを活用すると海軍は説明。
  7. グラウラーに電次世代ジャマーが子攻撃兵器として導入される。電子攻撃能力が大幅に向上するほかに複数の周波数で同時にジャミング可能となる。
  8. E-2Cホークアイ早期警戒機は性能向上型のE-2Dに更改中でレーダー性能が引き上げられている。

新空母フォード級

  1. フォード級空母各艦では次世代技術が多数導入されており、将来の脅威にも対応可能とする。飛行甲板は拡大されており、発艦機効率を33%増やす。これには電磁カタパルトを上記カタパルトに代えることが大きく、自動化やコンピュータ制御が各所で導入されている。
  2. また新型センサー、ソフトウェア、兵装戦闘システムも新型になっていると海軍は説明。
  3. 飛行甲板拡大の背景に将来の無人機運用の増加予想がある。
  4. USSフォードの発電容量は104メガワットもあり、開発中の電磁航空機発艦システム(EMALS)の稼働もめざす。さらに将来導入される予定のレーザーやレイルガンも想定していると海軍上層部は説明。
  5. USSフォードにはこのほかデュアルバンドレーダーや高性能拘束ギア含む装備で多大な電力が必要だ。
  6. レーザー兵器が実用化されれば空母搭載ミサイルの一部が不要になる。レーザーではおよそ300キロワット電力が必要だ。
  7. レーザー兵器が実用化されればハイテクで低コストの防御攻撃両面で有効な手段となり、敵ミサイルを焼け焦がす可能性が生まれる。
  8. フォード級では艦橋を再設計し、格納庫をやや広げ、兵装運搬用エレベーターの能力も拡大し、出撃回数増加に対応する。すべて高テンポでの戦闘支援を狙ってのことだ。
  9. このうち新型兵装用エレベーターはこれまでより効率よく兵装類を搬送し機体装着を早める効果を狙う。エレベーターは武器庫から直接兵装類を運搬できるので出撃準備の効率が上がり、着艦後の再装填も早くなると海軍は説明。.
  10. フォード級で採用する次世代技術と自動化で人的作業を減らせるので、乗組員数も減り、就役期間全体で40億ドルの節減効果が生まれる。■


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