米 海軍がUSSズムワルトDDG-1000を正式に受領した。3隻からなる大型ステルス駆逐艦の初号艦で単価は約70億ドル。 だが単純に喜べない事情がある。ズムワルトはあと数年の公試を完了しないと第一線に配備されない。 稼働まで長時間がかかるのは米海軍が新仕様の艦船開発に苦労しているためだ。同艦は30年ぶりの新型艦のためでもある。 ズムワルトは海上公試を経て戦闘装備が利用可能となりサンディエゴで引き渡された。「引き渡しは大きな一歩だが、DDG-1000の海上テストはさらに内容を高度化して続けていく」とDDG-1000事業を統括するケビン・スミス大佐が声明文を発表した。 ズムワルトがここまで来るのに時間がかかった。メイン州のバスアイアンワークス造船所を離れたのが2016年末だった。バスは残る2隻も建造しており、2020年末に就役する。 排水量16千トンのズムワルトは即作戦投入可能とならなかった。下に向け傾斜のつく同艦の特殊艦体の機能はすべて理解されず、さらに155ミリ高性能艦砲システム用の専用砲弾はなかった。ほぼ四年が経過し、艦体は問題ないと解明されたが、高経費を理由に主砲用の砲弾調達は中止された。同艦はもともと海兵隊の上陸作戦を火砲で支援する位置づけだったが対水上艦戦用に変わった。 か わりに精密長射程誘導弾を対地攻撃に使うと2018年に決まり、対艦攻撃用にトマホークとSM-6ミサイルの搭載も決まった。ズムワルト級は対艦巡航ミサイルを各艦の発射セル80門に搭載する。 ただし各艦は実力を発揮できる状態ではない。艦隊に編入後もスミス大佐のいう「複雑かつ多様な任務の海上公試」を続けるからだ。 ズムワルトはまず試験部隊に編入され、有人・無人艦混合の戦術開発に従事する。初期作戦能力獲得は2021年後半の予定で、その後に任務投入される。 米海軍は一時はズムワルト級の32隻整備を想定したが、建造費と技術面で3隻に削減された。ズムワルト級のかわりにアーレイ・バーク級の建造再開が決まった。2号艦マイケル・マンソーは完成しており、最終艦リンドン・B・ジョンソンの建造はメイン州のバスアイアンワークスで進行中で2020年12月に引き渡し予定だ。 バーク級は10千トンとズムワルトより小さいが...
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