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主張 金正恩死亡に世界はどこまで備えているか

金正恩が死亡した、あるいは植物人間状態との報道が世界を驚かせています。韓国政府のみちがう反応を示しているのが妙ですが。


朝鮮の緊急事態に「外部世界」の準備態勢は整っているだろうか。

金正恩の死去あるいは重篤な健康状態により国家指導者の機能を果たせなくなった場合、北朝鮮政策はどうなるか。▶状況が一変した場合には、めぼしい成果を上げていない北朝鮮対策のどこに手を加えるべきか。▶朝鮮半島で再度危機的状況が発生した場合にどう対応すべきだろうか。▶北朝鮮体制に変化が発生すれば、同国を注視してきた専門家は今でも困難な状況がさらに悪化する。▶北朝鮮はあいまいさ、隠蔽、錯覚を日常茶飯事に使い存続してきた国だ。▶北朝鮮で緊急事態が発生しても「鏡に映る姿は現実より大きかったり、小さかったり、楽観あるいは悲観的に写り、現実より小さかったり、実際より混乱して見える」ことがありうる。▶すべてを疑ってかかり、客観視し、誇張せずにとらえるべきだ。■

この記事は以下を再構成したものです。

Why We Really Don't Know What Happens If Kim Jong-un Dies

There are more questions than answers.
by Soo Kim 
April 23, 2020  Topic: Politics  Region: Asia  Blog Brand: Korea Watch  Tags: North KoreaKim Jong-unSuccessionKim Yo-jongDPRK

Soo Kim is a Policy Analyst at the RAND Corporation.

コメント

  1. ぼたんのちから2020年4月26日 14:43

    金正恩が何らかの身体的危機にあることは確かだろう。独裁国家において、独裁者の健康不安は、国家体制崩壊のリスクの高まりに直結する。金がいかなる生命的危機に直面しているかは分からないが、様々な周辺情報は、金の明るくない未来を暗示していると考える。
    金の後継者は、妹の与正とする報道が多いので、ここでのコメントは、与正が後継権力者になった場合を考えてみたい。
    与正が金の後継者になって国家が安定を図ることは、極めて困難であろう。金氏内部の対立や北朝鮮が未だに男尊女卑の儒教社会であることもあるが、一番の問題は党と軍部を掌握できないことだろう。また、大国の利害が対立する場である北朝鮮は、外国勢力が介入し易い状況にある。そして現在の一番の問題は、武漢肺炎流行による社会崩壊であろう。結果として不安定な政権は、長期間維持できず、金王朝から集団指導制に変わるか、クーデタにより新たな独裁者が出現するだろう。
    可能性の高いシナリオは、中国は傀儡政権を樹立し、北朝鮮が中国の完全な衛星国家になることである。その契機は、武漢肺炎の防疫になるだろう。北朝鮮は今までも実質的な中国勢力の一部であり、中国の緩衝国家であるが、金一派は独自色を出そうともがいてきた。このような甘えは、今後、許されない。
    中国は、北朝鮮を政治・経済・軍事的に支配し、また、「北京ブロック」の核兵器、ミサイル、化学兵器、生物兵器輸出などの汚れ役として活用するだろう。「北京ブロック」は、中国を盟主とするイランやシリア等の国際的問題国家、及びグループとの準軍事同盟である。
    米国や韓国の介入もあり得るが、北朝鮮を全面的に支えるには荷が重すぎる。韓国は何とか介入しようとするが、傀儡政権が拒絶するか、韓国を利用しようとするだろう。
    また、北朝鮮人民にとって金王朝の終焉は歓迎されることになるかもしれない。武漢肺炎の流行は抑えられ、飢餓状態から脱し、命の危険も低減するからである。

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