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米空軍のX-37「軌道無人機」は初の宇宙兵器システムになるのか



ランダの天文マニア、ラルフ・ヴァンデバーグが地上210マイル地点を飛行する米空軍の極秘宇宙機X-37Bを2019年6月と7月に撮影した。

「機首、ペイロードベイ、尾翼を視認できましたし、もう少し細かい詳細部分も見えました」(ヴァンデバーグ)

「もう一度見ようとしましたが計算通りの時間と位置に現れませんでした」「別軌道に変更したのです。アマチュア衛星ウォッチャーのネットワークが再発見したので写真撮影できました」

今回オランダのヴァンデバーグが撮影に成功したX-37Bは2017年9月にスペースXのファルコンロケットで打ち上げられた。

空軍はX-37BをOTVつまり軌道試験機と呼称する。ボーイングはX-37Bを少なくとも2機米空軍向けに2000年代に製造し、単価は10億ドルといわれる。一見、NASAのスペースシャトルの縮小版に見えるが、X-37Bは再利用可能で制御可能な小型衛星となり、単独用途の衛星よりミッション期間は短い。X-37Bのミッション経費は毎回200百万ドルといわれる。

X-37Bの初回ミッションは2010年4月で、2018年に帰還した第4回ミッションは最長記録の717日となったが今回のミッションが宇宙滞在記録を更新する期待がある。

今回のミッションは第5回で空軍研究本部が製造した高性能構造組込み式熱拡散装置を搭載している。

空軍の説明では同装置は「試験電子装置および振動式熱パイプ技術を宇宙空間で長期テストする」のに役立つとある。X-37Bのミッション期間は次々に延長されており、数年間にわたる軌道飛行への需要に応えることになりそうだ。

「第5回ミッションでX-37Bの宇宙空間での性能と柔軟度をさらに伸ばし、宇宙技術実証機として試験装備を搭載する」と空軍は説明している。

空軍がペイロードの開示を頑なに拒んできたため、様々な観測を呼んだ。空軍はX-37Bが武器を搭載したことはないとする。宇宙機の過剰武装は1967年の外宇宙条約に違反する。

宇宙軍を創設し、ミサイル防衛も含む軌道上装備の開発をめざすドナルド・トランプ大統領がこれまでの宇宙配備兵器の禁止を解除する可能性もある。

ただしX-37Bを再利用可能なスパイ衛星として活用することは全く合法であり、驚くべきことではない。その他の科学ミッションを妨害せず情報収集が可能だ。

実際、空軍も熱拡散装置のテスト以外の任務があると認めている。

「第5回OTVミッションではこれまでより大きな傾斜角軌道でX-37Bの軌道飛行性能を拡大する」と空軍は説明。

軌道傾斜角は上空通過する際の南北の最大緯度に等しくなる。これまでは37度と43度の間だった。

傾斜角度を増やすと情報収集の拡大につながる。これまでのX-37Bの傾斜角ではロシアのほぼ全土が外れていたことに注目すべきだ。

X-37B第5回ミッションはロシア上空を飛行する可能性がある。■

この記事は以下を再構成したものです。

Could The Air Force's X-37B 'Orbital Drone' Be The First Of America's Space Weapons?

For now, space weapons are prohibited by treaty.
by David Axe 
April 4, 2020  Topic: Technology  Region: Americas  Blog Brand: The Buzz  Tags: X-37X-37BMilitaryTechnologyU.S. Air Force


David Axe serves as Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels  War Fix, War Is Boring and Machete Squad. This first appeared earlier in August 2019 and is being reposted due to reader interest.

Image: U.S. Air Force.

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