SR-71ブラックバードは世界最速、最高高度を飛行する性能のまま1990年代末に引退した。多分早すぎたのだろう。
衛星より早い
スパイ機の任務は大部分が衛星偵察に取って代わられたとはいえ、衛星が完璧な解決策とは限らない。衛星が正しい位置につくには最長24時間かかるので、SR-71ブラックバードより遅い。同機ならLAからD.C.までわずか1時間で移動できる。
衛星にはもう一つ弱点がある。攻撃に脆弱だ。衛星の軌道は予測できるため、敵対国家が衛星の飛行経路を追尾し、いったん有事になれば撃墜できる。これは深刻な脆弱性につながる。
無人機が偵察に広範に投入されているが、飛行速度は高速といえず、ステルス性能がないと攻撃に脆弱だ。
しかし恐れる必要はない。ロッキードのスカンクワークスに解決策がある。SR-71の2倍で飛行する新型機だ。
スカンクワークス
実態が不詳のままSR-72の性能で観測を呼んでいる。SR-72はマッハ5以上の極超音速飛行性能を有しているはずだ。
SR-71は飛行前準備からして大変だった(宇宙機打ち上げのようなカウントダウンが必要だった)が、SR-72ではそこまでの準備作業は必要とならないはずだ。
SR-72事業についてオーランド・キャヴァルホ、ロッキード・マーティンの航空部門執行副社長がフォートワースの航空宇宙展示会で以下説明している。
「詳しくお話できないが、スカンクチームはカリフォーニア州パームデールで飛行速度への挑戦に取り組んでいる」とし、「極超音速はステルスと同様の効果がある画期的技術で、ブラックバードの2倍3倍の飛行速度が実現する。保安上の規則によりマッハ5以上とだけお伝えしておく」
SR-72の実態は不明のままだが、ロッキード・マーティン広報資料によればスクラムジェットとタービンエンジンでマッハ5超の速力を実現するとある。機体サイズはSR-71とほぼ同じで2020年代末ごろに供用開始するといわれる。
すでに完成しているのか
SR-71の事案どおりなら、SR-72の存在は供用を開始しても当分知られることはないはずだ。つまり、SR-72はすでに飛行開始している可能性もある。■
この記事は以下を再構成しました。
Could a Mach 5 SR-72 Spy Plane Already Be in the Sky?
by Caleb
April 7, 2020 Topic: Security Blog Brand: The Buzz Tags: SR-71SR-72TechnologySpy PlaneHypersonic
Caleb Larson is a Defense Writer with The National Interest. He holds a Master of Public Policy and covers U.S. and Russian security, European defense issues, and German politics and culture.
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