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F-22は2060年代まで最先端戦闘機として供用を狙う(予算が全て計上されれば)




能改修が予定通りすべて実現すれば、F-22は最高水準の制空戦闘機のまま2060年代まで君臨し、第6世代戦闘機と交代する。

F-35やF-15Xに関心が集まる中、米空軍の主力制空戦闘機F-22ラプターの影が薄かった。

2000年代初頭に供用開始した当時、ラプターは世界最高水準の機体だったが、ラプターの性能向上改修はF-15、F-16と比べると頻度が少なく、一部で旧式化してきた。たとえば、F-16、F-15、F/A-18はJHMCSミサイル照準技術を導入し、パイロットは敵機へ視線を向けるだけでよいが、F-22に導入されていない。

米空軍はF-22改修をソフトウェアで対応し、ハードウェア改修は最小限で兵装を統合してきた。だがレーダーや電子光学センサーは小型化し性能向上している。

F-22の機体はUSAF供用中の機材では最高性能の「シャーシ」で、推力偏向やスーパークルーズ性能を実現したが、ステルス性のためセンサーやポッドを搭載できない構造だ。さらに製造は2011年に終了しており、機体性能の改修の余地は限られる。

F-22の最新の改修はハードウェアとソフトウェアに及び、ベースライン3.2B、アップデータ6とそれぞれ呼称される。目標は最新の空対空ミサイルの導入とネットワーク戦能力の向上だ。

AIM-9X、AIM-120D空対空ミサイルをF-22のエイビオニクスで対応可能とする。AIM-9Xは2014年からF-22へ導入予定だったが、何度も延期されてきた。

同ミサイルは2017年に利用可能となっており、いよいよJHMCSヘルメットをF-22に導入する。

改修では新型暗号技術も導入し、厳しい電子戦環境でもF-22を対応可能とする。Link-16データリンクの送信モジュールを組合わせF-22は他機種とレーダー・標的情報を送受信し共有可能となる。現状ではF-22でLink-16の「受信」しかできない。

戦闘状況を把握するセンサーで旧型機に情報共有する機能をF-35が実現したことで、USAFもF-22のデータリンク性能向上に向かうのだろう。

データリンクとミサイル更新を組み合わせたF-22は最新第4世代機と肩を並べる。F-35はセンサー技術で依然として先を走る。

ただし、F-22のセンサー性能改修の予算計上は2020年代後半で、F-35のEOTS、DASの各装備と似た電子光学モジュールを導入する。この改修でF-15Xと同等になる。

イラク、アフガニスタン戦の現場でF-22がF-35の後塵を拝する事態があったが、超大国間の戦闘に焦点を合わせる中、F-22に再び脚光があてられている。

性能改修構想は2013年からあったが、予算手当がつき優先順位を高めたのは2019年度以降である。すべて予定通りならF-22は2060年代まで最先端制空戦闘機の座を維持し、第6世代戦闘機に交代する。■

この記事は以下を再構成したものです。

These Upgrades Will Keep The F-22 Raptor Combat Ready Until 2060

When a sixth-generation fighter will take over.

April 23, 2020  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: F-22F-22 RaptorF-35U.S. Air ForceStealth Fighter


Charlie Gao studied Political and Computer Science at Grinnell College and is a frequent commentator on defense and national security issues. This article first appeared earlier this year.

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