2016年7月27日水曜日

UASの空中空母構想でハイテク飛行船を利用する構想が浮上



航続距離の不足をカバーするため、空中母機構想は過去に各種ありましたが実用化に至ったものは皆無でした。今回は温故知新ではないですが、技術進歩で空中空母を実現しようと言うたくましい企業のお話です。しかし飛行船でなくても太陽電池で分散推進手段を運用する無人長時間滞空機も母艦になりませんか。技術の進歩で今まで不可能と思われた構想が実現性を帯びてきます。それだけに発想力、企画力がもっと必要になりますね。

Aviation Week & Space Technology

Airship Carriers Could Extend Smaller UAS Capabilities

Jul 22, 2016 Graham Warwick | Aviation Week & Space Technology
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  1. 無人航空システム(UAS)の性能は向上し続けており、ペイロードは小型しつつ威力は増加している。だが欠点がある。航続距離だ。「太平洋地区でどうやって小型UASを運用したらよいでしょうか」とDARPA副長官スティーブ・ウォーカーがワシントンの会合で問いかけている。
  2. DARPAの回答はグレムリン構想で、既存大型機の輸送機や爆撃機から小型UASを多数発進回収し、各UASに航空優勢が確立できない空域に侵入させ協調運用する。
  3. 別の構想がサイエンス・アプリケーションズ・インターナショナルコーポレーション(SAIC)とArcXeonから出たエアステーションAirStation構想で、飛行船をUASの空中空母に利用する。両社は軍事用途以外に物流配送作業にも転用できると説明。
  4. 空飛ぶ空母構想は以前にもあり、米海軍は飛行船USSエイクロン、USSメイコンを1930年代初頭に運用した。全長785フィートのメイコンは三日間飛行を続け、カーティスF9Cスパロウホーク偵察機を3機内部格納庫に搭載した。
  5. 複葉機は飛行船から空中ブランコを展開して発進回収し、飛行船の巡航速度は60ノットで偵察機の失速速度55ノットを僅かに上回る程度だった。二機の偵察機を使いメイコンは165,000平方マイル(約427千平方キロ)に及ぶ海域を探査できたとSAICのロン・ホチステラーは言う。 
  6. エイクロン、メイコンは飛行船と航空機の組み合わせで偵察能力を向上する狙いがあったが、グッドイヤーは1930年代末にもっと大型の空母飛行船構想を発表していた。だが陸上運用偵察機の性能が向上し、費用対効果で対抗できなかったとホチステラーは述べる。
  7. 飛行船を長時間監視手段にする提案がでは米陸軍と空軍がイラク・アフガニスタン戦真っ盛りの時期に企画したが結局キャンセルされている。同じ機能は小型あるいは中型UASの分散型、多機種で各種センサーを使った運用で実現した。
  8. だがUASには支援設備が必要で、「発進する地上拠点や艦船は容易に移動できないし、政治的な理由で運用が不可能な場所や洋上地点がある」とホチステラーは言う。
  9. 「最大限にUASの性能を活用するには移動と地理的制約から自由が必要であり、そのためUAS運用に特化した飛行支援記機材が必要です」
  10. DARPAのグレムリン構想では既存機種を母機とし、おそらくロッキード・マーティンC-130輸送機を使うだろうが、飛行船に比べれば滞空時間は短く、母機自体にも地上支援が必要だ。小型UASと大型ターボプロップ機の速度差も問題だとホチステラーは指摘する。

無人航空機隊を運用するUAS空母飛行船の概念図 Credit: SAIC/ArcXeon


  1. 「専用機材が必要です。小型中型UASの性能をフルに発揮させる機材が必要です。専用のUAS母機はほぼ全空域で活用でき、同時に維持費用は負担可能な範囲です」
  2. 空母飛行船は自動運転でUASを発進、回収、燃料補給し、再発進させる。ロボットアームとコンピュータ画像処理を応用する。飛行船は水平線超え通信中継機になり、UASと地上操作員が連絡しあうことが可能となる。
  3. 飛行船への空中給油も可能だと両社は主張しており、洋上で燃料を詰めた袋を拾い上げる案(1950年代に実証されており1990年代にも実施している)や飛行船にドッキングできる改装航空機による給油案が浮かび上がっている。
  4. 「UAS空母飛行船の傑出した価値は長時間飛行性能でUASを必要な期間に渡り該当空域に展開させることにあります」とホチステラーは説明する。「UAS空母を安全なスタンドオフ位置に待機させることも可能ですが統制、燃料補給、置換できるようUASの活動空域に接近させることも可能でしょう」
小型非硬式飛行船がInstituのスキャンイーグルUAS二機を搭載する運用構想があるCredit: SAIC/ArcXeon

  1. SAICは傘下のレイドスとともにスカイバス30K、80K無人飛行船を開発した経験があり、後者は米陸軍向けに制作しペイロード実証テストで飛行している。
  2. 大型商用飛行船を開発中の企業は数社あり、ロッキード・マーティンや英国のハイブリッド・エアヴィークルスがあるが、エアステーション構想をまとめた両社によれば各社の設計案を利用すればペイロード40トンのUAS空母が実現できるという。
  3. 「大型商用飛行船にUAS発進回収システムズを搭載したUAS空母は開発可能で、運用試験できると思います。その場合、各種UASの軍事用途に加え、民間商用運行も視野に入ってくるでしょう」(ホチステラー)■


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