ここにきて中国の動向に関心が集まり、米中軍事衝突の想定での記事が増えています。観念的な内容が次第に兵装レベルに移ってきたのはそれだけ緊張がリアルであることの証拠でしょう。
DAVE MAJUMDAR
Wednesday at 10:59 PM
National Interest 誌はF-22戦闘機を南シナ海に投入すれば中国で最高性能を誇るHQ-9ミサイル防空網をかいくぐり勢力均衡が変わるとしている。
- 強力なHQ-9ミサイルを中国が南シナ海ウッディ島に持ち込んだことで緊張がさらに高くなっているが、ただちに開戦になる可能性は低い。だが武力衝突が発生すれば米国はHQ-9に対抗してロッキード・マーティンF-22ラプターを投入するだろう。
- HQ-9は極めて高性能な兵器でロシアのアルマズアンティS-300P(SA-10グラウラー)と米製MIM-104ペイトリオット(中国はイスラエルから入手済み)の長所を融合させたような装備だ。だが米製、あるいはロシア製の地対空ミサイル(SAM)にない特徴としてアクティブ電子スキャンアレイレーダーを搭載している。HQ-9発射装置一式で同時に6個の目標を最大120マイル射程、高度90千フィートまで狙える。さらに一部のHQ-9迎撃ミサイルでは最大有効射程が150マイルまで延長しているといわれる。同ミサイルには事実上の飛行禁止帯ができるほどの威力がある。
- 第五世代ステルス戦闘機F-22ラプターはHQ-9に対抗して米空軍が投入できる最高の機材だ。もともと制空戦闘機の役割を中心に考えてきたが、多様な任務をこなせるのは実証ずみだ。また制空任務にあわせ「ドアを破り」ノースロップ・グラマンB-2爆撃機に侵入経路を開く任務も想定している。イラクとシリア上空ではF-22の強力なセンサー性能が着目され、偵察任務と指揮統制任務もこなしている。
- 空軍のラプター遠征飛行隊がエルメンドーフ・リチャードソン共用基地にあり、第三飛行団がアラスカから展開できる。同飛行団の機体は装備アップグレードで最新の3.2A仕様になっている。つまり合成開口レーダーによる地図表示、位置認識能力に加えて小口径爆弾(SBD)の運用能力があり、戦闘識別能力が向上しており、Link-16によるデータ受け渡しで各機のデータを融合できる。.
- 現在配備中の機体にアップグレード5仕様のソフトウェアがついているか不明だが、同ソフトは2015年10月にリリース済みで、AIM-9Xサイドワインダー、AIM-120D AMRAAMおよび自動地上衝突回避システムがソフトウェアが先に搭載されていれば運用できる。
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- ラプターはインクリメント3.1アップグレードで位置把握性能が付与されており、S-300やS-400相手に強力な威力を発揮できる。合成開口レーダーと位置把握能力でラプターは高機動式SAMの位置を突き止め、スピードとステルスを組み合わせ比較的安全に攻撃を加えることが可能。マッハ1.8超の飛行速度をアフターバーナーを使わずに維持でき、同機のレーダー断面積はおはじき玉ほどになる。つまりHQ-9陣地に接近して250ポンドのSBDあるいは1,000ポンドのJDAM衛星誘導爆弾を敵に機体を長くさらすことなく投下できる。
- 中国はウッディ島にHQ-9を持ち込み各国空軍機の接近を困難にしているが、F-22が到着すれば米空軍は南シナ海上空を自由に飛行できる。
Dave Majumdar is the defense editor for the National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.
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