本当に今回のクーデターでは大統領は危機一髪だっととよくわかります。機転のきいた行動を取れたトルコ国民はすばらしいですね。それだけ統制が取れていないということなのかもしれませんが。空軍はこれでは粛清の嵐で当面戦力が低下したままでしょうね。
Pilots Flying Old F-4 Fighters Were the Turkish President’s Most Loyal Aerial Defenders
But the aging planes couldn’t match the rebels’ F-16s
7月15日夜、トルコ軍一部がエルドアン大統領に反旗を翻し蜂起し、あと一歩で大統領を殺害あるいは身柄拘束するところだった。
- 大統領に忠実な軍部隊は少数にとどまり、その一つがエスキシェヒルEskisehirの第一主力ジェット戦闘機基地で、F-4Eファントム2020戦闘機がエルドアンの護衛に発進したのはクーデターが成功しそうと思われた暗い時間帯のことだった。.
- だが老朽化した戦闘機隊は反乱軍指揮下のF-16の敵ではなかった。
- クーデターの先棒を担いだのは空軍だった。数ヶ月前から計画していたのは明らかで反乱軍は国外追放中のモスレム宗教家フェトゥラ・ギュレンに感化されたといわれ、F-16を4機、KC-135給油機の4機、UH-60輸送ヘリコプター数機、AH-1攻撃ヘリ一機、AS532救難ヘリコプター2機、C-160とC-130輸送機6機、さらに新型A400輸送機の2機を確保していた。
- 7月15日午後10時、F-16の二機編隊が第四主力ジェット基地のあるアンカラ北方アキンチ Akinciを離陸し、反乱軍の航空管制官の指示でアンカラ上空を低空飛行しヘリコプターと合流すると政府官庁、警察施設、情報機関に銃撃を加え、報道では親大統領派数十名が死亡している。
- エルドアン大統領は地中海の保養地で休暇中だった。クーデター発生の内通を受け、ガルフストリームVIP仕様機でイスタンブールへ向かった。だが反乱軍が空港を制圧しているのを知る。ガルフストリームは空港周囲を旋回飛行すると、反乱軍F-16が向かってきて、大統領機を撃墜する動きを示す。
- あるいは反乱軍首謀者は大統領の殺害ではなく身柄を拘束して革命法廷に立たせるつもりだったのかもしれない
。 「 クーデター司令部から大統領機をアンカラのアキンチ基地に着陸させろとの命令が出ていた.... エルドアンを生け捕りにするねらいがあった」と中東の軍事航空に詳しいババク・タグヴァイーが War Is Boring に解説している。 - ビナリ・ユルドゥルム首相が空軍に大統領警護を求めたといわれる。だが空軍の主要基地は大部分が求めに応じていない。第三主力ジェット基地は南部のコニアにあり、F-16を発進させ大統領を「エスコート」することに合意したものの、反乱軍機の撃墜は拒否した。
- エルドアンの側につくのは第一主力ジェット基地だけだった。だがタグヴァイーによれば同基地配備の機材は改修を受けたと言ってもヴィエトナム戦時代のF-4が50機ほどあるが、新型空対空ミサイルがなく、反乱軍機撃墜は不可能だったという。
- 一方、エルドアン大統領機のパイロットはトランスポンダー信号を切り替えターキッシュエアラインズ定期便に見せかけ、機体外部の照明を切ったことで大統領の命を救った。
- 大統領派部隊がイスタンブール空港を奪取するとガルフストリームは安全に着陸した。その後CNNを通じて大統領は乗機の防御策は明言しなかったが、反乱軍F-16が低空で超音速飛行していたと述べている。
- エルドアンは支持者に蜂起を呼びかけた。市民数千名が街頭へ出て反乱軍を圧倒した。第一主力ジェット基地のF-4編隊がやっと飛来した。反乱軍のF-16を撃墜する代わりにアキンチ基地の滑走路を爆撃し、反乱軍の主力航空勢力を足止めにした。
- クーデーターは7月16日に終結した。死亡300名近く、うち100名が反乱勢力だった。生き延びたエルドアン大統領は軍にクーデター支持の疑いのある7,000名の逮捕を命じうち数百名が高官だった。
- タグヴァイーのF-4についての見解には異論があり、軍事方面を専門とするトルコ記者アルダ・メヴルトグルはWar Is Boringに以下述べている。「F-4関連の話は真実ではありません。軍の大半は共和国体制に忠実で、声rがクーデター失敗の原因です」
- もしタグヴァイーが正しければ、クーデター後の粛清で精鋭部隊と基地司令部が排除され、旧型F-4と大統領に忠実度を示した乗員が空軍の中核となるだろう、一時的にせよ。■
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