America's F-105 Thunderchief Fighter-Bomber: The F-35 of the Vietnam War?
July 3, 2016
War Is BoringによればF-35はF-16との模擬空戦で旋回速度が遅すぎて勝てなかったとテストパイロットが語っている。
- これからの米空軍で最多の戦闘機材になるF-35が数で優勢なロシアや中国の機体と戦って残存できるのだろうか。
- 答えは歴史の中にある。50年前にも米空軍は同じ予測をしている。攻撃の主力F-105サンダーチーフは重量級ハイテク地上攻撃機で敵戦闘機も同時に撃退できるはず、とF-35と同様だった。
- だが事実はF-105も旋回速度が遅くロシア製MiG-21に太刀打ちできず、空軍はF-105の損失を防ぐ特別な戦法を編み出した。同様の措置はF-35でも必要だろう。
- F-35とF-105は驚くほど似ている。「F-105とJSFは大型、単座機、単発の戦闘攻撃機で、その時点で最強力なエンジンを搭載、空虚重量は27千ポンド級で翼幅もほぼ同じ35フィートだ」とオーストラリア航空宇宙専門家カーロ・コップが2004年に指摘していた。
© 2005, 2007 Carlo Kopp
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- 「両機種とも機内兵装庫があり機外パイロンで燃料と兵装を運べる」とコップは指摘し、「ともに戦闘半径400カイリクラスを目指し推力重量比、高機動操縦性能で制空戦闘機や迎撃機より劣っていた」
© 2005, 2007 Carlo Kopp
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- 空軍が調達したF-105は833機のうち334機をヴィエトナムで1965年から1970年までに喪失している。北ヴィエトナムのMiGに撃墜されたのは22機で、F-105が撃墜したMiGは27機とほぼ対等の空戦実績を上げている。
- だが対等だからとペンタゴンは喜んでいたわけではない。1969年には状況を改善するべくF-105に模擬空中戦をイラクから搬入したMiG-21と行わせた。国防情報局の「Have Doughnut」の一環でイスラエルに亡命した機体をイスラエルから借りた。
- 結果はF-105に芳しくなかった。MiG-21と遭遇したF-105はまず回避行動をとるよう勧奨された。MiG-21後方に回り気づかれない時に限り、サンダーチーフは高速奇襲攻撃した。
- F-105とMiG-21は対等の条件で空中戦を展開していたが、F-105はトラブルに遭遇している。「F-105が交戦で長時間機体を操縦すると、機動エネルギーがなくなり、操縦の余裕が減ることで攻撃力が減じ、追撃を受けやすくなる」ことが判明したと報告書にある。
- F-16と戦ったF-35パイロットも同様の現象を報告している。「パッチレートが不足した」F-35のパイロットが「敵機に対してエネルギー不足が何度も発生した」と述べている。
- F-105には直線飛行では他機の追随を許さない速度上の利点があったが、F-35は現役世代のスホイ、瀋陽、成都の各戦闘機よりも低速だ。さいわいにもJSFはステルス機なので、一定の条件なら敵の長距離探知センサーから逃れることが可能だ。
- 将来の戦争に備えF-35の残存性を高くする戦術を開発し、ステルス性を武器に優位性を確立すべきだ。コップは「決定的なのはJSFのステルス性には限界があること」と指摘している。■
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