米中開戦となれば日本含む第一列島線は死守できないと米国は見ています。そのため距離を稼ぐため一時的に後方へ下がる想定なのでしょうが、F-35は特に航続距離が短く運用は大変でしょうね。そのため給油機を中国が狙い撃ちすれば終わりです。また、小牧にF-35のFACOができますが、このトーンでは早々に稼働不能になってしまうのでしょうか。近隣住民は巻き添え被害となりそうですね。
Air Force Officers Give New Details for F-35 in War With China
BY MARCUS WEISGERBER
- JUNE 30, 2016
米空軍関係者がF-35共用打撃戦闘機を中国との戦争でどう活用するかを初めて公表した。結論は同機を戦闘投入するには多くの点で変更が必要だということだ。
- 「第四世代機のF-15やF-16なら確実に撃墜される」とジェフ・ハリジアン少将(ペンタゴンでF-35の空軍導入計画を立案してきた)は語る。少将とマックス・マロスコ大佐(太平洋空軍司令部で航空・サイバー作戦の副司令官)が共著した報告書ではF-35がどう実戦で活躍するか詳細に述べておりミッチェル航空宇宙研究所から7月に発表される。
- 「一言で言えば敵を撃破してこちらは残存する能力がすべてだ」(ハリジアン少将)
- 空軍関係者がF-35など高性能機材に導入されている高度技術が戦場でどう有利に働くかを口にすることが増えている。が、今回の報告書では前例のない詳細情報を空軍上層部が説明しており、同機をどう投入するのかがわかる。
- 報告書のシナリオでは2026年に開戦となり、敵側はレーダーや通信を妨害し、十分に活躍できるのはステルス機のF-22,F-35各戦闘機、B-2およびB-21各爆撃機だけとなる。敵には移動式地対空ミサイル防衛があり、敵地を安全に飛行して目標を攻撃できるのはステルス機だけになる想定だ。
- ペンタゴンは戦闘機を太平洋各地に展開するが使用する航空施設は少数の軍事基地と民間空港で戦闘の最前線から1,000マイルも離れた場所を選び、敵の弾道ミサイルや巡航ミサイルによる基地の壊滅を防ぐ。特に域内の拠点基地に機材を集結させる傾向が強い。
- 「開戦直後の数日でF-35が帰還してくると敵ミサイル攻撃で破壊された基地があることに気付くはずだ。この時点でF-22やF-35なら航空管制は不要だ。各機のハイテクコンピュータで滑走路まで無事誘導でき、悪天候でも変わりない」
- 旧式機のF-15やF-16は敵レーダーに探知されやすく戦場に近づけない。長距離地対空ミサイルの有効範囲外を飛行する必要があるためだ。
- 報告書では中国を敵国と名指しておらず、架空戦が「中核海外地点」で発生する想定。シナリオではF-35はオーストラリアへ運用基地を変更せざるを得なくなる。第五世代機と高性能防空体制を完備しているのはロシアと中国だけで、ロシアはあきらかに距離がありすぎる。オーストラリアもF-35導入を予定しており、戦闘で被害を受けた米空軍のF-35の補修も可能だろう。
- この戦闘に勝利するためにはペンタゴンが考えている機材の利用方法を変更する必要があるとハリジアンとマロスコは述べている。F-22とF-35のミッション実施頻度は現行機より増やすべきだ。各機に目標情報をハイテクコンピューター通信装備を完備した指揮所が発信し、機体は戦闘地帯に飛ぶ。旧式機との通信接続でも改善が必須だ。
- 米空軍はF-22やF-35を米国内基地からもっと迅速に展開する必要もある。敵機材が戦闘地帯周辺へ移動させてくるとマロスコは見る。敵側は目的を少ない機材と人員で達成できる。
- そこで新型第五世代機は現地の情報を集め指令所や僚機へデータを高速送信する必要が出てくる。データはクラウドへ送るべきだとハリジアンは主張する。
- 報告書の目標は最も高性能を誇る戦闘機を戦場でどう活用すべきかの議論の活性化にあり、旧型機や同盟国軍の機材との連携でも議論が必要だ。「議論は完結していない」とハリジアン少将は認める。
- 第五世代戦闘機はステルス、ハイテクコンピュータ、センサーを機体に詰め込んだ存在といわれ、戦場では攻撃の主役とみなされ、データを集め情報を共有する性能がある。
- F-22やF-35が戦場に投入されるころには敵も進歩しているのを覚悟する必要があるとハリジアンは指摘する。
- 報告書の公表は空軍がF-35Aの初期作戦能力獲得を宣言するタイミングと一致する。この事は地域軍部隊司令官が同機を戦闘に呼べることを意味する。海兵隊は先にこの宣言を昨年終えているが、ISIS、アフガニスタン、アフリカのいずれでもF-35を投入していない。
- ハリジアン自身もF-22パイロットでまもなくイラク、シリアでのISIS空爆作戦の指揮官に赴任する予定だ。空軍のF-22は2005年に初期作戦能力を獲得したが実戦投入は2014年まで待たねばならなかった。この年に比較的優秀な防空体制を有すると思われたシリアでISIS拠点の空爆が始まっている。■
マーカス・ワイズガーバーはDefense Oneのグローバルビジネスエディターでビジネスと安全保障にまたがる題材を得意とする。Defense Newsのペンタゴン特派員、Inside Air Forceの主筆を務めている。
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