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★F-3開発はF-22/F-35ハイブリッド案に決まったのか

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Japan's New Stealth Fighter: A Hybrid Mix of the F-22 and F-35?

日本の次期ステルス戦闘機はF-22、F-35のハイブリッド案で決定?
 
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April 24, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: F-22F-35MilitaryTechnologyWorldJapanStealth

本政府は米F-22、F-35ステルス戦闘機の要素を組み合わせた新型機を実現したい意向だ。
極秘技術を日本に公開しハイブリッド戦闘機の実現を進めようとの姿勢が米当局から示されている。
日本には同様の経験が前にもあった。1980年代90年代にかけてロッキード・マーティンF-16戦闘機の設計をもとにライセンスを受けF-2開発を進め、主翼を大型化し電子装備を強化した。
だがF-2はあまりにも高額な機体になった。日本が目指すステルス機戦闘機は少数規模に終わったF-2後継機の想定だが同様にとんでもない単価になる可能性がある。
「高性能F-35ステルス戦闘機の極秘技術情報を日本へ開示し航空自衛隊F-2戦闘機の後継機種開発を進めたいとの提案が米国から入った」と読売新聞が伝えている。
航空自衛隊にはF-35もある。防衛省に届いた米提案内容ではF-35等を元に共同開発するとあり、世界最先端の戦闘機を実現するとのものだ。
日本政府筋によれば米国からF-35搭載のエンジンやミサイル制御用のソフトウェアの機密情報開示に応じてもよいと伝えてきたとある。F-35用のソフトウェアは今まで米国以外に公開していないが、F-2後継機に搭載されれば米国はソースコードを日本に公開することになる。
ハイブリッド機は日本が「F-3」と呼称するはずで機体はロッキードのF-22でセンサーや電子装備はF-35と同等になるとロッキードは提案。
日本は2000年代初頭に空自F-15後継機にF-22を取得したいと打診してきたが、米国はロッキードにF-22輸出を禁じる法制を成立させた。F-22ハイブリッド案が実現すればロッキードは輸出禁止措置を回避できる。
ただし日本が必要とする新型機の機数は少ない。空自はF-35A型B型あわせ141機導入を決めており、F-4と旧式F-15を更新する。
F-35の141機全部稼働で空自は改修型F-15J(102機)、F-2(82機)との混合編成となる。日本が考えるハイブリッドF-3はF-2後継機だがF-15J後継機としてもおかしくない。
だが完全新型ステルス機開発が184機程度では機体単価が高くなりすぎる。すでにF-2で痛い経験もした。
F-2では20年余りで100機足らずの生産を三菱重工が行いスケールメリットが生まれなかった。F-2はF-16の四倍の機体単価とされるが性能が4倍とはいいがたい。
米空軍はF-22の187機を700億ドルで調達した。既存技術の応用で日本向け戦闘機開発に節減効果が生まれそうだが、読売新聞は新型戦闘機開発予算は180億ドル程度と推計した。
これに対しTeal Groupアナリストのリチャード・アブラフィアの試算では日本のステルス戦闘機小規模生産には最低で200億ドル必要だという。
これだけの規模は「明らかに(空自の)予算規模を超える」とする。日本の防衛予算はGDPの1パーセント相当ちょうどだ。つまり年間500億ドル未満で、米国国防予算の10パーセントにも満たない。■
David Axe serves as Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels  War Fix, War Is Boring and Machete Squad.

この問題はいつになったら方向性がはっきりするのでしょう。ロッキード提案を米当局も後押ししているようですが、F-2の苦い経験から日本はどっちに舵を切るのでしょう。一方で機体開発が今までと質的に変わっており、今までの体験を引きずったままで選択を誤りかねません。ここは目的とあるべき姿をゼロベースで考え直し、最適解を求める「ブレイクスルー思考」でことをすすめるべきではないでしょうか。(ブレイクスルー思考にご関心の向きは日本企画計画学会のウェブサイトhttp://www.bttnet.com/jps/index.htmを御覧ください。

コメント

  1. 共同開発には基本的に反対ですね。まず、日本の国状にあった飛行機が作れない、米国の制約で改造が容易にできなくなる、EODASあたりは当面は厳しいかもしれないが、それ以外は日本でも作れる。EODASはそれに取り組めば将来的には自国でも作れると思っている。
    利点としては、仕事量の大部分を日本でできる、日本の都合で改造ができる。将来の戦闘機のベース機として発展させられる。
    これらのデメリットやメリットをみると、自国で開発して欲しいですね。

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  2. ぼたんのちから2019年4月28日 10:19

    この記事に書かれている、「米国からF-35搭載のエンジンやミサイル制御用のソフトウェアの機密情報開示」だけなら、日本にとってのメリットは多くなく、日本でもある程度のものは作れるのでなかろうか。
    F-35の最大の利点である、ステルス技術、全方位探知・解析技術やデータリンク技術等の開示無くして世界最先端の戦闘機は開発できないだろう。そもそも世界最先端の戦闘機が日本に必要なのかも疑問だ。
    ここに米国の考えが透けて見えるのではないだろうか。
    日本は、F-2後継機として将来何が必要なのか、十分吟味する必要がある。例えば、ステルス性能を持つ長々距離対艦ミサイルがあれば、搭載能力を大きくし、ステルス性能は必要ないかもしれない。早期警戒機やF-35の援護があれば、F-35並みの全方位探知技術は差し当たり必要ないかもしれない。
    いずれにしても、2兆円ほどの予算では要望の全てを満足させることはできないであろう。
    ここは、将来を見据えてしっかり計画してもらいたいところだ。本当に世界最先端の戦闘機が、今後、30年戦争抑止力として大きな効果があるなら、防衛費のGDPの1%の壁を越えても資金を投入すべきであろう。
    一旦戦争になってしまえば、GDPの何倍ものお金を費やすことになる。この戦費を無くすことができるなら、GDPの数%の費用など安いものとの考え方もできる。

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  3. ここ数年の三菱重工のグダグダを見ていると、本当に国産がいいのか、心配になってきたよ。
    とはいえ、他に選択肢もないので三菱がやる他ないのだけれど、技術提供があったとしても心配だなぁ。

    技術的にも、経済的にも、日本の単独開発なんて現実的ではないのに、夢見ている人が多いようだけど。

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  4. 防衛省があれもこれも詰め込みすぎると失敗もあるでしょうが、今まで個別に作ってきた技術の統合という観点でF-3の仕様を決めれば可能だと思いますし、中国の領土拡大政策を見れば、自国で戦闘機を作れるように準備する必要性はあると思います。
    例え、日米安保があるとしても、自力で戦えない国には米国は支援をしないでしょうし、他国からも甘く見られるのは必然。こうした経済面だけでは無い側面も考慮してF-3の仕様は決めて欲しいです。そうでないと、F-15やF-2を高いお金を払ってライセンス生産してきた実績が無駄になってしまいます。当時の人たちは何故、そこまでして国産機を作ることにこだわったのか、それは将来の日本のためです。そのことを我々は忘れてはいけないと思います。

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    返信
    1. まぁ、作れるというなら作ればいいと思いますよ。
      ただ、作りたいと作れるというのは、大きな差があります。ライセンス生産の過去が無駄になるというのも、サンクコストに囚われた考え方であまり賛同できません。

      F-35Aの墜落の原因が、もし仮に三菱の生産体制にあるようなら、自国開発にはより慎重になるべきでしょう。
      三菱重工は大型客船の造船から撤退しましたが、そこには外国人労働者の妨害工作があったという”噂”です。まぁ、この噂を単純に信じるわけではないですが、もし仮に防諜の面でスキがあるというなら国防の重要なプロジェクトを任せるわけには行きません。

      まぁ、開発はしたいけれど任せる相手が信用できないってことですよ。信用できない相手(三菱)に任せるなら、やめたほうがいいってことはありえるわけです。

      三菱重工が信頼を取り戻して、良い戦闘機を作ってくれることが最善でそれを願っているのはいうまでもないですがね。

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  5. F22共同開発のほうが国産よりも更にコストが高いって事には触れてないんだな

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