各種ソースや公開、非公開情報を駆使する米メディアでさえ正体が一向にわからないB-21が突如目の前に現れる日が来そうです。そのときにB-2類似と言われる機体の外観が本当にそのとおりかわかることになりそうです。ステルス機技術が進化しますが、真のステルスはB-21のみになれば、今後は派生型として電子攻撃特化型、特殊作戦用、あるいは「ミサイルトラック」としての「重武装」機として戦闘機の概念を覆す機体も登場してくるかも知れません。
The New B-21 Stealth Bomber: Flying Much Sooner Than Expected?
新型ステルス爆撃機B-21は予想より早く飛行開始になるのか
by Kris Osborn
米空軍はB-21の重要設計審査を完了したようだ。2020年代中頃に新世代ステルス爆撃機が戦力化される見込みが強まってきた。開発の進展は空軍が目指す調達「加速化」の重要な成果のひとつなのかもしれない。
B-21の調達大日程や詳細面が話題に上ることはないが、空軍の調達年間報告書2018年度版で「爆撃機」とだけ記述のある調達加速化戦略の一例が見つかる。空軍上層部はWarrior Mavenに重要設計審査が進行中と伝えており、空軍長官ヘザー・ウィルソンは2020年代の供用開始に開発は順調と報道陣に述べている。空軍は手続き簡素化による試作製作・開発を目ざしており、新型ステルス爆撃機にも影響が生まれているようだ。
「従来の調達方法では爆撃機から毛布まですべて買ってきた。だがこのやり方では全事業に完璧対応は不可能。このやり方では最前線に肝心の解決策が届かなくなる。厳正な内部点検で事業を見直せば調達業務の無駄を省くことが可能のはずだ。次代の空軍装備はもっと迅速かつ効率よく配備でき、試作、実証含め調達が個別に最適化されていく」との報告がある。
ロシア、中国の防空体制強化で既存機種のB-2では対応が難しくなると見られる中、新規ステルス技術に大きな期待が寄せられている。コンピュータ性能の向上、デジタルネットワーク技術や標的捕捉能力の向上で一部ながらステルス機捕捉が従来より向上してきた。だがB-21ならこの課題を念頭に新世代ステルス機として敵防空体制を突破し今後長期に渡る供用が可能となる技術が盛り込まれる。
ロシアのS-300やS-400対空ミサイルはデジタル技術とネットワーク「ノード」で追尾標的データを交換しつつ広域で効果を発揮する設計だ。新しい防空装備に高性能指揮統制機能が加わり従来より広範囲の周波数での敵機探知が可能となる。このためB-2では対応が難しくなりつつあり、B-21でさえ将来は厳しくなるとの見方さえある。このため開発部門、兵装技術専門家等が同じメッセージを出している。空軍はこれから登場するB-21爆撃機に相当の投資をすべきというものだ。
とはいえB-2も一度に性能の限界を露呈して姿を消すわけではない。同機は改修中で、演算能力は千倍に引き上げ、自機防御管理装備のセンサーで敵防空体制が認識可能になれば今後も運用可能だ。
ミッチェル研究所の論文「ステルスの必須条件」が新世代ステルスの「必須条件」に触れている。
主な内容には空軍高官の発言としてステルス技術はB-21でさらに前進し、「世界いかなる地点をいかなる時にも標的に」捉えることが可能となるとある。
一般的にいえば、改善対象には機体形状の極限化と排熱処理の改良で敵探知から逃れることがあるはずだ。機体端部の処理、排熱の削減、パイロンに兵装を吊るさないこと他でレーダー信号は接近してくる爆撃機の正体を電磁的につかめなくなる。光の速度は既知なので電磁信号の移動時間からコンピュータで敵機の正確な距離を探知する。
ただし、ステルス機の場合は返ってくる信号がまったくない、あるいはいかなる既知機体のものとも異なる。ステルス機は敵レーダーでは鳥あるいは昆虫程度にしか映らない。
「レーダー探知されても追尾追跡があり、データ転送で交戦すべくミサイル発射する際には小型レーダーを使います。迎撃側は低視認技術の影響を免れません」とミッチェル航空中研究所所長デイヴィッド・デプチュラ退役中将は語っていた。
ステルス機迎撃を難しくする要素に電子戦「ジャミング」防衛もあり、悪天候下でも音響信号を引き下げて他のステルス性能劣る機材による攻撃を可能とし敵防空体制の注意を集める効果もある。
EWが突出する理由として新規装備が敵脅威の登場に応じソフトウェアアップブレードが迅速に行える設計になっていることがある。このためB-21のEW能力はミッチェル研究所の論調と同様に周波数多数を駆使する敵防空体制の上を行く技術を盛り込むことになりそうだ。
米空軍発表のB-21想像図では飛行制御用の尾翼がない。尾翼があれば側面からのレーダー反射となり、B-21のRCS(レーダー断面積)は前方後方に加え側方も減るのであらゆる角度からの探知が困難になるとミッチェル研究所も指摘している。
RCSついででいうと「レーダーとレーザー断面積の処理技術」との表題の技術論文がAerospace Research Centralにあり、新しい塗装技術に『レーダー吸収剤と人工メタマテリアル」があるとしている。
IRや熱特徴の削減に向けた新技術はエンジンと排気口の配置とも関連する。エンジンは機体内部に搭載視排気パイプが機体上部につくが排気そのものは大幅に減る。これはB-2と同様と同上論文は指摘している。
こうした新規技術要素からこれからの戦闘での脅威への対応策で共通認識が生まれており、B-21が今後の敵防空網を突破可能な唯一の機材になる可能性が見えてきた。スタンドオフ兵器が敵防空装備を破壊し、ピンポイント攻撃で絶対必要条件となるだろう。だがEW装備ではスタンドオフ兵器運用機材より接近した地点での運用が必要だ。
B-21は技術を常にアップグレード可能の前提にする。このことはソフトウェア、センサー、兵装、コンピューターやエイビオニクスの新型が登場すればすぐ搭載できることになる。■
Kris Osborn is a Senior Fellow at The Lexington Institute. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army - Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.
B-21はB-2よりも小型化するのであれば兵器搭載量や電子機器に支障が出ないか心配です。
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